「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
今回は、8月7日(月)に配信した、フリーライター 赤木智弘さんとの対談テキスト(全3回)をお届けします。
- [小飼弾の論弾8/7「対談:赤木智弘さん @T_akagi 希望は今も戦争ですか?」 - ニコニコ動画](http://www.nicovideo.jp/watch/1504341790)
- [【会員限定】小飼弾の論弾8/7「対談:赤木智弘さん @T_akagi 10年間引きこもっていた人が働くには?」 - ニコニコ動画](http://www.nicovideo.jp/watch/1504342036)
次回のニコ生配信は、9月25日(月)20:00、脳科学者、茂木健一郎さんとの対談です!
- [小飼弾の論弾9/25「対談:茂木健一郎さん @kenichiromogi 脳科学が解明した、幸せになる方法とは?」 - 2017/09/25 20:00開始 - ニコニコ生放送](http://live.nicovideo.jp/watch/lv306037570)
お楽しみに!
2017/08/07配信のハイライト(その1)
- 都民ファーストの禁煙条例案
- ハマ弁と、15分の昼休み
- 赤木智弘さん登場
- 求職するときの年齢制限はありか? なしか?
- 高度化する簡単なお仕事
- ブラック職場に対抗する基本戦略3本の矢~残ったのは牙を抜かれた無自覚奴隷ばかりなり
- 国の政策としての非正規雇用者の正社員化でぼくらの暮らしは楽になるの?
- 確定申告は労働者の権利です
都民ファーストの禁煙条例案
【0:00】
山路:今日は、フリーライターの赤木智弘さんをゲストにお招きしております。のちほど、赤木さんに登場していただきますが、まずは時事ニュースから。
小飼:ああ! いたいた。そういうババアいたじゃん!
山路:もう、代表は退かれていますけど。
小飼:あの梯子の外し方はすごいよね。
山路:都議選が終わったとたんに代表をやめて別の人に移すという。その都民ファーストの会が打ち出してきた、今度の条例案。子供のいる家は禁煙にしようというものを9月に提出するというのが、記事になっていたんですけれども。これについて弾さんはどう思われます?
小飼:もちろん子どもの前で煙草をプカプカやるというのはダメ。でも、僕がガキのころは、小学校の職員室とかもすごい煙草臭くて、かつ、公立の小学校というのは掃除とかも、子どもにやらせるじゃないですか? 吸い殻入れを捨てに行かされていました。なぜか、そこはおぼろげに覚えているんですよ。
山路:いろいろな考え方がありますよね。例えば、家庭でのそういう禁煙みたいなことまで、条例で指示するのが、いいのかどうかとか。そういうことまで、都が手を入れるのか。
小飼:もちろん、そんな権利はないよ。彼らは権利がないのを知っていてやっているのよ。家の中というのは、都じゃないわけですよ。私の空間なわけですよ。
山路:私有地ですもんね。
小飼:もちろん、その中だからといって、例えば子供を殴る蹴るというのは、ダメですけれども、例えば子供に向かって煙をフーッと吹きかけるというのは、ダメだと思います。
山路:かなり、健康被害との関連性が明らかになっている。
小飼:それは、既存の法律でも取り締まれるわけですよ。
山路:DVの一環みたいな。
小飼:だから、わざわざ条例で謳うまでもない。
山路:では、今回の条例案は、実効性とか関係なしに、やっています感のアピールということなんですかね?
小飼:交換条件としてオリンピックの各施設を喫煙所としていただくとか(笑)。
山路:なんかすごいイヤな空間になりますね(笑)。
山路:都民ファースト関連で、もうひとつ。日本ファーストという政党ができたということで、これに関してはいかが?(笑)……弾さん、もうぐったりしてますけど、コメントする前に。
小飼:なんか眠くなってきた。ちょっと脳みそがなさすぎるよね。日本ファーストの会とかでいいの? それでも、あなたの大和魂がうずきませんか? 日本ファーストって、どこのファーストですか? 日本ファーストフード協会ですか!?
