【ヲタ評×ガンダムビルドファイターズ・前編】
ガンプラを遠隔操作して戦わせるガンプラバトルの流行する世界。ガンプラ好きの少年イオリ・セイは天才的操縦技術を持つ謎の少年レイジと出会い、共にチャンピオンを目指して戦う。 アニメ、ガンダムビルドファイターズの魅力とは!
ガンダムビルドファイターズ 1 [DVD]
ガンプラはどんな自由な発想で作ってもいいんだ!
というわけで第十七回、冬の大メカ物祭り最後を飾るのは、
アニメ『ガンダムビルドファイターズ』
本作は大人気アニメシリーズガンダムを題材にしたプラモデル、ガンプラを主軸に、一流ガンプラファイターを父に持つ少年イオリ・セイと天才的ガンプラ操縦技術を持つ謎多き少年レイジの活躍を描くガンプラバトルアニメ。
過去、いちヲタク作品を超えて日本が誇るヲタク文化にまで発展した作品はゴジラ、ウルトラマン、仮面ライダー、ガンダムやエヴァと列挙に暇がない。
しかし、残念ながらそれらの中で今も第一線で活躍し、全盛期に近い人気を保っている作品は多くない。
今回はガンダムビルドファイターズの批評を通して、何故ガンダムというコンテンツが生誕三十五年を迎えた今も不動の人気作品の地位にあるかを考えていきたい。
そもそも、ある作品が人気を博しシリーズ化されるのは商業的な必然であるが、盛者必衰という言葉が示す通り、どんな名作も時の流れに抗って人気を保つ事は難しい。
それは第一に、その作品が持つ時代性が現代のそれと不一致を起こし、共感を得られなくなっていく事が理由に挙げられる。
ウルトラマンを例に挙げれば、対怪獣という構図がバトルに対する敵との葛藤、コミュニケーションを排除する為、九十年代後期から続く対話や葛藤を過剰に描いた演出を取りづらくしている点。
また、秘密を抱えた一人の超人とそれを取り巻く多数の凡人の構図は、必然的に主人公を孤独にし、一人の人間に危険と責任が集中する形は旧世代的で現代で共感を得る事は難しいだろう。
そういった問題は時代に合わせて内容を改めていく事で解決出来るが、不一致を起こしている箇所が作品の根幹と直結している場合、方針の変更には多大な勇気が要求される。
また、作品の根幹を成す要素の変更は既存のファンの反感を買う場合が多く、そもそも長寿シリーズは長く続いているというだけで敷居が高く感じられ、生半可な路線変更では新規ファンを獲得する事は難しい。
長寿化したシリーズ作品が末永い人気を維持するには、移り変わる時代性に合わせて柔軟に方針を変更しつつ、その舵取りを新旧どちらのファンも納得出来る方向に切らなければいけない。
戦隊シリーズや仮面ライダー等は、作風をコミカルでライトな方向に変更し、イケメン俳優を多く起用する事で女性層の獲得に成功しているが、その一方で過去シリーズとのクロスオーバーを多用する事で旧来のファンも楽しめる要素を残し、結果として多大な成功を収めていると言える。
また、方針転換に際し一度の失敗で諦めず、成功を収めるまで様々な方向に挑戦していく姿勢も必要だろう。仮面ライダーシリーズにしても、平成ライダー以降の幾つかの作品は迷走しているといった評価を受ける物が少なくはないが、それらの挑戦があったからこそ、博物館に飾られた化石ではなく、現自在進行形で進化を続ける生きた作品として多くの人に愛されているのだと言える。
っと、ここまでで長寿作品の延命がいかに難しいかわかって貰えたと思うので、これらの点を踏まえ、次回は本格的にガンダムビルドファイターズの批評に入っていこうと思う。
また、今回の記事を見て仮面ライダーや戦隊シリーズに興味を持った旧ファンは是非DVDを購入してその進化を確認する事をお勧めする。
(あれ、あんまりガンダムビルドファイターズの話しませんでしたね・・・・・・)
十文字曳参(じゅうもんじ えいさん)
アニメ、マンガ、ノベル全般を愛する孤高の評論家。
作家、文筆家としても活躍する。
ぬこPの依頼で「ヲタクの評価」のコメンテーターに就任。
「CoTri(当チャンネル)」と「ヲタクの評価」のコラボ企画として、
不定期で色々な作品について語る予定。
ヲタクの評価(テスト運営中)
http://yuruwota.myplayers.jp/
十文字曳参 著
SDイラスト こたつねこ
企画 こたつねこ(ぬこP)
配信 みらい図書館/ゆるヲタ.jp
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