2002年3月に産声をあげ、以降着実なスケールアップを果たし、日本を代表するロックバンドのひとつとしてシーンに君臨し続けているthe GazettE。20周年を迎えた昨年の彼らは3月に国立代々木競技場 第一体育館で開催されたアニバーサリー・ライヴを皮切りに、最新作『MASS』(2021年5月)をカバーする2本のホール・ツアーを行ない、12月にベスト・アルバムをリリースするなど意欲的な活動を行なった。
20年を経て今なお進化し、より魅力を増している彼らには圧倒されずにいられない。そんなthe GazettEのリーダーを担う戒をキャッチして昨年秋に行なったツアーの話を軸に、様々なことについて語ってもらった。
Interview:村上孝之
――昨年12月21日にリリースされた『the GazettE 20TH ANNIVERSARY BEST ALBUM HETERODOXY-DIVIDED 3 CONCEPTS-』はシングル集の[DISC1 SINGLES]、歌物を纏めた[DISC2 ABYSS]、ハード・チューンを並べた[DISC3 LUCY]という圧倒的なボリュームを誇るベスト・アルバムです。
戒:ベストアルバムは、元々は20周年なのでベストを作らないかというお話をレコード会社からいただいたんです。自分達は今までもベスト・アルバムを出してきてはいるので、最初はシングルを纏めたものなのかなと思ったんです。
でも、シングルの形態というか、位置づけみたいなものが俺らの中では変わってきたというのがあって。たとえば『DOGMA』(2015年8月)のときに出した「UGLY」(2015年11月)とか「UNDYING」(2016年4月)というのは、すごく特殊な出し方というか。単体のシングルとして出すというよりは、アルバムの世界観の一部を示すという特殊な出し方だったんですよね。だから、シングルだけを並べたときに、ちょっと違和感があったんです。
それで、これをこのまま出すというのはどうなのかなという頭から、過去に自分達がやった“LUCY/ABYSS”というコンセプトのライヴ……要は、我々が持っている激しさとエモーショナルさという二面性的なものを活かしたライヴを思い出して。それが好評だったこともあって、the GazettEの歴史を示すにはそこを打ち出していくのが有効なんじゃないかということで、思い切って3つのコンセプトに分けて、余すことなくthe GazettEを見せようということになりました。
――the GazettEのことをあまり知らないリスナーはヘヴィなバンドというイメージを持っているかもしれませんが、実はエモーショナルなものも得意としていますよね。
戒:そう。うちのメンバーは、みんなエモーショナルなものが好きなんです。激しい曲も激しさ一辺倒の曲にはならなかったりするし。みんなが好きだからこそバンドが持っている一面ではあって、嘘をつけない部分ですよね。俺はライヴ中でも歌物のセクションは1番気持ちが入ったりするんです。
――それはライヴを観ると、よくわかります。20周年ということで楽曲の数も膨大にあるわけですが、ベスト・アルバムに収録する楽曲はどんなふうに決めたのでしょう?
戒:メンバー間で、これはどうか、あれはどうかと意見を出し合って、それを持ち帰って、また話し合うということを繰り返しました。でも、メンバー間のズレはそんなになかった気がする。テンポとか、曲調とかが似通ったものはダブらないようにということをみんな考えていて、たとえばアップテンポの激しい曲だったらこれだろう…みたいな。もちろんそういう曲の中でもそれぞれ推し曲があるけど、そんなにズレはなくて、選曲は結構スムーズだった印象がありますね。
――ライヴのセットリストを考えるときと似た感じですね。激しい曲はこれとこれがいいと思うんだけど…というようなことを、みんなで話し合うという。
戒:そう、ライヴ主体でした。ベスト・アルバムに入っている曲だけでライヴができるような選曲というか。「TOMORROW NEVER DIES」を“LUCY”の最後にしたのも、そういう意図があったんです。
――やはり生粋のライヴバンドといえますね。では、そこも踏まえつつ昨年の10月から12月にかけて行われた【the GazettE LIVE TOUR2022 -MASS- / PHASE 02-"The Unknown"】について話しましょう。同ツアーは新作『MASS』の楽曲を基軸にしつつ現在に至るまでの歴代アルバムを掛け合わせて、各公演で様々な世界観を生み出していくというコンセプトになっていました。
戒:そういうコンセプトは、一昨年くらいからありました。だから、the GazettEがライヴを再開するよりも前ですよね。2021年の秋に3本のライヴをするより前に、こういうツアーをやろうという話が出たんです。『MASS』(2021年5月)というアルバムを完成させて、リリース日も決まったけど「でも、ツアーができない。どうしよう?」という話になって。その流れから1年間の活動予定というものを考えて、案としてはそのときに出ていました。
――意欲的ですね。“02”のコンセプトを聞いたときは、どんなことを思いましたか?
