UFC残留が決定した佐々木憂流迦インタビュー。リリース濃厚とされていた裏側には何があったのか?
ニューヨークの佐々木憂流迦 ©OnTheRoad Management
――UFC契約更新おめでとうございます!
――奇跡ですか!!
憂流迦 ホントですよ。2勝3敗なのにUFCが評価してくれたのはありがたいですよね。ファイトマネーも上がったんですよ、負けてるのに(笑)。
――6月というとシンガポールっぽいですね。憂流迦選手をマネジメントのシュウ・ヒラタさんはかなりのやり手ですけど、いったいどうやったんですかね(笑)。
憂流迦 俺もわからないです(笑)。
――壮大なドッキリかもしれないですよ(笑)。判定負けとなったウィルソン・ヘイス戦で契約満了となりましたが、試合直後はどうなると思ってたんですか?
憂流迦 2勝3敗だし、負けたから再契約はないなと。判定のコールされてるときに「ああ、終わったな……」って。
――普通に考えたら再契約はないと思いますよねぇ。
憂流迦 しかもいまのUFCの状況を考えたら再契約は難しいじゃないですか。
――いまは勝ち越してもリリースされたり、ランカーがFAしても熱心には引き止めないですもんね。堀口(恭司)選手のフリーエージェントにはビックリしたんじゃないですか?
憂流迦 そりゃあビックリしましたよ。またタイトルショットを狙える位置にいましたから「ウソだろ!?」って。ニュースを読んでUFCのランキングを見たら、もう名前が消えてるから、仕事が早いなあって。
――UFCと契約更新できなかった場合、憂流迦選手はどうするつもりだったんですか?
憂流迦 シュウさんには「一番早くUFCに戻れる道筋を作ってほしい」とお願いはしていたんですけど。
――あくまでUFCに拘ると。新体制になってからUFCは方向性が変わったという声がよく聞かれますよね。
憂流迦 周りやネットでもそう言われてますけど、実力主義は変わってないんじゃないかと思うんですよね。やっぱりUFCがナンバーワンだし、そこでチャンピオンになれば一番だって言えますから、そこは間違いないと思うんです。それでシュウさんが「一度UFCと話をしてみるから」と。そうしたらUFCから「ちょっと待ってほしい」という連絡があって。
――ほほう。
憂流迦 リリースされると思ってましたから、「ちょっと待ってほしい」ということはどういうことなんだろうな?って思うじゃないですか。
――一縷の望みがあるんじゃないか……と思っちゃいますよねぇ。
憂流迦 そうしたら奇跡が起きた(笑)。
――ハハハハハハ。
憂流迦 これはボクの力じゃないですね。これって去年から始まってるんですよ。まずランカーのアリ・(バガウティノフ)とのオファーを受けたんですけど、結局流れて11月のブラジル大会でマテウス(・ニコラウ)に決まって。そのマテウスが直前でドーピングで引っかかって、代替選手が用意されたんですけど、UFCに「ランカーとやるためにブラジルに行くのに……」ということで断ったんです。そうしたらランキング4位のウイルソン戦のオファーがあって。
――マテウスがドーピングアウトになったのは試合直前ですよね。試合に向けてトレーニングしてきた選手からすれば、代替選手との試合に飛びついてもおかしくないですが……。
憂流迦 UFCから来たオファーをすべて受けるだけじゃダメなんだなって思います。とくに日本人選手は受けちゃうかもしれないですね、「断ったらいけないんじゃないか……」って。ボクもあそこでランカーでもない代替選手とやったら、今回契約更新できなかったかもしれないです。
――危なかったですねぇ。
憂流迦 そこはシュウさんと、いまのコーチの話し合いで決められたので。ボクがすべての判断をしてるわけではないんですけどね。
――もし自分だけの判断するとしたら……。
憂流迦 それは難しいなあ。まず自分だけで判断はしないですからね(笑)。そこはメチャクチャ信頼してるのでホントに。やっぱりマネジメントはプロフェッショナルな人に任せたほうがいいとは思うんですよね。
――憂流迦選手が判断するのは“誰に任せるのか”ということですね。
憂流迦 チョイス能力の問題が大きいと思いますよ。これから出てくる若い子たちは、そこを知っておかないと、ホントにかわいそうなことになりますよ。
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