「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
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 今回は、2020年05月26日(火)配信その1をお届けします。

 次回は、2020年7月21日(火)20:00の配信です。

 お楽しみに!

2020/05/26配信のハイライト(その1)

  • ダイオウグソクムシのめでたい話と緊急事態宣言解除
  • 定額給付金10万円をめぐって露呈した「実務能力の低さ」
  • 雇用調整助成金のシステムと「多細胞生物化を強いられなかった」日本

ダイオウグソクムシのめでたい話と緊急事態宣言解除

山路:緊急事態宣言解除されて、だいぶ明るいニュース出てきたじゃないですか。前より。

小飼:え? 明るいニュースって、緊急事態宣言って一体何だったんだろう。

山路:まぁそうなんですけど、今まで明るいニュースが1つもないぞと視聴者からも、文句を言われてたんで。

小飼:本当に全くなかったっけ?

山路:アハハ、まあちょっと科学のニュースとかで、いいニュースもあったかもしれないけど、これなんか明るいニュースとしてスタッフから出してくれと言われたのが、これ本当に明るいニュースになるのかな? ダイオウグソクムシが2年ぶりにお通じって、それコロナと、コロナの解除……。

小飼:それはめでたいよね。

山路:そうなの?

小飼:それはめでたいよ。

山路:ダイオウグソクムシの。

小飼:ダイオウグソクムシに限らず、うんこめでたいじゃん。

山路:ああ、まあまあそうね、それは。

小飼:だって特に消化器の手術をした時とかっていうのは、やっぱり出るものが出ない、ただそれはあくまでも、わりかし人間というのか哺乳類というのか、四肢動物の常識なんだよね。節足動物もうんこはするんだけども、でもうんこするとは限らない。

山路:え? そうなの? え? 出ないやつもいるってこと?

小飼:たとえばアリジゴクって、うんこしない。

山路:ああ、そのままウスバカゲロウになっちゃうのか。

小飼:そうそう。

山路:幼虫の時は一切しないで。

小飼:そう、だから強いて言えば、蛹がうんこみたいな。

山路:アハハ、へえそうなんだ。

小飼:だから、動物だったらうんこするというのは、じつは自明ではないんだよね。

山路:ダイオウグソクムシだけじゃない?

小飼:うん、まぁダイオウグソクムシは普通の節足動物だし。

山路:2年ぶりでしかも、収容される前に食ったものまで。

小飼:そうそう、2年以上前に食ったものも、うん。

山路:しかしなんか通じがあるのが当たり前だと思ってたというのが、それが間違いというのは、そんなふうに話が展開されるとは流石に予想してませんでしたよ。

小飼:違うんですよ。だからアリジゴクみたいにわりと皆さんもご存知、身近な節足動物がノーウンコのやつもいるので。
 ノーウンコがノーマルなやつもいるので。でもダイオウグソクムシはちゃんと肛門もあって、ウンコもするというのは。

山路:そのはずなのに、あんまりしないというところが、やっぱり凄いというか、話題になっているところですかね?

小飼:おめでたい。

山路:じゃあ、さっそくちょっと今日のメインの話でもあるのかな、これさっき言いかけた緊急事態宣言解除。東京都なんかは。

小飼:緊急事態って、一体何が緊急事態だったのかなと(笑)

山路:よくわからない。結局その日本の仕組みではそんなに強制することができないということはあるわけなんですよね。

小飼:それもそうだし、僕はもういちおうここに単に見せびらかすためのアベノマスク持って来たんですけど、僕自身はぜんぜんマスクしないんですけども。

山路:私の家にも来てますけどね。

小飼:自粛警察がいるって言ったじゃないですか。僕、普段マスクしてないから、自粛警察の方に職質されるのかな? と思ったけど、ひと声もかけられなかったし。

山路:ただなんというのかな、そういうけっこう空気みたいなことで、何とか頼っているところがあるっていうのは、あんまり健全な状態じゃない気がするんですけどもね。

小飼:うん、というからには、日本って健全だったことがあるの?

