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音楽の話⑳~萩田光雄が最高である12の理由~

2016/07/30 20:40 投稿

コメント:2

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①「グルーヴを逆算で導く編曲が組める」

今回は日本が世界に誇る 最強のアレンジャー 萩田光雄氏の仕事を
存分に堪能しながら 何がすごいのか 軽く書き添えていきたいと思います

今回は あくまで ひたすら萩田アレンジの素晴らしさに着目するので
歌手やバンドの方には ほとんど言及しないと思われます あしからず

まあ あと とにかく ②「筒美京平作品との相性が良い」

作曲 筒美京平 編曲 萩田光雄 であれば
96%以上の確率で良い作品と考えて間違いないでしょう






③「渋めの楽曲でも うまくアクを抑えて 耳に心地よいものにまとめる」

短調と2ビート という絶望的な戦後歌謡の骨組みに しっかりコーティングを施して
ギリギリ ポップスと呼んで差し支えないところまで持ってきています








④「バカラック風アレンジも絶妙な具合で 日本的に消化することができる」

メロ部分が半分省略されているテイクで ちょっとわかりづらいんですが
この曲に このアレンジ以外は絶対にない と思えるほどハマってます









⑤「壮大すぎない 抑制のきいたストリングスアレンジ コーラスとのバランスの妙」

これは 余計なことをしないパターンです とことん無駄を省いている
コーラスの置き方も もっとやれたところを あえて平坦に という選択をしている








⑥「イントロとオブリガードと間奏の音の溶かし方 メロディとの関係性の取り方が絶妙」

モチーフはクリストファー・クロス「Never be the same」だと思うんですが
これはヤバいんですよね マジでハーモニーの理解が深い ピンポイントです
音が重なることを恐れていない 全体の調和のみが追及された 至高のアレンジです

「待つわ」も萩田光雄マジックなくしては凡曲だったことは 想像に難くありません








⑦「アイドルの楽曲での 強いビートとクドめのブレイク その組み方の機能美」

こういうので こういう人が こう歌うだろう と
じゃあ こういうビートの中 こう鳴らすことで こういうステージになるだろう と
ロック的楽曲こそ 勢いにまかせず 全体像を繊細に予測して構築しているのです








⑧「自分で作曲した場合 遠慮なくやる」

尾崎紀世彦の「ゴッドファーザー愛のテーマ」の歌カヴァーも編曲担当していたことから
おそらく この曲はそこから着想しているであろう と 勝手に妄想しますが

ここでのアレンジの遠慮なさです サビはドドンと しばたはつみクラスの歌手になれば
映画主題歌だし とことんドラマティックに という意図が丸わかりです 至極当然の仕事






⑨「ボサ楽曲は 編曲家の腕の見せ所・・・ではなく 完全なる遊び場 なのに」

萩田光雄は遊ばないんです いかようにでも出来る そしてしてよい ボサノヴァ歌謡でも 
とことん歌手やメロディを鑑み 最適なアレンジを追求する
その求道者っぷりに 惹かれざるをえないんです







⑩「シンプルイズベスト と言われうるレベルの楽曲を相手にしても 確実に洗練する」

来生たかお本人が ピアノ一本でボソボソ歌ったって 充分な名曲だと 証明されています
じゃあ それでいいのか 答えはNoです 中森明菜がかわいいとか そんなことでなく
どう聴いても アレンジが曲を更なる高みに持っていっていることが明白だから






⑪「アレンジ一発で 凡曲をここまで記憶に残せるものにする」

冷静にサビのメロディを追えば ミミミミミミレソソ ドドドドド ドファファミドレ
ですからね はっきりいって つんまんねー曲ですよ これ
あんちゃん二人も パッとしないし こんなのよく売れたねえ って 思うわけです

しかし答えは 明確 判明 自明 明白 です どう考えても萩田マジックによるもの
サビ直前の「パパパッパー」に多くの人が痺れたんです 
Dm7/G (F/G)ですよ  ドミナントです ブレイクです
ここ1小節だけなんです この曲は それ以上でもそれ以下でもない







⑫「アレンジとかじゃなく名曲だろ ← でも やっぱりアレンジこそが素晴らしいのです」

ここは本当に長ーく説明したいんですが 我慢して 要点だけ

これは文句なしの名曲と 人は言います その通りです 
でもね じゃあ この曲のね

イントロでメロディをなぞってなかったら どうかいね?
テンションあがらんのですよ まるで

サビの「駆け出しそうなの」のところのベースが半音階進行じゃなかったらどうよ?
まったく凡庸な歌謡曲に 一気に成り下がるんですよ 

「手をとめーたー」のあとの「ピロリン♪」と
直後のリズムシンコペーションがなかったらどうよ?
もう絶頂ポイントを失って 曲が締まらないったらないですよ

つまり
この曲こそ 萩田マジックが詰まりに詰まった アレンジの聖典のような曲なのです


我々は通常「楽曲」を聴いているのではないのです アレンジを聴いているといっていい
萩田光雄の名前を見かけたら とりあえず聴きましょう
昭和を愛するあなたの耳を 満たしてくれること請け合いです


コメント

tomtom96
No.1 (2016/10/24 05:56)
全くの御意でございます。日本音楽史上、最も過小評価されている音楽家でいらっしゃるのが萩田さんと思います。
チャリ (著者)
No.2 (2016/11/12 23:31)
>>1
もっともっと評価されていいですよね
日本の戦後歌謡曲の歴史は 半分くらいアレンジャーの歴史だと
もっと理解されるべきと思います
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