「あれ、本当になに?」(コメント)
小飼:そうだから、fastの方に聞こえちゃいますよね。firstじゃなくて。英語だとちゃんとfastとfirstは違うものなんですけどもね。日本語だとファーストなので。
山路:これって日本ファーストの会という名前は、明らかにトランプ大統領のアメリカファーストに影響受けているんじゃないかと思わせるものがあるんですけど、そういう意図はあるんですかね?
小飼:一旦なったらなったで、中の人は仕事しないという(慣例が)あるので、仕事しないのを周りもありがたがるという。頼むから何もしないでくれ、何も言わないでくれ状態になる。
山路:しかし、こういうネーミングで、少なくとも人気が獲れると彼らは思っているわけで。
小飼:実際に都知事選では、人気をとったわけですよね。
山路:しかし、どうです? 弾さんとしては、お手並み拝見なんですか?
小飼:お手並み拝見という余裕があるのかな?
山路:それまで、日本のいろいろなところのひずみの方が大きすぎて、持たないんじゃないかと。
小飼:というのか、そもそも、オリンピック開催はできるの? 今の状態で。
山路:うーん、この今の小池都知事の都政の状態でということですか?
小飼:金の問題ではなくて、納期の問題だよね。ソフトウェアと違って、建築というのは思い立ってガーッとやればできるものではないじゃないですか。
山路:道路事情みたいなものも、考えた上でやらないといけないですしね。
小飼:というか、もう仮想空間でやろうよ。世界初の仮想空間で行われるオリンピックというのであれば、それは、ちゃんと歴史にも残るじゃないですか?
山路:しかも最近、夏に本当に開催して大丈夫か? みたいな話にもなっているから、そこは夜の方が良いんじゃないかなという気がしますよね。
小飼:いやあ本当に。
山路:8月の東京で、本当にマラソンをするのかと。今日だけでも結構だらだら汗をかいたんですけど、大丈夫なんでしょうか?
小飼:当初の予算も、3000億とか言ってましたよね? なんか10倍以上に上増えるみたいですけれど、当初予算ぐらいあれば、VRを回すくらいのコンピューティングパワーは作れるでしょう。
山路:でも、こういう投資の額って、それによって経済が上手く活発になって回収できるということで、本来は巨大な予算になるわけですよね。
小飼:そうなんですよ。だから1964年の東京ですとか、1988年のソウルとかは、プラスなんですよ。
山路:上り坂になってきている国の場合は。
小飼:たぶん2008年の北京とかも、それに入ると思うんですけど、2004年のアテネとか、ロンドンはいつだったっけ? 2012年だね。
山路:そうですね。そんなにオリンピックのドーピング効果はないと言われている。
小飼:ない。だからブラジルですら、オリンピックふざけんな! という声が、だいぶ出ましたから。あれくらいでも、経済効果はネガティブなんですよね。
だから、ロンドンオリンピックをやった時、「そうか、お前らそんなに田舎者だったのか。世界一の都会のひとつかと思ったけど、カッペだったのか」と思ったけど、今度は我々がそれを言われる番なんだ。
山路:2024年や2028年は、ロサンゼルスやパリという話ですよね? あれも弾さんとしては、やめておけばいいじゃないのという?
小飼:やめておけばいいんじゃないのと思っています。
ハマ弁と、15分の昼休み
山路:じゃあ次の話題、ハマ弁が話題になっていましたね?
小飼:高いよね、あれ! 普通ああいったものというのは、公金が入って、見かけ上は安いんです。実際のかかった税金まで投入された総費用を見ると、良い値段というのは、よくあるんですけど、少なくとも見かけ上の値段というのは安く抑えているんですよ。
山路:なんか横浜の弁当というのは、470円もするという話ですよね。
小飼:はい。僕は、今日食事をする暇が撮れなかったので、さっき、コンビニでサンドウィッチをふたつ買ってきたんですけど、470円というのは、それよりもちょっと高いですね。
山路:横浜って、自治体としてもそんなにこう貧しい自治体ではないという印象があるんですけど。
小飼:それは印象論でしょう。
山路:確かに、実際の財政面というのは見てみないといけませんね。
小飼:僕もよくわからないんですけど。僕は横浜と聞いたら、最初に出てくるのが銀蠅ですから。
山路:それは古いな(笑)。
小飼:だから、なんで、ハマ弁になったのかといったら、衛生の観念じゃないですか? やっぱり、銀蠅があまりにも多かったから、はい。
山路:もうひとつ、中学校の給食の時間が15分しかないということをはるかぜちゃんが、つぶやいていたんですけど、それについてはどう思います?
