もくじ
1.HOTトピックス:注目記事のOverview- 新しい歴史が開くのか?同性婚をめぐる連邦最高裁の審理。
- 米次期エネルギー長官候補は、原発推進派
- モンサント保護法?
- 銃をもたないのは、犯罪?「全家庭に銃を」法案を通したジョージア州の町
- メディア改革会議、開催。勢いを増す、コミュニティ・メディア
- 『フードポリー』米国の食品供給システムを危機に陥れる寡占支配
3.トリビア
- エイミーを拘束するとどうなるか覚悟せよ
HOTトピックス
Democracy Nowから最新のトレンドを抽出してざっくり紹介。ニューヨークを中心に、米国の良識派や進歩的文化人やアクティビストが、いま注目している話題をお届けします。
Overview: いま、これが話題:2013/3/25~4/5の注目記事
新しい歴史が開くのか?同性婚をめぐる連邦最高裁の審理。
アメリカの連邦最高裁で、同性婚をめぐるふたつの訴訟が審理されています。まずひとつは、結婚を異性間に限定するとしたカリフォルニア州の「プロポジション8」をめぐる訴訟です。カリフォルニア州では2008年5月に州憲法により同性婚が認められたのですが、わずか数ヶ月後に、プロポジション8と呼ばれる住民投票で、結婚は異性間の婚姻に限定するという修正案が僅差で可決されてしまいました。しかし、アメリカの憲法は「法の下でのすべての人の平等」を保障しているはずです。個人から結婚の権利をとりあげるような州の決定は憲法違反ではないか。こうして起こされた訴訟が、ついに連邦最高裁にまで達したのです。ちなみに、現在までに全米50州のうち、9つの州が同性婚を合法化しています。
一方、連邦法では、クリントン政権下の1996年に制定された「結婚防衛法」で、同性婚は否定されました。これに対してオバマ政権は2011年に結婚防衛法を支持しないと明言し、自ら、2012年5月、現職大統領として初めて、同性婚支持を表明しました。とはいうものの、連邦政府が同性婚を承認したわけではありませんし、結婚防衛法のしばりが解かれたわけでもありません。州がいくら同性婚を認めても、相続や配偶者控除など、異性婚でなら認められる、連邦法上の権利と利益の享受を同性婚の人々は手にすることはできないのです。ふたつめの訴訟では、この「結婚防衛法」の合憲性が問われています。この訴訟の原告団代表は、83歳のイーディス・ウィンザーさんです。イーディスさんは、いち早く同性婚を認めていたカナダで2007年に結婚しましたが、40年以上連れ添ったパートナーが2009年に死亡した際、連邦相続税36万3000ドルの支払いを命じられました。異性結婚であれば、このような税金を要求されることはありません。
アメリカは国として同性婚を認めるのか。認めるのなら、異性婚と同性婚との間に権利の差があって良いはずは、ありません。最高裁の判決は、今年6月にも言い渡されるとみられており、なりゆきが注目されています。