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嫡出推定とDNA鑑定に関する最高裁判決に思う

2014/07/18 18:17 投稿

コメント:2

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  • 嫡出推定

昨日17日に、最高裁判所において非常に興味深い判断が下されました。
概要は下のURLを参照ください。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140717/k10013092531000.html

要点はただ一つ、父親と子供との親子関係を決めるのは、
血縁か、それとも法律上のつながりなのか?

母親と子は普通に考えれば、当然に親子であると判断できます。
なぜならば、母親のお腹から子供は出てくるのですからね。
一方、父親は違います。
実際のところ、父親が本当に子の親であるかは、
母親にしか判断不能、ことによっては母親にすら判断が困難であります。

したがって、民法には父子関係を定める規定があります。
それが嫡出推定です


■嫡出推定 
民法772条は、妻が結婚中に妊娠した場合、嫡出子(夫の子)と推定すると規定。結婚から200日経過後、または離婚や夫と死別した日から 300日以内に生まれた子も結婚中に妊娠したと推定する。父子関係は直接の証明が難しいため、推定によって子の法的地位の早期安定を図るのが目的とされる。


つまり、子にとって父親が定まらないのは不都合不利益であるので、
子の福祉のために、法律で父子関係を定めてしまおうということである。
逆にいえば、父親が法的に子の父親であると名乗れるのは、
この嫡出推定のおかげであるともいえる。

しかしながら、世は平成も26年を過ぎて、科学は日進月歩。
推定などせずともDNA鑑定を行えば、
血縁関係があるか否かは一目瞭然という世の中になりました。


この嫡出推定とDNA鑑定を巡り、
以下の3つの民事事件が最高裁判所で争われておりました。

<北海道のケース>
離婚した元夫婦が争った。
元妻が結婚中に現夫との子を出産。
元妻が、現夫と子との血縁関係は「99.99%」とするDNA型鑑定から、元夫と子との父子関係の取り消しを求め提訴した。
1、2審とも鑑定結果を優先し、法律上の父子関係は取り消せると判断した。

<近畿地方のケース>
当事者は別居中の夫婦。
夫が単身赴任中に妻が交際相手の子を出産した。
DNA型鑑定に加え、交際相手と子との同居の実態があるとして妻が夫を提訴。
1、2審とも父子関係は取り消せると判断した。

<四国のケース>
離婚した元夫婦の間の裁判。
元妻が産んだ子2人との血縁関係を「0%」とするDNA型鑑定結果を基に、元夫が法律上の父子関係はないとして提訴。
1、2審は父子関係は取り消せないとした。

・・・うん・・・まあ・・・なんとも・・・ひどい。
まったく、愛のない事件ばかりですね♪


さて、本邦における司法の最高機関、最高裁判所の判断は。

嫡出推定 > DNA鑑定
今回の判決は北海道のケースに対してですが、
他の2ケースに対しても同様の判断が下されることは、
ほぼ間違いありませんので、
事実上いずれの訴えもしりぞけられるということです。


嫡出推定による父子関係はDNA鑑定だけでは(法的には)覆らない。


私見を述べさせてもらえば、
これは非常に合理的な判定であると思います。
全面的に賛意を表明したい!


嫡出推定とは、先述したとおり子の福祉のための規定です。
それがDNA鑑定で覆ってしまうことにより、
父親からの被養育権を失ってしまうという不都合を生じます。
鑑定により真の父親が判明しており、
推定父親の代わりに養育を行っているという場合においても、
わざわざ推定父子関係を断つことの法的利益は、私には見いだせません。

もちろん感情的な問題は残ります。
子にとっては、法律上と血縁上、二人の父親がいる状態になります。
そのことは子に混乱を与える可能性はあるでしょう。
ただ、それを重視することで発生するデメリットが大きすぎますよ。

デメリットの例を挙げてみましょう。
もしも最高裁が DNA鑑定>嫡出推定 という判断をしたとします。

例えば、夫婦が離婚する際に、妻に内緒で父親が子のDNA鑑定を行います。
※DNA鑑定に関して国は鑑定機関に対して、
 その血縁関係者すべての同意をもって行うように、
 ガイドラインを出しているが守られていない場合が多く、
 あくまで指針に過ぎないため法的な拘束力はない。
そこで血縁の不存在が確定したとしたときを考える。
父親が父子関係の不存在を訴えそれが法的に認められることになります。
子は父親からの被養育権を失い、経済的な損失を被ります。
父子関係の喪失による戸籍の問題も発生します。
精神的な影響もまた大きいでしょう。
これは子供の福祉の観点からの大きなデメリットですよ。

