【ヲタ評×銀河機攻隊 マジェスティックプリンス】
2110年、宇宙に進出した人類は謎の勢力ウルガルの侵攻に脅かされていた。これに対抗する為人類は遺伝子操作を施した少年兵を人型兵器に乗せて反撃に出る。これぞ王道ロボアニメ? 銀河機攻隊 マジェスティックプリンスの魅力とは!?
銀河機攻隊 マジェスティックプリンスVOL.1 Blu-ray
ザンネンだっていいじゃない。
というわけで第十四回、冬の大メカ物祭り第二弾のテーマは、
アニメ『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』
本作品は前回評論したヴァルヴレイヴと同時期に放送されていたロボットアニメ。
キャッチコピーは「ザンネンだっていいじゃない」で、個人的な見解をいうとその通りのザンネンアニメ。勿論、異論は認めるので以下評論。
そもそも本作のコンセプトは「ガンダムやエヴァではないロボット物」を作る事にあり、そういった意味でヴァルブレイヴとは非常に近しい境遇を負った作品と言えるのだが、方向性は全く逆。
ヴァルヴレイヴがガンダムの骨格を利用し、よりカジュアルに、若者向けに作られたのに大して、マジェスティックプリンス(以下マジェプリ)は年寄り向け、アラサー以上を狙った作りになっている。
その為に、キャラデザはガンダムSEEDや蒼穹ファフナーの平井久司氏を起用し、尚且つキャラ絵のタッチや動かし方を90年代初期風にデフォルメしている。他にも、フルメタルパニック付近のアニメに見られるような、大人達や軍部の関与の多い作りにして、メカデザインも無骨でマニア受けするギミックが多数仕込まれている。
中年層のヲタクが増加した現在、アラサーをターゲットにしていくのも戦略の一つで、本作がそれを狙っているのは明らかだが、残念ながら成功しているとは言えない。
例えば、キャラ同士の掛け合いは90年代初期からそれ以前に多く見られるような無意味で投げっぱなしのスタイルを採用しているが、懐かしさよりも寒さの方が強い。同じく、90年代付近に流行ったようなメカニック要員の無駄な豪華さやウンチクは蛇足感が否めない。
また、古さを意識している割に企業タイアップを持ってきたりと、変な所で今風の演出や手法が取り入れられ、あちこちで不一致を起こしている。ギャグパートとシリアスパートの比重も、どちらかに寄せてくれればギャグ物、シリアス物として見る事が出来るのだが、だらっとしたギャグと複雑な設定が伺えるシリアスという組み合わせがどうにも噛みあっていない。
まるで過去作品の再放送を見ているような気分になる作品で、純粋にあの頃に戻りたい人にはオススメだが、だったら過去の名作を見ればいい話で、もう少し挑戦的な姿勢を見せて欲しいというのが正直な評価である。
ただし、アクションシーンは熱い。
メカの細かな挙動や兵器周りのギミックは非常に手が込んでおり、いい意味でヲタク的だ。それだけでDVDを買う価値があると言えなくもない。
十文字曳参(じゅうもんじ えいさん)
アニメ、マンガ、ノベル全般を愛する孤高の評論家。
作家、文筆家としても活躍する。
ぬこPの依頼で「ヲタクの評価」のコメンテーターに就任。
「CoTri(当チャンネル)」と「ヲタクの評価」のコラボ企画として、
不定期で色々な作品について語る予定。
ヲタクの評価(テスト運営中)
http://yuruwota.myplayers.jp/
十文字曳参 著
SDイラスト こたつねこ
企画 こたつねこ(ぬこP)
配信 みらい図書館/ゆるヲタ.jp
革命機ヴァルヴレイヴ 2nd SEASON 1 [Blu-ray] |
境界の彼方(1) 初回限定版 |
メガネブ! vol.1 Blu-ray 初回生産限定版 |
コメント
コメントを書く