みらい図書館番外編「司書さんの書架」
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サワリの森
著：西浦和也　TOブックス

読み始めてびっくりした。
タイトルのせいか、もっとじっとりとしたホラー…怪談を、想像していたので。

全然違った。めまぐるしく、次から次へと畳みかけるように事件がおきる。
場面ごとに視界がかちりと切り替わって、どこか映像的な印象すらあった気がする。もちろん怖いのだけれど…説明が難しい…うーん、陽性の濃度が高い、そんな怖さ。結末からのイメージでもあるし、もっとずっと前、最初の方からでもある。

パワフルっていえばいいのかなぁ…
怖いものだけを取り出してみれば、想像していたものに近い、じっとりとした怪異なのだけれど、対処の仕方や登場人物、世界観みたいなものが、どこかからりとしていて、その対比が、不思議なバランスをつくりだしている。

1冊の中で終わってしまうのが勿体ないような、色んなものが飛び出してくる本だった。この世界のこの場所だけで、あとどれだけ事件が隠れているんだろう…いつまでも、そんな気がする…

司書さんの声の人　関谷まゆこ（せきや　まゆこ）
本が好きです。現在、アプリや動画などで活動させて頂いております。司書さんの「声の人」として「みらい図書館」のニコ生朗読を担当中。時々誤解されますが、司書さんの中の人（Twitterとか）とは別人です（笑）
「司書さんの書架」では司書さんになりきったりなりきらなかったりしつつ、ノベルメインに本の紹介…というか、気ままな感想を書かせて頂きます。
宜しくお願いします。

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