格闘技ブログ「MMA THE ORANGE」の管理人オレンジがディープなエピソードをお届けする「MMAオレンジ色の手帖」！　今回のテーマは「9月25日RIZIN視聴率戦争の行方」！　

もういくつ寝ると「RIZIN FIGHTING WORLD GP 2016 無差別級トーナメント開幕戦」。今大会は大会当日（9月25日）にフジテレビのゴールデンタイムに放送される事が早々と決定したためか、大晦日以上にお茶の間に響きそうな大ネタのオンパレード。山本美憂×RENAの新旧女王対決にリオ五輪のアマレス勢躍進の勢いに乗って吉田沙保里のライバル村田夏南子が連続参戦。

さらには才賀紀左衛門×山本アーセンのポテンシャル対決はあびる優×山本ファミリーの大絶叫声援対決も込みで瞬間最大視聴率の有力候補。その他にも所英男のグレイシー狩りに今やタレントと呼んだ方がよいくらいバラエティー番組でよく見かけるバルトに知名度の高いミルコ・クロコップも登場するとあって、番組の作り方次第ではかなりの高視聴率を獲るんじゃないかなと。

最近は何をやっても裏目に出るフジテレビが復権に向けた起爆剤になるかと淡い期待を抱いていましたが、裏番組のラインナップを見て驚愕。。。これはもうRIZIN包囲網。。。いや、RIZINの方から巨大兵力の中に竹槍一本で飛び込んだといった方が正しいか。。もはやRIZINの敵はUFCではなく日テレやNHKだと言っても過言ではないほどの強力な裏番組が並んでいます。

まずは安定のNHK。人気脚本家・三谷幸喜が手掛ける「真田丸」は超強力な対抗馬。安定して視聴率15％をキープしており、特に真田一族が父子敵味方に分かれて戦う事になる「犬伏の別れ」の回は放送終了後から賞賛の嵐。続いて前半の山場とみられていた「関ヶ原の合戦」は僅か1分で終了させるという独特の三谷ワールドを展開して、放送開始以来最も勢いのある状態でRIZINにぶつかります。

そしてダークホースがテレビ東京。「池上彰のご当地裏事情」という3時間特番を持ってきました。「地方の婚活事情」や「東京オリンピックの裏事情」に池上さんが厳しく斬りこむという社会派の内容。選挙特番をとってみても、池上彰×テレビ東京は高視聴率の方程式。RIZINとは真逆の内容だけに予想以上に数字を伸ばしてくるかもしれません。

そんな中、最も脅威になりそうなのは日本テレビ。今や視聴率三冠王をほしいままにしていますが、特に日曜日のゴールデンタイムの強さは圧倒的。夜7時の「鉄腕DASH」を皮切りに「世界の果てまでイッテQ」「行列の出来る法律相談所」と視聴率15%以上の強力ラインナップが居並びます。「鉄腕DASH」で引き付けた視聴者を22時まで日テレに釘付けにさるという無慈悲な強さ。野球で例えるならクロマティ→原→中畑の往年の巨人軍のクリーンナップ。格闘技で言えば、ヒョードル、ミルコ、ノゲイラのPRIDE3強といったところでしょう。

しかも、RIZINが中継される25日は「イッテQ」の2時間特別バージョン。RIZINとまったく同じ時間帯で「イモトアヤコがスイス・アイガー登頂に挑戦」を放送するというからたまったもんじゃありません。ご存知の方も多いと思いますが、イモトの登山企画はイッテQの人気コーナー。これまでにもキリマンジャロやモンブランなど世界の名だたる山の頂に挑戦して、波乱万丈、紆余曲折の末に成功させてきました。字面にするとどうもチープになりますが、高山病の影響なのか急にテンションが高くなって饒舌になったかと思うと、見かねて注意したスタッフと言い合いになるシーンなど緊迫感満点。バラエティというより、人間が極限状態におかれた時にどうなるのかを映し出したリアルなドキュメンタリーと言った方がいいのかもしれません。

さらに「イッテQ」の登山企画は実はRIZINを放送するフジテレビにとって因縁浅からぬ相手というのはご存知でしょうか。事の発端は昨年7月。フジテレビは「本気になれなきゃテレビじゃない」をテーマに掲げて夏の恒例特番「FNS27時間テレビ」を放送。オアシズ大久保佳代子の88kmマラソンやたんぽぽ白鳥のバンジージャンプでギネスに挑戦など「本気」を名乗るだけあってバラエティの中にドキュメンタリー要素をふんだんに盛り込んできました。

しかし、そこに立ちふさがったのがイモトの登山。27時間テレビのグランドフィナーレと同時間帯でイモトが北米最高峰マッキンリーの登頂に成功する様を放送するや否やSNSでは話題沸騰。イモトに対して「感動した」「泣いた」と絶賛する声で埋め尽くされる一方、27時間テレビはマラソン中にワゴン車で移動した疑惑が浮上して軽い炎上騒動が勃発する始末。視聴率でも27時間テレビは歴代ワースト2位の10.4％（27時間トータル）、イッQは17.1％と高い視聴率を叩き出し、奇しくもその「本気度」が数字になって現れました。

フジテレビにとっては目の上のたんこぶとも言えるイモト登山。しかも、今回挑戦するスイスのアイガーは多くの死者を出して「死の崖」という異名を持っている難攻不落の山脈だそうじゃありませんか。これまで以上に緊迫した展開が繰り広げられ、高視聴率を獲得する事必至。RIZINにとってはこれ以上の逆風はないでしょう。この中で果たしてどれくらいの視聴率を叩き出すのか興味津々。そういう意味では9月25日のメインカードは所×クロン・グレイシーでも山本美憂×RENAでもなく、RIZIN×イモトなのかもしれません。さて、皆様のご注文はどっち!?

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