山路:アハハ。ああ、まあいろいろ、何かここ数日だけでも色んな健全じゃないことは起こってますもんね。じゃこの解除は……。

小飼:だけれども、やっぱりズッコケたのは1ヶ月半で終息したって、そもそも宣言出してから1ヶ月半ということだろうけれども、それ以前からヤバかったんだよね。ヤバくてついに宣言を出して、日本でも2月辺りからヤバかったわけじゃないですか。

山路:ただこれ、そのヤバかったかどうかっていうことに関するともう、緊急事態宣言を出す前には、この減少傾向は始まっていたという見方もありますよね。本当にヤバかったのかみたいなことに関しても。

小飼:でも2週間見た場合というのは、逆にそれだと1月半というのはちょっと長すぎたわけで、でも緊急事態宣言という前に、もう皆さん自粛モードに入っていたという。

山路:まあまあ、あれはちょっと他の国にはない特殊なというか。

小飼:だけども、その間に、何だったっけ? あれだ、風俗なんだけれども、何というんだったっけ?

山路:キャバクラ?

小飼:ヌードバーとか。

山路:ああヌードバーね。

小飼:そうそう、とは何だ? といったら、ちゃんと文書で定義されていたという。

山路:これか。ちょっとリンク出しましょうか。覗き部屋とか、ヌードスタジオ。

小飼:そうそう、ヌードスタジオだ、とかっていうのが流され始めたというのが、緊急事態宣言の1番の効果ですよね。

山路:うーん、そういうことをある意味何というか、1番ヤバそうなところを、感染のヤバそうなところを止められたっていう。

小飼:ちなみに大阪はもうずーっと緊急事態に入ってたままなので、何を今さらっていうことはありますよね。

山路:緊急事態のままって。

小飼:雨合羽着てるとか。

山路:あれ雨合羽は、大阪の雨合羽は謎でしたよね。あれは結局何やったの? 防護服の代わりに……。

小飼:いや、だから過去形じゃなくて、今でも大阪市庁舎に山積みにされてるそうですよ。

山路:そうなんですか。本当に何か無駄な仕事を作るのが得意な人たちではあるよな。

小飼:だから大阪はまぁずっと緊急事態なので、置いといても。

山路:これ解除を今回したわけなんですけども、解除の基準とかに関してはどう思いました? 何かたとえば10万人当りの感染者が0.2くらい……。

小飼:私の責任において、じゃないの? 要は休校要請と同じで。専門家に諮問したって言ってるけども、どの程度なんでしょう? じゃあ専門家は具体的に何を示したのか? たとえば新たに見つかる感染者がこのラインを切ってたら、それがどれだけ続いてたら、っていうのを出してたの? 大阪が勝手にそれ出したら、勝手に変えちゃったよね。まあ流石大阪っていったところですけどね、それは。

山路:あと神奈川も最初にその緊急事態宣言の解除を出す、何か10万人当り0.5人以下とか、ちょっと超えてたりしましたよね。

小飼:うん、だから1番ちょっとヤバいんじゃない? っていうふうに言われてましたけどね。

山路:なんか結局自分でルール作って、そのルール破って。

小飼:そもそも作ったルールを公開してないじゃん。公開してないで、ここまで下がったらここまで埋めましょうというのが言ってなくて、皆さんこの目標に向かって頑張りましょうではなかったじゃん。

山路:うんうん。

小飼:何となく、来週の今頃には、宣言が解除されるんじゃないかとか、そういう言い方じゃん。もうそれこそ、マスメディアに下馬評だけが流れて。

山路:うん、しかもこういう緊急事態宣言にしても解除のやつにしても、2、3日前から新聞とかが出すんですよね。

小飼:そうそう、あれは一体何なんでしょうね?

山路:何かこの何日の何時に発令の予定とか。

小飼:関係者と雀卓を囲むと教えてくれるんでしょうかね?

