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Crazy Monsters「Crack6 × Vijuttoke 6ヶ月対談企画」 第五弾​

10月28日・29日に新宿ReNYで行なわれるCrack6主催のライブ・イベント『Crazy Monsters Halloween Party 2023』を祝して、千聖(vo/g)と同イベントに出演するアーティストの対談を6回に亘ってお送りしているコーナー。
第五弾となる今回は、10月29日に出演するKneuKlid Romanceの小笠原 健一”KENICHI”(g)が招かれた。
KneuKlid Romance以前の彼は後のMALICE MIZERのメンバー達と摩天楼というバンドで活動していて、千聖とはその頃から親しかったという。
旧知の仲ということで話題は多岐に及び、賑やかな対談となった。

ライター 村上孝之


――お二人は、もう長年の知り合いだそうですね。

千聖:PENICILLINは初期の頃、高円寺LAZY WAYSというライブハウスでよくやってたんだ。その頃、KENさんが俺達の前に現れたイメージかな。

KENICHI:僕は当時摩天楼というバンドをやっていて、メンバーのMana(g/MALICE MIZER)ちゃんとかkoji(g/MALICE MIZER)とかとLAZY WAYSの打ち上げにいったんです。そのときにPENICILLINのチラシを貰って、「こういうバンドをやっています」と挨拶されたのが1番最初だった。

千聖:そうなんだ?全く覚えていない(笑)確かに摩天楼は高円寺界隈のヴィジュアル系では有名なバンドでしたね。摩天楼からMALICE MIZERとKneuKlid Romanceに別れたイメージが強い。あの頃、俺達はZE:ROというバンドとよく対バンしていて仲がよかった。そこのYu~ki(b)くんがMALICE MIZERに入ったんでその流れかな。当時KENさんはKneuKlid Romanceを始めて、DatuRΛからばっさん(TATSUYA/b)が入った的な?

KENICHI:そう。

千聖:で、KneuKlid Romanceの最初のドラムはKami(MALICE MIZER)くんで、逆にGAZ(KneuKlid Romance)くんがMALICE MIZERのドラムでしたよね。

KENICHI:さらに言うと、ZE:ROのボーカルのKはKneuKlid Romanceの初代ボーカルだから(笑)。だから、グルグルまわっていたんだ(笑)。

千聖:摩天楼、ZE:RO、DatuRΛはすごく入り乱れているなというイメージだった(笑)。

KENICHI:だろうね(笑)。ちなみに、僕はKneuKlid Romanceには加入していないんだ、厳密には。

千聖:えっ? ……そうだ、思い出した(笑)そういえばKENさん、あの当時「俺、まだKneuKlid Romanceには入ってないよ!」とか言ってた!みんな不思議な顔をしていたけど(笑)。

KENICHI:元々はZE:ROのKとギターのコゾー、それにTATSUYAとGAZの4人がバンドをやろうという話になったときに、曲を作れる人がいないからゴーストみたいな感じで曲作りを手伝ってくださいと言われて。それで、みんなで「クモオンナノキス」という曲を作って、それを演奏するにあたってサポートをして、そのまま一緒にいるようになったという。そういう流れで、正式に加入したわけじゃない(笑)。


――そういう話は、意外とよく聞きますよね(笑)。お二人はデビュー前からの知り合いで、共に1992年に結成されました。

KENICHI:結成した頃の自分達はちょっと周りとズレた位置にいたいというのがあって、みんながどんどんコテコテになっていく中で僕らは逆行していった。髪もすごく短かったし、下北沢とかSHINJUKU ANTIKNOCKでライブをしていたし、AUTO-MOD主催のイベントに出させてもらったりしていたんだ。僕は元々音楽的には、ちょっとプログレを意識していたというか。トランスレーベルのASYLUMとZ.O.A、ヴィジュアル系ではスケアクロウといったバンドからからすごく影響を受けていて、展開が多い、変拍子が多いみたいな感じに変わっていった。

千聖:KneuKlid Romanceは、俺の中では曲とかバンドのスタイルよりも、打ち上げで喋っていた内容しか覚えていない(笑)。俺らとしては楽屋で喋っているKENさんの声がすごく響き渡っていて、“この人、声が通るなぁ……”みたいな(笑)。すごい目立っていた(笑)。ライブの日に会場にいくとKENさんの声が聞こえて、“ああ、今日はKneuKlid Romanceも対バンなんだな”ってすぐに分かったから(笑)。

KENICHI:アハハッ!


