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「十文字曳参のヲタコンテンツ批評」 critique.016「宇宙戦艦ヤマト2199」

2014/01/07 13:00 投稿

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【ヲタ評×宇宙戦艦ヤマト2199】
2199年、異星人ガミラスの攻撃により地球は滅亡の危機に瀕していた。人類は宇宙戦艦ヤマトを建造し、コスモリバースシステムを求め惑星イスカンダルを目指す。大人気SFアニメここに復刻! アニメ、宇宙戦艦ヤマト2199の魅力とは!?


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ヤマト、発進!

というわけで第十六回、冬の大メカ物祭り第四弾のテーマは、
アニメ『宇宙戦艦ヤマト2199』

なんで冬の大ロボット物祭りにしなかったかというと、これをやりたかったからなんです!
という事で以下評論。

本作は言わずも知れた名作、宇宙戦艦ヤマトのリバイバル作品で、こちらも放送時期は前三作と同じ。ヴァルヴレイヴが脱ガンダムガンダム、マジェプリが懐古ロボット物、ガルガンティアが正統派SFなら、本作のコンセプトはリバイバル宇宙戦艦ヤマトといった所だろう。

元の作品の古さや、一見原典の焼き直しのように見える事から、前三作に比べて今ひとつ人気の出なかった本作。確かに原典がある以上マジェプリ以上に懐古的な作品という印象が強く、それでいて新訳的アレンジも多い為、新旧どちらの視聴者も手が出しづらかったのは確かだ。

もったいない!

というのが素直な感想。本作は確かに宇宙戦艦ヤマトの忠実なリバイバル作品だが、新旧どちらのファンも納得できる絶妙な仕上がりとなっている。大筋の部分は原典と同じで、デスラー率いるガミラス軍が地球侵略を行い、イスカンダル人の導きによって波動エンジンを得た地球人類はコスモリバースシステムを求め十六万八千光年を旅するというもの。

本作のコンセプトは明確で、「現代の放送に堪える宇宙戦艦ヤマト」であると察せられる。その為に、現代の価値観や科学考証と照らし合わせ、旧作に徹底的にメスを入れ、2113年に生きる僕達が見ても嘘に思えないリアルさを演出している。

旧作を知るファンは良い意味でリアルになった新生ヤマトの変化だけでも十分楽しめるし、旧作を知らないファンは昨今珍しいスペースオペラ(それもリアル寄りの)として楽しむ事が出来る作りとなっている。

他にも、登場人物を倍に増やし、キャラクターの掛け合いや艦内の雰囲気をライトにして見やすさをを増している。勿論、だからといってヤマトらしさが失われているという事はなく、登場人物達は昨今のキャラクター造詣の流行に流される事なく、一本筋の通ったストイックな性格付けで描かれている。

あくまでも原典の良さは残し、原典で触れられていない箇所や時代遅れとなっている設定は徹底的に改修する、まさにリバイバルの鏡といった本作品。

難癖をつけるなら二点、オープニングエンディング曲の変わるタイミングが少しチグハグな事と尺の短さだ。今更になってしまうが、本作は倍の四クールで、ゆっくりとヤマトの諸君が旅する様子を見せて欲しかったし、それでも間延びする事無く十分視聴に堪える事が出来た作品だと思っている。

勿論、DVDの売れ行き次第では十分続編を作る事が可能な作品なので、賢明な視聴者諸君は是非ヤマト計画を支援して頂きたい。

ヤマトの未来、アニメの未来はいつだって視聴者にかかっているのだ!



十文字曳参103.jpg(じゅうもんじ えいさん)
アニメ、マンガ、ノベル全般を愛する孤高の評論家。
作家、文筆家としても活躍する。
ぬこPの依頼で「ヲタクの評価」のコメンテーターに就任。
「CoTri(当チャンネル)」と「ヲタクの評価」のコラボ企画として、
不定期で色々な作品について語る予定。


ヲタクの評価(テスト運営中)
http://yuruwota.myplayers.jp/


十文字曳参 著
SDイラスト こたつねこ

企画 こたつねこ(ぬこP)
配信 みらい図書館/ゆるヲタ.jp



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