戒:面白いなと思ったのと、とんでもない案だなと思いました(笑)。でも、やっぱり面白いのほうが勝っていましたね。ツアーの“01”は普通に『MASS』を表現するライヴをしようということになっていたので、“02”に対するアプローチという部分で、内容が同じで会場が違うだけという形でまわるのは避けたかったんです。
過去にライヴハウスに切り替えるというツアーをしたことがあるんですけど、刺激的には少し物足りないんじゃないかなと微妙に思った部分があったので。そういう背景があったし、10枚目のアルバムと20周年が重なったというところで、ベストマッチな案だなと思いました。大変なのは目に見えていましたけど(笑)。
――な、なるほど(笑)。おっしゃるとおり20周年にふさわしいコンセプトではありますが昔を懐かしむライヴではなく、より現在のthe GazettEを浮かび上がらせるライヴになっていることが印象的でした。
戒:そういうライヴにはなりましたね。昔の曲も『MASS』と一緒に1本のライヴの中で演奏すると昔の曲という印象がなくて、懐かしむというよりは今の自分達がやるとこうなるなという感覚だった。懐かしいという感覚もあるけど、『MASS』の楽曲とミックスされることで相乗効果が生まれるというか。上手く言えないけど、違和感はなくて面白い感覚を味わえた。『MASS』と昔のアルバムの融合を、すごく楽しめたツアーになりました。
――新しいアイディアが、いい結果を呼びましたね。では、戒さんの中で特に印象深かった掛け合わせをあげるとしたら?
戒:『DIM』かな。みんなそれぞれアルバムに対する思いは違うと思うけど、俺の中で『DIM』はthe GazettEというバンドの世界観を構築するという意味合いに於いて1番最初にできたアルバムというイメージがあるんです。コンセプトとして、すごく大きなものを持ったアルバムという印象で、the GazettEが持っているダークな部分に焦点をあてた作品だったんですよね、俺の中では。
それに対して『MASS』は『DIM』からすごくかけ離れているイメージがあって、それが合わさったときに、どんなふうになるのかなということが想像できなかった。でも、実際にライヴでやってみると、すごくいい形に収まったんです。それが面白くて、強く印象に残っています。
――たしかに現在のthe GazettEはリスナーの気持ちを引き上げる力を持っていますが、『DIM』は引きずり込むような感覚のアルバムです。
戒:そう、インナーなダークさを、すごく感じるアルバムだと思う。当時は本人達はあまり暗いと思っていなかったけど、振り返ってみると、そのときにあったこととかも思い出すし。『DIM』と『MASS』は今となっては全く違う方向に振り切った2枚のアルバムで、それを一緒に演奏するということは中々ないと思うんですよ。そういう意味で、いい経験になりました。
【第一回目はこちら】https://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga/ar2136710
INFORMATION
【LIVE情報】
the GazettE LIVE TOUR2023 -MASS- / PHASE 03 "LAST MILE"
■3月4日(土) SENDAI GIGS
OPEN17:00 / START18:00
[INFORMATION] キョードー東北
TEL:022-217-7788
※平日13:00~16:00/土曜日10:00~12:00(日曜・祝日休業)
■3月9日(木) DRUM LOGOS
OPEN18:00 / START19:00
[INFORMATION] キョードー西日本
TEL:0570-09-2424
※11:00~15:00(日曜・祝日休業)
■3月10日(金) DRUM LOGOS [FC ONLY]
OPEN18:00 / START19:00
[INFORMATION] キョードー西日本
TEL:0570-09-2424
※11:00~15:00(日曜・祝日休業)
■3月12日(日) なんばHatch
OPEN17:00 / START18:00
[INFORMATION] キョードーインフォメーション
TEL:0570-200-888
※11:00〜18:00(日曜・祝日休業)
■3月15日(水) DIAMOND HALL
OPEN18:00 / START19:00
[INFORMATION] サンデーフォークプロモーション