――な、なるほど(笑)。KENICHIさんは当時PENICILLINにはどんな印象を持たれていましたか?

KENICHI:僕の中では、めちゃくちゃ真面目というイメージだった。昔PENICILLIN とBAISER、それにKneuKlid Romanceで、ツアーをしたことがあって。そのときは東名阪を3日連続でやって、それがめちゃくちゃツラくて……。

千聖:ツラかった? ものすごく楽しそうに見えましたよ、元気いっぱいで(笑)。朝から通る声で騒いでいて、KENさんすごく楽しそうだなと思ったけど、ツラかった?(笑)

KENICHI:むちゃくちゃツラかったよ(笑)。だって、東名阪3日連続だよ。ホテルも一緒で、僕はHAKUEIくんと同じ部屋だったんだ。違うバンドなのに、同じ部屋という(笑)。で、夜にいろいろ話をして、PENICILLINはすごく真面目なバンドだなと思った。

千聖:まぁ真面目というか普通だよね。当時のPENICILLINはマネージャーがいなくて、俺がマネージャーをやってたくらいだから(笑)。


――えっ、そうなんですか?

KENICHI:うん、千聖くんがマネージャーだった。それで、ライブのときにどのバンドのアンプを使いまわすかとか、全部決めていたよね?

千聖:そうだったかも。当時は…例えばO-JIRO(ds)がまだ自分のドラムセットを持っていなくて、先輩に借りてたりとか、色々体制が固まってない時代で、ごちゃごちゃしてたんでよく覚えてないけど(笑)。


――そんな時期もあったんですね。Kneuklid Romanceの音楽性についてもお聞きしたいのですが、洋楽に通じる雰囲気を纏っていることが印象的です。

KENICHI:元々洋楽志向は、すごく強かった。'90年代は音楽バブルというのもあって、みんないい形でメジャーデビューできていったと思うんだ。そういう中で、僕らはわりと洋楽志向で、スタッフ陣もそれで固めたくて、オアシスとかホール、スゥエード辺りを録っているゲイリー・スタウトというエンジニアをイギリスから呼んだんだ。で、プロデューサーにレベッカの是永(巧一/g)さんとDer ZibetのHIKARU(g)さんを迎えてハードな曲はHIKARUさん、歌物は是永さんという分け方をしてアルバムを作っていたから、洋楽色が強いというのはその頃からあった。周りがみんな宣伝合戦をしている中で、僕らは自分達がイメージしている音を録ることにお金を使ってほしいと思っていたんだ。

千聖:KENさんのギターは…これもよく覚えていないんだけど(笑)、綺麗なギターを弾くイメージだったかな。俺はどちらかというとギターはガンガンなので、そこが自分とは違うなと思ってた。

KENICHI:いや、Kneuklid Romanceだからそういうアプローチだろうというのが僕の中にはあって、ギタリスト本来の姿というか、指向的には千聖くんとすごく似ていると思う。千聖くんのビブラートのかけ方とかピッキング・ハーモニクスの入れ方とかを聴いて、ザック・ワイルドとか好きなんだろうなっていう。僕も、そういうプレイが好きだから。

千聖:まあ、Kneuklid Romanceがヘルプだとしたらそれ合わせるしかないよね(笑)。バンドのスタイルに合わせられることも含めて、KENさんはスタイルの幅が広いんじゃないかな。

KENICHI:どうなんだろう? 実は、絶対的に僕のやりたいことを全面に出す新しいバンドを最近組んで、今年、アルバムを2枚同時にリリースする予定なんだ。僕のバックボーンにあるのはパンテラとかで、サウンドは完全にそっち。パンテラとか、ホワイトゾンビという感じかな。チューニングも“ドロップA”だし(笑)。

千聖:これまた、極端な(笑)。そっちにいくとは思わなかった。でも、KENさんとは30年来の知り合いで、今も音楽を続けているというのはすごくいいなと思う。


――KENICHIさんの新しいバンドも、すごく楽しみです。千聖さんから“30年来”という言葉が出ましたが、PENICILLINは昨年30周年を迎えて、今年の7月17日に行なった『PENICILLIN 30th anniversary tour real final 渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)』で、アニバーサリー・イヤーを締め括られました。