山路:アハハ、何か新聞が報道する時点でもう発令でいいんじゃねえかと思うんですよね。

「緊急とは?」(コメント)

山路:本当にそうですよね。あとその……。

小飼:ただ実際に緊急とかっていう文言の威力というのは馬鹿にできなくて。要は店を閉める時にも、緊急事態宣言を出してくれると、お上のせいに出来るんですよ。緊急事態宣言が出ているので、今は店閉めてます。

山路:まあそうですよね。休業補償とかの請求も出来たりとか。

小飼:そうそう。

山路:するとか、そういうせいに出来るというのは、有り難いところは。

小飼:はい、東京都はいくらくれるって言ってたんでしたっけ? 店を閉めると。

山路:あれ確か50万円。2店舗以上あるところは100万円とか何かそんな感じの。

小飼:と言ってたけど、実際に貰ったという声が聞こえてこないんですけどね。

山路:まだパーセンテージ的には数パーセントしか、確かその休業補償のお金っていうのは、払われてないって。

小飼:というのか、やっぱりWeb申請とか出来るのかな?

山路:ああ休業補償の申請をどうやっているのかは、ちょっとわからないですね。

小飼:ちなみにですね、(持続化給付金の)100万円のやつは僕も貰いました。

山路:アハハ。

小飼:凄いはっきり言って、10万円のやつよりも簡単なので。うんだから、貰えるんじゃね? と思った方というのは、ちょっと試してみるといいと思いますよ。

「山路さんは記者クラブに入れる?」(コメント)

山路:いや私なんかは、絶対記者クラブに入れないですよ。記者クラブに入れるのは、大手マスコミとかでないと無理ですよね。江川紹子さんなんかも記者クラブには入ってないですよね。

小飼:入ってないです。

山路:記者クラブというのは日本の報道の自由みたいなことの評価ポイントをめちゃめちゃ下げてる要因でもありますよね、確か。

小飼:1番ヤバい団体だと思う。よく第4の権力っていうじゃないですか。だから三権分立よりも、マスコミが行政と癒着してるのが、1番マズイんじゃね? という。

山路:本当にそう思うんだけどもな。それこそちょっと話多少ズレるかもしれないけど、検察の賭け麻雀のやつも、まさにマスメディアの癒着の話だと思うんですけれどもね。

小飼:いや、だから記者クラブというのは、要は雀卓を囲む権利なので。

山路:最初の段階では、朝日とか産経系のテレビニュースも、これ報道しなかったそうですからね。

小飼:ああ、そうなの?

山路:うん、第1報の段階ではNHKとかには報道が出たんですけど、その時点ではテレビ朝日とかは報道しなかった。

小飼:でもNHKとか1番雀卓囲んでそうだよね。

山路:まあまあイメージではそうですけど、証拠もないのに言っちゃいかんですよね。

小飼:1番ヤバいじゃん。

山路:まあね。

小飼:1番ヤバいじゃん。

山路:いやいや、あと緊急事態宣言解除の話に戻るんですけど。

小飼:はいはい。

山路:今後順次その解除の範囲を広げていくみたいなこと、たとえば東京都は、東京都で言ったら……。

小飼:具体的に何が解除されたんだっけ?

山路:ステップ1の段階では、1部の学校であるとか、あと図書館とかもそうかな。

小飼:ああ開校できるようになったの?

山路:うん。

小飼:ああそうだ、図書館とか博物館とか開いてる。

山路:第2段階でスポーツ関係とかも出来るんだったかな。ちょっとすみません、細かい詳細までは……。

小飼:はい、じゃあ日常に戻る、日常というのかパンデミック以前に戻す1歩手前って何が禁止されてるの? 逆に言うと。

山路:ええと接待付きの飲食店。

小飼:ああ、そうなのか。

山路:ヌードスタジオとかもそうなんじゃないですか。

小飼:ああそうか、風俗関係が1番最後なのか。

山路:いちおう、そういう建前というかお上の。お上の示したロードマップではそうなりますね。

小飼:パチンコ屋はどれだ?

山路:パチンコ屋は書いてあったかな? あれ? パチンコ屋どうだったっけ? ちょっとそれは、でもステップ1ではなかったと思います。スポーツクラブなんかと同じ段階じゃなかったかな。これ、こういう、しかもその2週間単位で見直して進めていく。

小飼:産経、賭け麻雀を認めるところまでは産経も出してたんだよね。でも具体的に産経の誰が誰の家で、というところまでは出していないのかな?

