中井祐樹先生の新連載企画!! そのときどきの事件やニュースを中井先生の格闘技観を通して解説していきます! 3回目のテーマは「柔道女子日本代表の強化合宿」です!
――中井先生は先日、柔道女子日本代表の強化合宿で特別講師として寝技を指導されましたね。
“伝説の格闘家”中井祐樹氏が柔道女子代表に柔術指導
https://www.daily.co.jp/general/2017/05/02/0010151348.shtml
中井 昨年末に金野潤強化委員長と増地克之女子代表監督がパラエストラ東京にいらして「ぜひ指導をお願いしたい」というお話をいただきまして。2年前には金野先生が監督を務める日大柔道部と、我々ブラジリアン柔術の合同練習をやっていたりしたんですけど、今回はまさかまさかの……。
――日本代表の指導なんですね。
中井 メッチャ緊張しましたよ。ボクのような“フェイク柔道家”が……自分で言うなって話ですけど(苦笑)。「総本山に足を踏み入れていいのかな?」っていう悩みはあったんですけど。
――そういうもんですか。
――東京オリンピックに向けた国家プロジェクトではありますね。
中井 こんな私にも敬意を持って接してくれたので、しっかり応えていきたいなって思いました。年明けに青木(真也)くんが全柔連でノーギの指導をしたじゃないですか。そのあとに柔道女子が全日本女子レスリングチームと合同練習してましたが、今回の指導もその流れなんですね。
――リオ五輪前には沖縄角力をやったり、日本柔道はいろいろとチャレンジしてますね。
中井 集中力を養うためにろくろを回して焼き物を作っていたりとか(笑)。金野先生のアイデアだと思うんですけど、そこに井上康生監督の改革の動きがうまく合致してるところはありますね。
――実際に指導してみていかがでしたか?
中井 合宿初日の夜入りして、懇親会でスタッフの方と顔合わせをして。翌日の午前と午後の練習をまるまる私の講習に当てられたんです。
――おお、けっこうな時間を割いたんですね。
中井 どちらも2時間半から3時間くらい。報道陣が取材したのは午後の部なんですけど、その日に世界選手権のメンバー発表や、ジャージのお披露目があったのでマスコミがやけに多かったんですね。だからあちこちでニュースになってたんです。
――ちょうど報道陣が殺到する日だったんですか。
中井 私の講習をわざとその日に持ってきたのかはわからないですけど、井上監督一流の作戦というか、メディアにアピールするのがうまいんだと思うんですね。
――新しい試みをやっていると。たしかに井上監督になってから柔道代表のイメージは変わりましたね。
中井 それで前日の夜入りしたときに柔道の寝技の動画を見せられたんです。攻めれそうで攻められそうにない寝技の映像集。足が抜けそうで抜けないもの、相手にこういう寝技をされて困ってるというもの。私にはそういう局面の対処法をやってほしいというリクエストなんです。こういう寝技のかたちになったときの何か解決法はないか?と。
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