7f452a3cb9347354b0aa5c06dc9c2744500913c9

<第42回>

X-JAPANカウントダウンコンサートの後、楽屋打ち上げの会場を出ると、いつものJR阿佐ヶ谷駅前の居酒屋に向かった。

右奥の座敷一番手前の隅に、俺達父子三人は固まって座ってたっけ......。
こういう場所は初めてだから、娘達は二人とも緊張して顔がこわばっている。

しばらくすると、hideの身近なスタッフが次から次に集まって来た。
おっ、hideとPATAもようやく登場だ。
hideが俺達三人に向かって、ニコッと笑いかけてきた。

こんな深夜に娘二人(小学生と中学生)を連れて来てたのには、ワケがある。
hideの優しい計らいだったのだ。


'93年、X-JAPANは東京ドームで大晦日「カウントダウンコンサート」を行うことが決定した。
当然、hideからもお誘いがかかってる。

ただ、俺には少々困った事情があった。
離婚後の当時、俺は娘二人を引き取って育てていたのだ。
俺が東京ドームに行ってしまうと、子供二人だけで大晦日~正月を迎えさせてしまうことになる。

迷っていた......。

そんなある日、

hide「娘二人とも、ドームに連れて来ればいいじゃん!ねっ、ねっ!」

もちろん、娘二人は大喜びだ。
特に次女は、hideに自宅を襲撃された時に出会っているので、その喜び方は半端じゃなかった。

次女「私はヒデお兄ちゃんに会ってるんだからね!わぁ、何着て行こうかな」

長女「.......................」

襲撃されてても自室で爆睡していた長女は、”何かうるさいなぁ”程度の記憶らしい。
この日のことは、結婚した今でも後悔しているようだが(笑)。


午前2時近く。
カウントダウンコンサートが大成功だったので、みんなワイワイと楽しそうだ。
ただ、娘二人はオネムの時間がとっくに過ぎており、部屋角にうずくまって眠ってしまっていた。

hide「あーっ!オヤジ、マズイよ。二人が可哀想だ」

hideがダーッと店の外に駆け出した。

"あれっ、どーしたんだろう?”

しばらくしたら、hideがニコニコしながら戻って来た。

hide「タクシー引っ張ってきたから、早く乗って。早く!」

はぁ?スタッフにタクシーを引っ張って来させたんじゃなくて、hide自らなの?!
何ということだ......この優しい心配り。

俺「あ、ありがとう」

娘二人を揺り起こして、バタバタと俺達三人はタクシーに乗り込んだ。
何気に後ろを振り返ったら、hideが照れくさそうに手を振っていた。


そしてこの日から、娘二人は”hideちゃん大好き”の道を、親子揃って歩むことになる(笑い)。


追伸:

いつかこの阿佐ヶ谷の店で、「hideを偲ぶ会」やろうかな。
でもあちこちで、思い出し泣きするヤツが出てきて、大変かも......。
なんたって、俺が自信ない(笑)。

ちなみに、このお店の名前は、
.
.
.
.
.
.
.
.
.
.

居酒屋・飛騨高山
(JR阿佐ヶ谷駅、南口より徒歩2分)

hideがいつも楽しそうに騒いでいたのは、店内右奥の座敷です。
他のお客さんの迷惑にならないように、良識ある行動で偲びましょうね。

先日も書きましたが、今はお店のスタッフもお客さんも、hideがよく来てたなんて全く知りません。
判ってる人だけが密かに思いを寄せる......そんなお店が一軒ぐらいあってもいいよね。

hide(と、もしかしたらオバチャンも...)、ビックリするだろうけど、キャッキャッと喜んでくれそうな気がします。


さらに追伸:

初めて見て知って、昨日紹介したINAちゃんの10年以上も前の日記「hide with I.N.A.」は、ミョーに今の俺のブログ文体と被ってる気がする。
INAちゃんが新しいのか...、俺が古いのか...、はたまたhideのイタズラなのか......うーん、不思議な縁を感じるなぁ。

この日記が始まる直前(hideがLAに発つ、ほんの数日前)に、超過密スケジュールの中、俺は運命の新雑誌「クレアシオン」の表紙撮影を終えていたことになる......。
この時の劇的な話は、また後日。


<続く>