――アルバムの制作はいつ頃から始めたの?
鬼龍院翔 去年の6月くらいから本格的に制作に入ったんです。7曲くらい新曲を作るってなって、10月くらいまでに10曲くらい上げることに決まったんです
――アルバムとしては2年半ぶりになるから、収録されるシングル曲も多かったと思うけど、そこが入るという流れを汲んでの曲作りだったりしたの?
鬼龍院翔 そうですね、曲を作り始める前に、自分が今、作りたいと思う曲のメモやネタを全部聴き返してみたんです。そしたら、8曲くらいはあったので、アルバムとしてのテーマは、作りながら考えていこうと思っていたんです。それで、イメージが固まっている曲から作っていったんです。打込みとかで、まずデモ音源を作るんですけど、まず、その段階で携帯に入れて、それをお風呂間のスピーカーに繋いで、いつもお風呂に入りながら聴き返してみるんです。今回、その段階で、“いい曲しかないなぁ?”って思っちゃって。“キラーチューンしかねぇな、おい!”って思っちゃったんですよ!それで、よし、そこをテーマにしよう!って思いついたんです。僕はもともとMALICE MIZERファンなので、コンセプトのあるアルバムって大好きなんですよ。何か芸術的なコンセプトがあるアルバムってカッコイイじゃないですか。そういうのが好きなんですよね?。それで、コンセプト的にも“キラーチューンしかねえよ”ってところにしようかなと。タイトル的にも引きがありそうだし、いいんじゃないかなって
――分かりやすいよね、そういうタイトルにしてくれていたら。まさに、キラーチューンばっかりだし。振り幅も広いし、本当にキラーチューンばっかりだった。すごく音楽的でもあるしね。「燃やして!マイゴッド」とかもすごく雰囲気がある曲で。ドラムとかもブラシ使っていたりね。
鬼龍院翔 そうなんですそうなんです!今回特に挑戦だったのは、サルサの要素を入れた「燃やして!マイゴッド」。自分の中にはない曲調だったので、作り始めたときは困惑しましたが、自分的にも“これは今までにない曲を作れたな”って、すごく嬉しくなったんです。バンドっぽくない曲というか。生ブラス生ストリングスが入っているけど、ギターがほぼ入ってないという、エアーバンドならではの1曲になったかなと思ってます
――ホーンの音色の選び方とか、Dメロの“ジリジジリジリジ”っていう歌詞の響きとかが、完全に音の一部になっている感じがするというか。それはね「#CDが売れないこんな世の中じゃ」の“何?何?何何?何?何何何何!”っていう歌詞の部分にも感じたキャッチーさでもあって。言葉の嵌め方がすごく上手いなぁって思ったの。
鬼龍院翔 ありがとうございます!し?す?(※嬉しい?す?)。まさに、「燃やして!マイゴッド」は、その“ジリジジリジリジ”っていうところから思いついたんです!だいたいいつもは、サビから思いつくことが多いんですけど、この曲に関しては、その部分が最初に出て来て、そこから広げていったんです。スキャットみたいな感覚にしたくって。そこに合う日本語ってなんだろうなぁ?って考えていったんです。この曲の仮タイトル、「神(GOD)」だったんです。何かを強烈に信じてるものにしようっていう歌詞にしようと思って、そこから、“私の過去を燃やして下さい、神様”っていうふうに繋げていったんです。なので、楽曲もすごく満足出来た1曲なんですけど、実は、歌詞も自分的にはすごく満足してるんです
――なるほどね。それに、すごく昭和感が漂ってるなって。リズム的には邦楽ではないんだけど、何故かそこに昭和感を漂わせているとことにもこだわりを感じたし。
鬼龍院翔 そうなんです。サルサとかラテンって言われるリズムですからね」
――「スイートマイルーム」も、90年代の刹那ソングを彷彿させるよね。
鬼龍院翔 そうですね。ちょっと古い感じの曲が好きなんです。90年代のJ POP大好き人間なので、90年代の楽曲の良さを再現するというテーマを持ってゴールデンボンバーをやっているんですけど、「スイートマイルーム」とかは、まさにそこです。「うれしいかなしい」とかもそうかな。でも、今回敢えてそこではなく近年のサウンドを意識して作ったのが、「誕生日でも結婚式でも使える歌」。中盤で本格的なラップに挑戦してるのも聴き所です。今までラップを通ってないので苦労しましたけど、アレンジャーさんに相談して頑張りました。歌詞も“運命”的なワードを入れてしまうと結婚式に偏り過ぎちゃうので苦労しましたね
