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MMAエンターティナー、アンデウソン・シウバ論評■北米通信『MMA UNLEASHED』更新

2012/10/20 00:14 投稿

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『UFC153』ではアンデウソン・シウバがまたしても、恐るべき強さを発揮して、ステファン・ボナーを葬った。今回は、このアンデウソンの強さについての米MMAメディアの反応をまとめてみたい。

まず、シウバがライトヘビー級でもこれほどまでに強い姿を見せてしまった以上、ジョルジュ・サンピエールとの夢の対決はもはや色あせてしまったという論評があった。

「ジョン・ジョーンズが急台頭してくるまで、MMAファン垂涎のスーパーファイトは『アンデウソン・シウバ vs. ジョルジュ・サンピエール』であった。

しかし思えば、このカードには筋の通らない面もある。GSPはうんと小柄で、シウバ並の体格の選手とやり合ったことがないのである。普段のシウバはGSPより30パウンドも重いのだ。

『シウバ vs. ジョーンズ』であれば、それほどの体格差もない。そしてシウバはUFC153で、ライトヘビー級でもミドル級と同じように馬鹿馬鹿しいほどの強さを発揮できることを再び示したのである


(出 所)Kevin Iole, Anderson Silva-Jon Jones superfight drawing much more interest than potential Silva-GSP fight, Yahoo! Sports, Oct 14, 2012


シウバが見せたものは、勝ち負けを越えて、芸術作品の域に達しているという分析も見られた。

「セ ミリタイアのボナーにシウバが負けるわけがないと、高をくくってPPVを買わなかった人は、試合後にインターネットで結果を見て、そら見たことかと確信を 深めたことだろう。ただ、そんな人が知りようもなかったのは、それなりに価値あるものを見損なったということだ。すなわち、アーティストの仕事ぶりを見逃 したのである。こんな仕事ぶりをあと何回、目にすることができるかは誰にもわからない。

ボナーはやるべきことをやった。シウバに戦いを挑 み、自滅するかのように負けた。この試合が興味深かったのは、どちらが勝つかがわからなかったからではない。シウバがどんな方法で勝つのだろうかという点 がわからなかったのだ。そしてシウバは、奇妙なまでに興味深い方法で、PPVを買った甲斐あったと思わせてくれた。一流と超一流の差を見せつけたのであ る。

並の選手は勝つことに全力を尽くす。しかしシウバはどうやら、美しい勝利という作品を作り出すことに関心があるようだ。シウバは動く芸術作品である。時に人を魅惑し、時にいらだたせる」 

(出所)Ben Fowlkes, Future is murky, but Anderson Silva again proves a traveling piece of performance art, MMA Junkie, Oct 14, 2012

自らブラジルで大スターになって、UFCをブラジルで本気で根付かせ、次世代選手を育成していこうという、リーダーとして覚醒したシウバの姿を認める分析も見られた。

「シウバがケージで過ごす時間は文字通りのパフォーマンスであった。試合後のシウバは、「みなさんのためにショーを開くため」、つまり大会を救うだけのために戦ったことを明らかにした。

現 役生活が終幕に近づくにつれて、シウバは変容してきている。これまでわれわれは、ファイター・シウバ、マーシャル・アーティスト・シウバ、チャンピオン・ シウバを見てきた。しかし土曜の夜に見たのは、エンターティナー・シウバであった。37歳にして、シウバはアスリートを卒業し、ほかに何かになろうとして いる。

ブラジルではシウバのメディア露出はドンドン増えていて、このままメインストリームのスターになる可能性が高い。ボナー戦でシウバが示した能力は、まさにショーマンのそれだった。シウバは明らかに、観衆を楽しませることに意識的であった。

そしてシウバの気持ちの中に、母国の次世代の選手にインスピレーションを与えたいと言うこともあったことだろう。

試合後記者会見でシウバは、「UFCがブラジルでしっかりと根付くことがとても重要だ。私もそのお手伝いをしたい」と語り、新世代を導く役割への自覚を示したのであった」 

(出所)Hywel Teague, Silva evolving into an entertainer, ESPN.com. Oct 14, 2012

シ ウバのUFCとの契約は残り2試合となっており、これから契約更新の交渉が行われることになる。その過程でさまざまな駆け引きが行われ、虚実ないまぜの情 報が報じられることになるだろうが、ファンとしては、交渉にあまり時間をかけすぎず、シウバが勝ち続け、現役感がまだまだ強いうちに、ジョーンズとの頂上 対決がぜひとも実現されることを願いたいところである。

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Dropkick編集部

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