そもそも、2人の父親がいるという事例は星の数ほどあります。
離婚後に親権を持った母親が再婚し再婚相手が子を籍に入れさえすれば、
育ての親・義父、血縁上の親・実父の出来上がりである。
そこで発生するデメリットは親の責任であり、
そのケアを行うのも親の務めであり、
況や国の法的保護を求めるのはおかしい話であります。


まあ、色々と述べてきましたが、
今回の話をまとめるにあたって、
私が一番に思ったのは、

DNA型親子鑑定っていらなくねえか?無駄じゃねえか?
むしろ害悪じゃねえか?


DNA鑑定というのは、ある種の「道具」であります。
もちろん上手な使い方があって、
それを必要とする場面も多い、
非常に有益なものであることは百も承知ですよ。

しかし親子関係を確定させるために使うというのは、
非常にナンセンスな利用法であると思うのです。

これは日本ではなく中国の話であるが、
中国ではかなりDNA鑑定が盛んらしく、
父子関係に疑いをもった場合、意外と簡単に行われるらしいのだが・・・。
※儒教的な家父長制度の強い国であることも影響しているのかも。
驚くべきことに、
鑑定結果の3割が父子関係なしであるという・・・。笑

まあ、それはさておいても、
元より父親にとっては自分の子として認めるというのは、
覚悟の問題というところがあるのです。
男は当然のことですが、子供を産めません。
だから女を信じて自らの遺伝子を託し、
それが引き継がれることを祈るしかないのです。


父親にとって、
子との関係は血縁外の場所で結ばれているのです。
それが良いか悪いかという問題ではなく、
ただ、男という性がそう出来ているのですよ。


さて、このDNA型による親子鑑定、
私にはまさにパンドラの箱だと思うのですが、
世の災厄を集め封印した箱。
皆さまはどうお考えでしょうか?

パンドラの箱の底には希望が残ったらしい。

希望って何ですか?
辞書的には、好ましい事物の実現を望むこと、らしいです。
要は欲望じゃないですか?笑
こうあってほしいと望む、望むだけ。
何だそれ?
なんだかさっきの3つの事件を思い出しますよ。
欲望に任せて享楽に溺れた結果としか言いようがない
下品極まりない訴え。

ああ、だったら何が残っていたらいいのかな?

うん、どうせなら、最後には愛が残っていてほしい。

愛とは。
親兄弟のいつくしみあう心。ひろく人間や生物への思いやりのこと。

それが愛です。
でもないんでしょう?
パンドラの箱の底には。


だったら開けちゃダメだって・・・。
しまっちゃえ、やめちゃえ。

コメント

奈斗
No.1 (2014/07/19 22:15)
こんばんはー。奈斗でございます。
世間は夏休み、3連休。まさに「家族」が絆を深めるのにうってつけのシーズンがやってまいりましたね。

さて、今回のブロマガ・・・非常に難しい話だと思いました。
判決の結果だけはニュースでちらっと見ただけでしたが、他にも色々な判例があったのですね。

私個人的な意見は・・・(というよりかは感想ですかね・・・。)
「DNA鑑定・・・うーん、あってもなくても良いんじゃないの?」
数値で計れるものとそうでないものが世の中にはあるだろうし、どっちに重点を置くかは個人が決めることでありそれで良いと思います。

「パンドラの箱」、一番最後に残っていたのは希望だったのですね。勉強不足で初めて知りました。
仰る通り、どうせなら愛情や信頼、大半の人が幸せだと思える何かが残っていれば良いですね。
どろ (著者)
No.2 (2014/07/22 09:05)
>>1
奈斗さんコメントいつもありがとうございます~。
難しい・・・ですよね。
私も文章打ってて、だんだん訳が分からなくなりました。
まあ、それは今回に限ったことでもないのですがww

私思うんですが、家族は血の繋がりだけじゃ絶対に成り立ちません。
時間と労力をつかって、だんだんとかけがえのないもの作っていくのです。
そしてそれを壊れないように守り続ける。
つまり努力がいるんですよね。

一方、血縁ってどうでしょう?
変化しないもの、壊れないもの、取り換えようにもできないものです。
なんの努力も必要ない。

なんかそういうものを信仰してるだけじゃ、
大事なもの失っちゃいそうな気がするんですよねえ・・・。
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