――なるほどね。「あの日君を傷つけたのは」と「ドンマイ」も少し驚いた。「ドンマイ」は特にね。純粋にいい曲。
鬼龍院翔 僕等はダンスミュージック的なもので露出することが多いので、アコギから始まるバラードは印象が薄いと思うのですが、「あの日君を傷つけたのは」と「ドンマイ」では、そんな一面にも挑戦しています
――「ドンマイ」のミュージックビデオは、この曲でそれやるかな!?っていうゴールデンボンバーらしさが、すごく良かった。
鬼龍院翔 僕が月になって、最後にメンバーが星座になって出てくるんです。ミュージックビデオは、僕の中にすごくイメージがあるものと、そうでないものがあって、今回で言うと「やさしくしてね」は、最初からイメージがはっきりとあったので、それを具現化して頂いたんですが、「ドンマイ」はそこまでイメージがなかったので、監督さんに相談したんです。そしたら、監督さんが、“鬼龍院さんは、僕の中で太陽というより月のイメージなんですよね”って言ってくれて。それで、僕が月の被り物をして歌うことになったんです。
前回のアルバム『ノーミュージック・ノーウエポン』の中に「さよなら、さよなら、さよなら」っていう悲しみのバラードがあるんですけど、そのミュージックビデオが、すごく真面目で。最初から最後まで、まったくふざけることなく、真面目に歌って終わっちゃうんです。なんかそれが自分的に、ちょっと違うのかなって思っていて。人間って、“あ、ここで泣かしにかかってるな”って思った瞬間に冷めちゃうことってないですか?なんだかそんな感じがしちゃって。いい曲もやってるんです!みたいなところを押し付けたくはないというか。自分の中のそんな反省点を活かして、「ドンマイ」は、あくまでも、自分達らしく届けられたらいいなって思ったんです。でも、やっぱりちゃんと歌詞と曲は届いてほしいから、やり過ぎて歌詞がまったく入ってこない、っていうものにはしたくなくて。それで、曲の雰囲気を邪魔しない程度のゴールデンボンバーらしさを活かした内容にしたんです
――そういう意図だったんだね。ちゃんとストーリー性もあるから、感情移入しやすかったからね。視覚有りで聴くこの曲は、音だけで聴くときとはまた違った、ゴールデンボンバーらしさに元気をもらえたりもしたし。
鬼龍院翔 そう言ってもらえると嬉しいです!
――3月17日の千葉を皮切りに、アルバムを引っさげてのツアーが始まるけど、意気込みは?
鬼龍院翔 いつも通り、コントあり、歌ありのゴールデンボンバーらしいツアーにしていこうと思ってます。楽曲的な挑戦もあったアルバムなので、新しい魅せ方もいろいろと考えていますので、是非、近くにお邪魔した際には、遊びに来て頂けると嬉しいです!よろしくお願いします!
【第一回目はこちら】http://ch.nicovideo.jp/club-Zy/blomaga/ar1420456
●プロフィール
ゴールデンボンバー(ごーるでんぼんばー)。鬼龍院翔(Vo-karu)、誕生日...6月20日、血液型B型、 出身・東京。喜矢武豊(Gita-)、誕生日3月15日 、血液型B型、出身・東京。歌広場淳(Be-su)、誕生日8月30日、血液型O型 、出身・千葉。樽美酒研二(Doramu)、誕生日11月28日、血液型A型、出身・福岡。2004年ボーカル鬼龍院翔とギター喜矢武豊を中心に結成。笑撃のライブパフォーマンスと、 奇才・鬼龍院翔の創り出すクオリティーの高い楽曲で注目の究極のエアーバンド。2009年に発売したシングル「女々しくて」で、「NHK紅白歌合戦」に4年連続出場のほか、オリコンカラオケランキング51週連続1位獲得(歴代1位記録)、2014年JASRAC賞金賞受賞、YouTubeにて5000万回再生達成を成し遂げる。18 年 3 月よりさいたまスーパーアリーナ 2days 含む全国 36 公演のツアーが開催される。
【関連サイト】club Zy.|club Zy.COLLECTION|club Zy.SHOP
株式会社ジェイブイケイ
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