千聖:LINE CUBE SHIBUYAのライブは30周年ということで最初は30曲やろうかと言っていたんだけど、実質的には31周年なんだよね。だから、31曲やろうということになって(笑)。それで、最初に曲を並べてみて不可能か可能かをちょっとチェックしてみたんだけど、ちょっと少なめの2デイズ分だな…。だから、意外といけるかなっていう。長すぎてお客さんが飽きないか心配だったけど、ホールだから座ったり休憩することもできるし。それで、31曲やろうということになった。


――今なお攻めの姿勢を持たれているのは素晴らしいですし、ファンの方はすごく嬉しかったと思います。

千聖:本当に感謝の気持ちを込めてね。さっき話したように、初めてKENさん達とかと出会った頃は、みんなで居酒屋とかで夢物語を語っていた。まだ経験もなく、ただ感覚だけで生きているという危うい感じだ。その頃から30代、40代いろんな時代を経て、それを思い出させるようなライブをすることができてよかったなと思う。それに、俺と同世代のミュージシャンはみんなそれぞれバラバラでも駆け抜けていった時代は一緒で、この世界でまだ話ができるというのは素晴らしい。俺が主軸にしているバンドが解散しないで続いているのはあり難いことだし、それを通していろんな人と出会えるわけだし。KENさんも含めて、みんなと出会えて本当によかったなと思うよ。


――30年の重みを感じます。そういう思いのもとに、千聖さんは今年の『Crazy Monsters Halloween Party』にKneuklid Romanceを誘ったんですね?

千聖:KENさんが、Kneuklid Romanceをやっているのは知っていた。SNSに、ちょいちょい出てくるから。それを見て、“元気だなぁ、相変わらずだなぁ”と思って(笑)。Kneuklid Romanceは他のメンバーも知ってるから、楽屋が楽しくなりそうだなと思って(笑)。それで、誘わせてもらうことにした。

KENICHI:誘ってもらって『Crazy Monsters Halloween Party』に出演されるバンドさん達を見たときは懐かしいなという気持ちになったし、僕らはちょっと特殊な位置にいるバンドで、バンド同士で交流したり、対バンしたりということがあまりなかったんだよね。だから、『Crazy Monsters Halloween Party』はすごく楽しみにしている。それぞれのバンドのメンバー個々は知り合いがいっぱいるけど、バンド単位で競演したことはほとんどないから。


――千聖さんがおっしゃったように、バックステージも楽しくなりそうですね。当日は、どんなライブをしようと思っていますか?

KENICHI:コスプレなので、そこをどうクリアしようかなという(笑)。そこが1番の課題です、僕らの(笑)。皆さん、どういう感じなの? 安易なコスプレだと、他の方と被りそうで怖いし。

千聖:いや、被るのは構わないよ。やっぱり、年によって流行ったものってあるじゃん。たとえば、『ジョーカー』という映画をやったら、ジョーカーの仮装をする人が何人かいたりするんだ。同じ仮装でも、それぞれの特徴が違うから面白いんだよね。本気でジョーカーになっている人もいれば、不真面目なジョーカーもいるという感じで(笑)。だから、被ることは気にしなくていい……というか、あまり重く捉えなくていいか。『Crazy Monsters Halloween Party』は“楽しんだもん勝ち”だから、KENさんが楽しめることをしてもらえればいい。ガチでも、ライトでも全然いいよ。


――KENICHIさんはこれまでにコスプレをされたことはあるのでしょうか?

KENICHI:Kneuklid Romanceではないけど、僕はいろんなバンドのサポートとかをしていて、罰ゲームでコスプレをやらされたことはある(笑)。AKB48のあっちゃんの完全コスプレをしろと言われて、AKB48の衣裳を作って、ちゃんと脱毛にいって、ズラを被った。他のメンバーみんなばっちりメイクしてキメキメなのに、僕だけ完全女装のAKB48という(笑)。

千聖:いいな(笑)。そういう話を聞くと期待しちゃう!(笑)。
KENICHI:いやいやいやっ!(笑) とりあえず僕からメンバーに提案しようかなと思っているコスプレはあるんだ。なので、バンドで協議して決める。あとは、当日のお楽しみということで(笑)。

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