TEL:052-320-9100
※12:00~18:00
■3月27日(月) 豊洲PIT
OPEN18:00 / START19:00
[INFORMATION] DISK GARAGE
https://info.diskgarage.com/
TEL:050-5533-0888
※平日12:00~15:00
※各会場のOPEN/START時間は状況により変更になる可能性がございます。
[チケット情報]
スタンディング・指定席:¥7,500(税込)
※未就学児入場不可、諸サービス手数料別、ドリンク代別
《the GazettE MOBILE先行受付》
お申し込み受付期間:2023年1月28日(土)14:00~2月5日(日)23:59
《チケット一般発売》
2023年2月18日(土)
■特設ページ
https://the-gazette.com/livetour2023_mass_03/
【NEW BEST ALBUM】
the GazettE 20TH ANNIVERSARY BEST ALBUM HETERODOXY-DIVIDED 3 CONCEPTS-
■完全生産限定盤(3CD)
特製フォトブックを同梱した豪華BOX仕様+未発売のLIVE OPENING SE音源集 ダウンロードID封入
品番:SRCL-12270~3
価格:¥9,900(税込)
収録内容:SINGLES 16曲 / ABYSS 15曲 / LUCY 16曲 全47曲収録-All Remastering-
■通常盤(3CD)
品番:SRCL-12274~6
価格:¥4,400(税込)
収録内容:SINGLES 16曲 / ABYSS 15曲 / LUCY 16曲 全47曲収録-All Remastering-
[DISC1 SINGLES]
01. Cassis
02. REGRET
03. Filth in the beauty
04. Hyena
05. 紅蓮
06. LEECH
07. DISTRESS AND COMA
08. BEFORE I DECAY
09. SHIVER
10. Red
11. PLEDGE
12. VORTEX
13. REMEMBER THE URGE
14. FADELESS
15. UGLY
16. UNDYING
[DISC2 ABYSS]
01. 奈落
02. Bath Room
03. DRIPPING INSANITY
04. BIZARRE
05. 虚無の終わり 箱詰めの黙示
06. WASTELAND
07. 痴情
08. QUIET
09. GODDESS
10. RUTHLESS DEED
11. BABYLON’S TABOO
12. DOGMA
13. 千鶴
14. OMINOUS
15. DIM SCENE
[DISC3 LUCY]
01. RAGE
02. NINTH ODD SMELL
03. Maggots
04. 裏切る舌
05. LUCY
06. VENOMOUS SPIDERʼS WEB
07. GABRIEL ON THE GALLOWS
08. DAWN
09. TWO OF A KIND
10. ATTITUDE
11. VERMIN
12. OGRE
13. HEADACHE MAN
14. ABHOR GOD
15. BLEMISH
16. TOMORROW NEVER DIES
楽曲配信サイトでの配信もスタート!
https://theGazettE.lnk.to/20thBESTIn
■特設ページ
https://the-gazette.com/2022best_heterodoxy/
【More about the GazettE】
■Official Site
https://www.instagram.com/the_gazette_official/
https://twitter.com/thegazettestaff
https://www.facebook.com/the-GazettE-Official-255684944526717/
■YouTube
https://www.youtube.com/user/gazetteSMEJ
#theGazettE #LIVETOUR2023 #MASS #PHASE03 #LASTMILE
東京都新宿区西新宿7-2-5 TH西新宿ビル6階
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