小飼:ごめん、僕は中学あんまり行ってないから(笑)。だから、きちんと答えられないですけど、普通は1時間くらいで、実際はピアーッとかきこんで、残りの時間を校庭なりで遊んでいるというのが。
山路:15分は、大人にとっても、忙しなくないですかという話なんですけどね。
小飼:大人でこそ、ちょっと早飯は身体に悪いんですけれども、それは置いといて。
山路:大丈夫なのかな? というのは気になりますよね。「軍隊かよ」みたいな声も出てますよね。「自分は無理」とコメントでも出てます。「奴隷育成機関」たしかにサラリーマンの早飯のための養成講座みたいな気がしなくもないですけどね。
小飼:でも、労働基準法だと、きっかり1時間は休みを与えないといけないということになっていますから。
山路:じゃあ、それよりもヒドイ。
小飼:でも、教育現場は労働ではないと見られなくもないですけど、ちょっと横浜の事情はわからないですけど、多分銀蠅対策だということで。
赤木智弘さん登場
山路:次の話題なんですが、従業員を転籍させて元の職場に派遣するという、派遣会社のビジネスが今日の新聞で紹介されていて、こういうビジネスモデルを展開しますという話なんですけど。
小飼:でも、よく大きな会社は、いろいろな子会社とかを持ってますよね? なんで、あれ自分の所でやらないかと言ったら、ひとつは人件費を抑えるためという身も蓋もない。
山路:結局、子会社にとやることで、給料を下げられる。言ってみたら、親会社と子会社で身分差別みたいなものがあるという感じなんですか?
小飼:まあ、そういうことですよね。それは、今みたいに非正規雇用が3分の1を占めるくらいいるという状況になる前、基本的に派遣業というのができませんよという時代がそうだったの。一種の非正規雇用だったんです。本当に。
山路:じゃあ、非正規雇用の問題に関わってきたところで、今日のゲストの赤木智弘さんにご登場いただきましょう。
小飼・山路:いらっしゃいませ。
赤木:どうも、よろしくお願いします。
山路:赤木智弘さんは、「「丸山眞男」をひっぱたきたい」という論文を投稿されたことで、非正規や格差問題の論客として注目を浴びました。最初の著作は、『若者を見殺しにする国、私を戦争に向かわせるものは何か』という、けっこうショッキングなタイトルでしたね。
小飼:こちらの上梓っていつでしたっけ?
赤木:2008年ですね。もともと、その論文が載ったのが、確か2007年の1月号で、そこから1年くらいだと思いますね。
山路:実はこの時に、弾さんと赤木さんが対談をしたんですよね?
赤木:そうですね。
小飼:今はなき雑誌ですね。
山路:そうなんですか。ちなみにその時って、どんな感じの対談だったんですか?
赤木:どうだったかな。たぶん、この本を出して、もう7、8年前ですもんね。何の話しましたっけ? でも結局、やっぱり経済の話だったような気がするんですけね。
小飼:経済の話でしたね。
赤木:やっぱりベーシックインカムとか、その辺の話をしたような記憶があるんですよね。
小飼:ということは、ですよ。この時代と今、奥付見たら2007年11月1日。その翌年がリーマンショックじゃないですか?
山路:ああ、そういう時期だったんですね。
小飼:そういう時期だったんですよね。アメリカは実際に、イラクとアフガンで戦争していたわけですよ。今もアフガンで戦争していますけどね。
山路:そう考えると、結構いろいろあった10年かなと思うんですけど。
小飼:そうです。やっぱり戦争がいいですか?(笑)
赤木:東日本大震災というのがあって、それでも実は社会全体が大きく変わっていないという気がします。やっぱり、もっと大きなものでないとダメなのかなという気がしてるんですよ。
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