3月14日の白金 SELENE b2皮切りに“LM.C TOUR 2023「怪物園Ⅱ」”をスタートさせるLM.C。前回より本数も増やし、昨年リリースしたアルバム『怪物園』をさらに突き詰めたツアーになりそうだ。ここでは昨年の活動を振り返ってもらいつつ、ツアーへの意気込みや、今後の展望などをmaya(Vo)とAiji(G)に語ってもらった。
(インタビューは2回にわたって掲載します)。
Interview:海江敦士
――3月14日(白金 SELENE b2)からスタートする“LM.C TOUR 2023「怪物園Ⅱ」”について語っていただく前に、まずは2022年の総括からお話しいただければと。アルバム『怪物園』のリリースをはじめ、9月のLINE CUBE SHIBUYAでのアニバーサリー公演など、かなりモリモリでしたよね。
Aiji:コロナ禍ではありましたけど、約4年ぶりのアルバム『怪物園』を発表できたのがいちばんよかったかなって。コロナのパンデミック後は、もはやこの先どうなるかわからない状況の中じゃないですか。そんな中、粛々とやれることを続けた上で作品を出せたし、ツアーもできて……まぁ、今回のツアーよりは短かいですけど……より将来の見通しが立ってきたのを実感できる1年だったと思います。
――昨年はまだライブのスケジュールも振替えがあったりして、バタバタしたアーティストさんも多かったですしね。
Aiji:確かにギリギリにならないと発表できなかったりして、ストレスはあったかな。もちろん、2020年あたりから考えれば、状況はよくなっていったんで、エンタメもようやくここまで戻ってこれたのかっていうね。かなり前向きになれた1年だったと思います。もともと前向きではありましたけどね。よりポジティブになれた気はします。
maya:僕もグループとしての印象は同じ感想ですね。あとは、バンドとしても個人としても15周年のライブが9月にやれたのは嬉しかったです。本来は2021年が15周年なんですけど、当時はそこでアニバーサリーのライブをするっていうイメージがわかなかったんですよ。状況的にね。それが年をまたいでやれたっていうのは象徴的だったというか。バンドを続けてきたからこその周年だし、いろんなことが確認できたライブだったと思います。
――LINE CUBE SHIBUYAって、一瞬、渋谷公会堂かなと思いきや、実は新しい会場なんですよね。ただ、渋谷公会堂時代はLM.Cもそこで何度となくライブをしていたと思いますが。
Aiji:自分的には渋公の匂いとか感覚が沁みついていたんで、それに比べたら全然別モノの会場だなって印象でしたよ。ホントに初めての会場って気分です。
maya:楽屋もまるで違うしね。ただ、会場のポジションとしては渋谷公会堂と変わってないし、スタッフの中には当時と同じ方々が多くて「おお、久しぶり!」って感じで再会したりして。“あ、やっぱり渋公だ”って思う瞬間もありました。建物は変わっちゃったけど。何か、なじみの店が移転したって感じです。
――なるほど。あと、昨年は年末に地元(@NAGANO CLUB JUNK BOX )で2DAYSのライブがあったのも印象的でしたね。
Aiji:JUNK BOXもリニューアルしたんですよ。でも、LM.Cの歴史の中でJUNK BOXははずせないし、思い入れはすごくあります。
maya:新しいJUNK BOXでやるのは2回目かな? その年末ライブに関しては、会場側から声をかけてもらったんですよ。ある種、単発ライブみたいな感じだったんですけど、地元のライブハウスから声をかけてもらうっていうのも嬉しいですよね。その前に周年のライブもあったし、アルバムのリリースツアーもあったんで、その流れをまとめる上でも大切なライブだったと思います。
――そう考えると、2022年ってすごく充実した1年だったのでは?
Aiji:そうですね。
maya:夏くらいからは歓声アリっていうライブが始まったりもして。そういう部分での感慨もありました。
――それは恒例のmayaさんバースデー公演のことですか?
maya:そうです! たまたま声出しのタイミングとバースデーライブが重なっただけなんですけど。
Aiji:ビックリしましたよ(苦笑)。人のパワーに。自分達としては、みんなが声を出せないからといって、バンドのテンション感が落ちたことはなかったんで、気持ちが大きく変化することはないと思っていたんですけど。やっぱり声があるのって別モノなんだなって。それまでの声を出せないライブにも、ある意味慣れちゃっていたところもあったし(苦笑)。何しろ声があった時の感覚も忘れつつありましたからね。
――ほぼ3年くらいイレギュラーな状態でしたもんね。
Aiji:だから、歓声アリのライブを久々に体験した時に、もともとはこうだったのに、すごい衝撃を受けたというか。やっぱり声がある会場のパワーってすごかったんだなって思いましたね。本来のライブ空間って、こんなにも熱量が高くてパワーのある空間だったんだなってことを思い出させてもらいました。
――ということは、3月の“LM.C TOUR 2023「怪物園Ⅱ」”からは、完全なる通常モードのライブに?
Aiji:今はまだ最新の情報はわからないんですけどね。基本的には会場側の意向に沿ってやってきているので、そこはしばらく変わらない気はします。ただ、もし会場側からOKが出れば、フル解禁というか、今まで通りにやろうとは思ってます。
――世の中的にはマスクをするしないの判断は個人任せの部分はありつつですが、いかんせん躊躇なく声を出せるのは嬉しいですね。それにツアーを通して『怪物園』をさらに掘り下げてくれるのも楽しみです。やっぱりワンツアーだけでは物足りないですもんね。
Aiji:2016年に『VEDA』っていうアルバムを出して以降は、必ずアルバム毎に2回ツアーをまわることにしてるんですよ。なので、そこも自分達の感覚として戻ってきたかな。今って情報がどんどん流れていってしまうけど、ひとつのアルバムにじっくり向き合うのも大事だなって。
あと、去年はまだコロナ禍でもあったわけで、1回目の『怪物園』ツアーを見れていない人も多いと思うんでね。だから、僕らも気持ち的には『怪物園』の1stツアーみたいな気分かな。例えば今回、福岡とか北海道に行くんですけど、ほぼ4年ぶりなんですよ。
――それはかなり……ですね。
Aiji:久々の場所もあるし、その辺も含めて、みんなにとっても外に出るキッカケになってくれればと思います。
――mayaさん的にも『怪物園Ⅱ』では、もっとボーカルを突き詰めたいっていう思いもあるんじゃないでしょうか?
maya:そうですね、実は当初、アルバムツアーをもう1回やろうって話でもなかったんですよ。ライブをやりたい、ツアーをやりたいっていうところで、行く場所を詰めていく中で、どんなツアーがいいだろうって話し合って……最終的にアルバムツアーがいちばん似合うんじゃないかとなって、『怪物園Ⅱ』になったんです。
でも、もし結果的に別のコンセプトのツアーになっていたとしても、気持ちは一緒というか。アルバムの曲を詰めていくだけじゃなく、今のLM.Cの姿が見せられるというか、いろんな部分をアップデートしていくものになったと思いますよ。もちろん、アルバムにももう一度、向き合うことにもなりますし。
――新たな発見があるかもしれないですよ。
maya:ありますね、きっと。ライブ空間の景色としても、去年のツアーでは一緒に歌えるっていう状況じゃなかったんで、どういう風になっていくのか楽しみです。例えばオールタイムベストみたいな選曲だったら、何となく想像できますけど、『怪物園』の曲だとまだそのポジションにきてないと思うので、どの曲も成長させたいですね。
【第一回目はこちら】https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga/ar2141596
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