山路:こういう時には実名報道はしないものなんですかね? 彼らは。

小飼:ねえ。

山路:散々いつも実名報道とかするんですけど、微罪でも。
 解除のロードマップみたいなことに関してはどうですか? たとえばもっと早くに全面的に復旧すべきみたいなことを言う人もいるし、今のペースでステップ1ステップ2ステップ3みたいな感じで、2週間単位で見直してやっていくというやり方はどうなんでしょう? 東京都で。

小飼:国内旅行とかはどうなんでしょうね?

山路:それはたしか6月19日以降だったかな。県境を跨いだものは。

小飼:それって何を基準に言ってるんだろう? 実際に道路も空いてるんだけど、時々渋滞する程度には動いているわけだよね。物流だけではね。

山路:こういう形のその経済回復というんですか? それって妥当だと思います?

小飼:妥当も何も、結局どこに重きを置くかですよね。
 要はもうこれ以上1人も死者を出しません、なのか、これ以上もう誰も飢えさせませんなのか。

山路:うんうん、なんか今のって、そういう方針は言ってないじゃないですか。感染者をもうゼロにして日本からはコロナウイルスをゼロにしますみたいなことを、目指しているわけでもない。

小飼:それはかなり無理があるからね。

山路:うん、だからと言って、なんかスウェーデン的な形を目指していると明言しているわけでもない、わりと中途半端かなと思っちゃう。

「5年後はコロナ景気だ」(コメント)

小飼:いやでもなんで5年後なの? 5年もかかるのか? 流石に。

山路:なんか私、楽観的すぎると言われるかもしれないですけど、意外に1年位で落ち着いたりすること在るんじゃないかなと思ったりもするんですけど。

小飼:うーんと100年前の元祖インフルエンザの時には2年かかったのかな。3回くらい波があったみたいですね。第2波が1番痛かったと、その時は。

山路:感染症の絡みでいうと、そうやって第2波強いとかっていうじゃないですか、強いことがありえるって。だけどなんというのかな、ウィルスの生存というか感染戦略からしてみたら、弱くバーッと広げる方向に突然変異していったほうが、より広める方向にいくんじゃないか。

小飼:要は弱毒化にどれだけかかるかっていうことだよね。

山路:うん。

小飼:だから放っておけば弱毒化するよ。人間が何もしなくても。

山路:なんでその強毒化みたいな形の突然変異が起こるんだろうか? とちょっと思ったんですよね。ある程度、感染が広がってから。

小飼:だからその変異が強毒化なのか、弱毒化なのかっていうのを決めているのは、人間の細胞のほうだから。ウイルスには、だから突然変異というのはコントロールできないの。

山路:まあ別に意思があるわけじゃないんですもんね、ウイルスに。

小飼:そう、ガチャだから。

山路:なるほどね。

小飼:ガチャなの、ウイルスの立場から言っても、ガチャなんです。

山路:そうか、別に感染者を広げるゲームを彼らがやっているわけじゃないから。

小飼:そうそう、何も宿主を殺したいわけでないわけ。

山路:うーん。ただの現象にしか過ぎないというか、自然現象で。

小飼:そうなの、そうなの、ガチャなの。

山路:なるほどね。ちょっとウイルスの絡みの話でいうと、最近、新型コロナっていうのは、インフルエンザとはずいぶん感染のプロセスも違ってきてるみたいなことが言われるようになってきて、要は人間の身体って自然免疫と獲得免疫があるじゃないですか。もともと病原体に特有のに対応する獲得免疫と、なんか全般的に風邪とかに対応する自然免疫。
 で、コロナウイルスはウイルス自体の毒性は弱くて、自然免疫のほうがかなりその撃退にどうも力を発揮しているらしい。だから自然免疫が強い国民とか、あるいは環境だとあんまりこう感染が広まったりとか、重症化しないみたいなことが言われている。

小飼:いや、だからそれがわかってないんだよね。だから本当に上手くいったと言い切れないのが、もどかしいよね。