皆さん、RIZINの「第１試合」の結果がすべてKO・一本決着であることをご存知ですか？　一昨年の年末からスタートして昨年の年末まで６回の開催を数えるRIZIN。いまだにオープニングマッチの勝敗はジャッジに委ねられていないのです――。

RIZIN

15年12月29日　高阪剛vsジェームス・トンプソン（TKO）

15年12月31日　RENAvsイリアーナ・ヴァレンティーノ（一本）

16年4月17日悠矢vs祐毅（TKO）※キックボクシングルール

16年9月25日ギャビ・ガルシアvsデスティニー･ヤーブロー（一本）

16年12月29日北岡悟vsダロン・クルックシャンク（一本）

16年12月31日　那須川天心vsカウイカ・オリージョ（一本）

プロレス格闘技の「第１試合」はその多くはキャリアが浅い選手が起用されます。いわゆる前座ってやつですね。しかし、日本のメジャーMMAイベントの場合、派手なオープニングセレモニーのあとに「第１試合」が始まりますから、知名度もそこそこあって、アグレッシブな試合をする選手を登場させる傾向にあります。先に紹介したRIZINの「第１試合」からもその意図は伝わってくる。
　そこでRIZINの源流となるPRIDEスタッフが制作したMMAイベントを調べてみました（全77大会）。

まず77大会の一本・KO決着率はこちらです。

一本・KO決着48回（約62パーセント）

判定決着29回（約38パーセント）

じつはこの数字、PRIDE全試合の一本・KO決着率や判定率とほぼ変わりません。毎回一本・KO決着を狙ったマッチメイクは難しいし、RIZINが確変状態なのかもしれませんね。もうひとつの「第１試合」の役割である名前の知られた選手を起用して大会を温めるという点ではどうでしょうか。どの選手が「第１試合」で起用されているか調べてみました。

１位　ミノワマン　10戦7勝3敗一本・KO勝ち7回　一本・KO負け２回　判定勝ち０回　判定負け１回

「第１試合」の王様はブッチギリでミノワマン!!　脅威の一本KO決着率90パーセントで会場を温めてくれました。その多くはDREAM時代の「第１試合」となりますが、ミノワマンは無差別級GPに出場して優勝していますから、それはつまり大会後半の試合順もあったということ。そのうえでこの回数だから凄い。RIZINには未登場ですが再び「第１試合」を飾る日は来るのでしょうか。

２位　中村和裕　6戦3勝3敗　一本・KO勝ち０回　一本・KO負け２回　判定勝ち３回　判定負け２回

２位はまさかの中村カズ!! そういえばPRIDE全盛期のビッグイベントは中村選手の判定試合から始まっていた記憶がよみがえってきました……。対戦相手はボブチャンチン、ランデルマン、近藤有己と「第１試合」に相応しいマッチアップではありましたし、世界に通用する日本人格闘家（ちなみに中村カズ選手は日本人のPRIDEファイター最高勝率を記録）を育成したかったんでしょうが……。

３位　ゲーリー・グッドリッジ　5戦2勝3敗　一本・TKO勝ち2回　一本・TKO負け3回　判定勝ち0回　判定負け0回

勝っても負けても判定決着なしのグッドリッジが３位。ボブチャンチン戦は２回もオープニングマッチに組まれました（全77大会中、同一カードが２度も第１試合に行われたのはこのカードだけ）。

３位　松井大二郎　5戦2勝2敗1分け　一本・TKO勝ち0回　一本・TKO負け0回　判定勝ち2回　判定負け2回

グレイシーハンターとして快進撃をはたしていた桜庭和志が当時所属していた高田道場。その「切り込み隊長」として第１試合を任されることが多かったのが松井選手ですが、熱血キャラどおりのスカッとした決着はつけられませんでした。

４位　イゴール・ボブチャンチン　4戦3勝1敗　一本・TKO勝ち3回　一本・TKO負け0回　判定勝ち0回　判定負け1回　

RIZINで復活が噂される北の最終兵器も4回登場。唯一の判定決着は中村カズ戦です……。

「第１試合」に３回起用された選手たちにはヴァンダレイ・シウバ、ボブ・サップ、ヒース・ヒーリング、横井宏考、ニーノ・"エルビス"・シェンブリなど。「第１試合」向きの選手が並ぶ中、ローマン・ゼンツォフといったヒョードルのコネ起用としか思えない選手も。なんでおまえが「PRIDE散会式」となった『やれんのか！』の第１試合なんだよ！　あのときオープニングセレモニーで大盛り上がりだった会場のテンションが、あっという間に静まり返ったんですから「第１試合」は大事です……というわけで、４月のRIZINは誰が「第１試合」に任されるのでしょうか？　

Dropkickメルマガ人気インタビューの一覧表。

試し読みができます！　名前をクリックすると記事に飛びます！