もくじ
1.HOTトピックス:注目記事のOverview- 米上院で無人機による標的殺害に関する初の公聴会
- ウォルマート、バングラデシュの衣料工場火災被害者の補償要求を無視
- ジョージア州の高校生グループ 人種統合の卒業パーティーを初めて実現
- オバマ グアンタナモ収容所閉鎖に向けて努力を表明
- ジェイソン・コリンズ 現役のプロスポーツ男性選手として初のカミングアウト
- 罰せられる島ヴィエケス 米海軍演習場閉鎖から10年
- 元ブラックパンサーのアサタ・シャクール 女性初のFBI最重要指名手配
- ドキュメンタリー映画『汚い戦争』が語る本当の物語
3.トリビア
- アーミッシュ・イン・ブルー~天然ガス開発にゆれる米国過疎地帯
HOTトピックス
Democracy Nowから最新のトレンドを抽出してざっくり紹介。ニューヨークを中心に、米国の良識派や進歩的文化人やアクティビストが、いま注目している話題をお届けします。
Overview: いま、これが話題:2013/04/22~05/03の注目記事
米上院で無人機による標的殺害に関する初の公聴会
機密に行われてきた無人機攻撃の合法性を問う動きが続いています。米上院では4月23日、オバマ政権の標的殺害プログラムに関する上院初の公聴会が開かれました。調査団体「ニューアメリカ財団」は、2009年のオバマ大統領就任以来、無人機による米国の標的殺害は、パキスタンで422回、イエメンで373回、ソマリアで数回行われたとしています。またワイヤード誌は、米空軍が発表した統計をもとにアフガニスタンでは、2012年1年間だけで333件もの無人機攻撃が行われたとしています。さまざまな調査を照らし合わせると、無人機攻撃による死亡者数は2400人~4000人あまり、そのうち民間人の死者は1割~3割にのぼると推定されています。国連では人権調査官が、米国だけではなく英国やイスラエルの無人機による標的殺害の合法性、および民間人への保護が十分かどうかを調査中です。オバマ政権はようやく最近になって、上下院の情報委員会に対して無人機によるアメリカ人の殺害の合憲性を論じた司法省の覚書を公表したばかりです。今回の公聴会では家族が住む村が米国の無人機攻撃に遭い、死亡者を出したイエメン人の活動家が、無人機の恐怖、その攻撃がいかに無用であり米国に対する敵愾心を生んでいるかを切々と語り、無人機攻撃を辞めるよう米国民に訴え、共感を呼びました。オバマ政権は、上院の要請を無視し、公聴会に人を送って標的殺害の合憲性を主張することを拒否しました。
ウォルマート、バングラデシュの衣料工場火災被害者の補償要求を無視
4月24 日にダッカ近郊でおきたビル崩壊事故の死亡者の数は、すでに600人に達したと伝えられます。この事故は、少なくとも112人の縫製工場労働者が死亡したバングラデシュのタズリーン・ファッション火災から5ヶ月後におこりました。スミ・アベディさんは、火災事故の時、タズリーンの工場で働いていて3階の窓から飛び降り九死に一生を得ました。今回の崩壊事故が起きた時、アベディさんは米国にいました。脚と腕の骨折が完治しないまま、全米を周り、ウォルマートやギャップ、ディズニーなどの小売業者に、バングラデシュでの労働環境改善を率先して行うよう呼びかけていました。ウォルマートに被災者と家族への補償を訴えることも訪米の目的でした。火災事故発生直後、ウォルマートは下請けにこの工場への発注を中止させていたと発表し直接の責任はないとしましたが、その後の調査に基づくニューヨークタイムズの記事によるとウォールマートへの納入業者の少なくとも2社が火災当時、この工場で生産を続けていたことが判明しています。けれども、ウォルマートはアベディさんの補償要求への回答を行なおうとしません。また、バングラデシュの首相は、火災は工場側の不備ではなく、放火だと言い張っています。バングラデシュの政府が、劣悪で危険な労働条件を無視してでも安価な労賃をエサに海外から衣料生産の受注を続けたいと考えているらしいことはみえみえで、政府はあてにできません。バングラデシュの労働者が法的な権利に守られて働けるよう、児童労働や組合を組織する権利をもてない労働者の手で作られた製品をアメリカに持ち込まないよう力を貸してほしいとバングラデシュの労働者たちは訴えています。
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