先日2月4日(木)に『やらまいかー真相はこうだ!』をニコニコ生放送で配信いたしました。『やらまいか』とは、毎月第一木曜日に放送される、様々な論客が"真相"を語る討論番組です。
今回のテーマは「北朝鮮の『水爆実験』日本が三発目を食らわないためにはどうするか?」。
レギュラーの8人、ゲストに『日本人の原爆投下論はこのままでよいのか―原爆投下をめぐる日米の初めての対話』の著者で、教育学者の杉原誠四郎氏をお迎えし、北朝鮮の核開発をなぜ止められないのか、日本は核を保有すべきか、日本が核兵器を持つとしたら具体的にどうすべきか、深く掘り下げていきました。
冒頭では、第二次世界大戦で日本に対して行った「原爆投下」を正当化するアメリカの理屈について触れ、実際はどうだったのか杉原氏に説明してもらいました。
ここでは特に本当に真珠湾攻撃が「卑劣な騙し討ち」だったのか、宣戦布告は何故出されなかったのかについて真相が語られました。
そこには「外務省の事務手続きのミス」が存在していたと杉原氏。その事実を杉原氏が外務省に問合せたところ、対応した当時の担当者(主席事務官)は、真摯に対応するもその後左遷され、後に省内で投身自殺したとの事実が話されました。
このくだりは、前述の杉原氏の著書にも詳しく記されています。また、月刊誌『WiLL』3月号では、司会の元文藝春秋編集長 堤堯氏が同書についての書評も行っておりますので宜しければご一読ください。
『WiLL』3月号 http://web-wac.co.jp/magazine/will/
次に本題に移り、各テーマについて討論が行われました。
北朝鮮の核開発をなぜ止められないかについて、司会の堤氏はアメリカに責任があると言及。「2006年に1回目の核実験を行った時に、安部首相と中川昭一(当時自民党政調会長)が核保有について議論すべきだと主張したが、朝日新聞などがめちゃくちゃに2人を叩いた。その時にライス米国務長官が『日本はアメリカの核の傘で守ってみせる。北朝鮮の核は押さえてみせる』と保証した。ところが、そのあとはズルズルと北朝鮮の核開発を許してきた」
これに対し、評論家の西尾幹二氏は、1994年の核危機の時から日本は他人事のように考えてると指摘し、羽田外務大臣(当時)の「核兵器は金日成主席と膝を付け合わせ分かってもらうことが大事だ」という発言を紹介しました。
また、中国が北朝鮮への制裁決議に拒否や棄権、賛成しても継続して貿易を行っている理由について、ジャーナリストの福島香織氏は「北朝鮮カードというものをアメリカやソ連にとって使える、利用価値があると思っているので、今回も止めずに生かさず殺さず状態にしている」と発言し、軍事力に大きな差がある現状では中国が北朝鮮をコントロールしていると説明しました。
「7. 日本の核保有を主張した政治家たち」では、吉田茂や岸信介、佐藤栄作の発言を紹介。
ノンフィクション作家の関岡英之氏は、岸信介の「憲法違反だとはいえないと思っている」という発言は首相時代に行った政府答弁で、今後具体的に核保有是非の議論をしていく上で「憲法改正をしなくても核が持てる」根拠になると指摘。
さらに、関岡氏は核武装の必要性についても言及。「日本はアメリカの核の傘という選択肢しかない。そのためにアメリカの核の傘がどう機能するのか詰めていこうとアメリカに提案すべき。アメリカが乗ってこなかったら日本は別のオプションを持つと言える。そこで、アメリカの核の傘と自国での核保有の中間点である、核シェアリング、具体的には核保有国であるインドとの連携が重要だと考えている」
番組の途中では読者アンケートを行いました。質問は「日本が核兵器を持つとしたら現実的にどうすればいいか?」。アンケートの結果は、ぜひ動画で確認してみてください!(1:02:40頃)
前回第10回で行った「日本は核を持つべきか否か」というアンケートでは「持つべき」という答えが75.9%でした。
核保有すべきかに対し、福島氏は「日本が核を保有することは北朝鮮が持つのとは大きく異なる。(核を持つということは)世界地図を変える行為に参加するという意思表示になる。そこに本当に参加する覚悟があるのか、日本人は問い直さなければならない」と重要な問題提起を行いました。
番組の最終には、日本音楽財団理事長の塩見和子氏が女性は日本をスイスのような平和国家にしたいと思っているが、スイスがどうやって自国を守っているのか、軍隊を持っている点を示唆しながら、その事実を知る必要があると指摘しました。
北朝鮮の核開発の意味や日米の核兵器を巡る関係、日本が核兵器を持つべきかまで、核保有について深く掘り下げた今回の放送のタイムシフト期間は2月11日(木)23時59分までとなっております。ぜひこの期間にご視聴ください!
◆『やらまいか―真相はこうだ!』第11回
◆生放送日時:2016年2月4日(木)16時30分~18時
◆テーマ:「北朝鮮の『水爆実験』 日本が三発目を食らわないためにはどうするか?」
◆ゲスト:杉原誠四郎(教育学者)
『日本人の原爆投下論はこのままでよいのか―原爆投下をめぐる日米の初めての対話』著者
◆レギュラー:堤堯(ジャーナリスト・元文藝春秋編集長)、
日下公人(評論家・日本財団特別顧問)、塩見和子(日本音楽財団理事長)、
西尾幹二(評論家・ドイツ文学者)、関岡英之(ノンフィクション作家)、
高山正之(ジャーナリスト・元産経新聞記者)、福島香織(ジャーナリスト・元産経新聞記者)、
馬渕睦夫(元駐ウクライナ大使・元防衛大学校教授)
◆ご視聴URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv250324064
◆タイムシフト期間:2月11日(木・祝)23時59分まで
2016年2月7日(日)DHCシアター
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