【ヲタ評×翠星のガルガンティア】
人類銀河同盟の戦士レド少尉は宇宙生命体ヒディアーズとの戦闘の際、ワームホールの転移事故に巻き込まれてしまう。ロボットアニメ? いいえ、正統派SFアニメです! 翠星のガルガンティアの魅力とは!?
翠星のガルガンティア Blu-ray BOX1
チェインバー!彼は何と言っている!
というわけで第十五回、冬の大メカ物祭り第三弾のテーマは、
アニメ『翠星のガルガンティア』
こちらも前二作と同時期に放送していた作品だけど、僕個人としてはガルガンティアが一番だったと思っている。
勿論、異論はあり。以下評論。
そもそも、ガルガンティアはロボットこそ出てくるものロボットアニメではない。細かい定義の話は字数的に無理なのでざっくり説明すると、剣をロボットに置き換えた英雄譚がロボット物。ガルガンティアにおけるロボットのあり方は剣というよりは相棒的要素が強く、物語の流れも英雄譚というよりは異文化交流やカルチャーギャップ、サイエンス的なミステリーや主人公サイドとガルガンティアサイドの哲学感のせめぎ合いに焦点が当たっている。
その為、通常ロボット物で問題解決の手段として用いられる戦闘行為が、本作では問題を生む火種として扱われている。大半の視聴者がロボットが出てくる=ロボット物=バトル物だと思い込んでいる所に正統派SFを突きつけるというのは中々勇気のいる企画だが、だからこそ新鮮かつ斬新な作品という評価を得られたのだと言える。
もっとも、そんなSF的完成度の高さ故に、ガルガンティアは多大な評価と成功を収めつつ今ひとつムーブメントとして盛り上がらなかったのだが。しかし、僕は声を大にして言いたい。
ガルガンティアは面白いぞ!
毎年毎期、数え切れない程沢山のアニメが放送されているけれど、似たようなコンセプト、方向性の作品の多い事多い事。確かに、アニメを作るにはお金がいる。市場が細分化した今、確実に売れるジャンルの中で小さな工夫と差別化を図った方が安全なのは確かだ。
それらの作品が面白くないという事はない。つまらないという事もない。けれど、アニメシーンの売れ線から飛び出し、ストイックに面白さを追求した作品はやはり格別だ。
勿論本作もアニメ作品としての収益を得る為様々な細工を施してはいる。しかし、根底にあるのは製作サイドの傲慢な価値観、こういうのやってみたい、こういうの面白いでしょ! という夢の集積である事は間違いない。
だからこそ、本作には視聴者を虜にし、釘付けにし、首っ丈にするだけのギラギラとした魅力があるのだろう。
ヲタク、非ヲタクに関わらず、勿論ロボット好き嫌いに関わらずお勧めできるSF的な魅力を持った本作。
不肖、十文字曳参が全力で面白さを保障するので、未視聴の方は是非DVDを買ってみて下さい!
十文字曳参(じゅうもんじ えいさん)
アニメ、マンガ、ノベル全般を愛する孤高の評論家。
作家、文筆家としても活躍する。
ぬこPの依頼で「ヲタクの評価」のコメンテーターに就任。
「CoTri(当チャンネル)」と「ヲタクの評価」のコラボ企画として、
不定期で色々な作品について語る予定。
ヲタクの評価(テスト運営中)
http://yuruwota.myplayers.jp/
十文字曳参 著
SDイラスト こたつねこ
企画 こたつねこ(ぬこP)
配信 みらい図書館/ゆるヲタ.jp
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