現在大ヒット中の映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』。オプティマスプライム、バンブルビーなど『トランスフォーマー』ファンお馴染みのオートボットたちの活躍はもちろん、本作から登場する新たなオートボット達、そして恐竜型トランスフォーマーの登場は、全世界の“男子達”をワクワクさせています。
今や、世界的ヒットタイトルとなった『トランスフォーマー』シリーズですが、その原作となるのが「タカラトミー」が発売している変形ロボット玩具シリーズ。日本でも大人気商品であったトランスフォーマーは、世界中でも爆発的ヒット。2007年に実写映画化されると、過去にトランスフォーマーで遊んでいなかった世代から逆輸入的に支持を得ています。
今回は、トランスフォーマーの前身、「ダイアクロン」のウォークインセクター、カーロボットと「ミクロマン」のアクロサタン、アーマードスーツを担当し、トランスフォーマーシリーズの開発に携わってきた大野光仁さんと、入社で2年目から一貫して海外向けトランスフォーマーの開発を手掛けている三宅智也さんのお2人にインタビュー。トランスフォーマー開発秘話や、映画との関わりなど色々とお話を伺ってきました。
――まずお聞きしたいのが、トランスフォーマー開発のきっかけなのですが、車がロボットに変身していく過程まで楽しむというのはとても面白い発想ですよね。
大野:子供達が商品を見て「あ、車だ!」とすぐに分かる物を作りたかったんですね。子供達が大好きな乗り物が変形してロボットになったらさらに面白いだろうと。タカラトミー(当時タカラ)はもともとドール・フィギュアに強いメーカーですので、その世界観と乗り物玩具を融合させる事が最初のはじまりでした。
――そうした分かりやすさが、全世界でヒットする理由の一つなのかもしれませんね。
大野:皆さんが知っている乗り物が変形するという面白さは世界共通ですよね。それに加えて、車のおもちゃとして走らせる事も出来る、ロボットに変形させる組み立ての面白さもある、ロボットとして遊べると3度美味しい事が人気が爆発した理由だと思います。そしてアニメになった時に、カーチェイスがあったり、ロボットになってのバトルがあったりと、その面白さが活かされる。車もロボットも子供が憧れる物ですから、憧れる物から憧れる物への変身というのは刺激的ですよね。
三宅:僕らの思う格好良い物が、他の国の子供達にとって格好良いかというと、必ずしもそうではない。でも、車の格好良さって万国共通だし、今回の『トランスフォーマー/ロストエイジ』の恐竜の迫力から、変身の格好良さも世界中に通じる魅力だと思います。
――確かに恐竜が登場してテンションが上がるのって、本当に世界共通ですよね。大野さんは、映画に登場する恐竜型トランスフォーマーの基になった「グリムロック」の企画もされたそうですね。
大野:車がトランスフォームするおもちゃを作り続けていくうちに、開発側としてはどうしても次のチャレンジがしたくなり。車もたくさんあるけど、生物もたくさんいるよね、という所からスタートしました。生物の中で一番人気があるのって恐竜ですし、いかに子供達を驚かせるかという想いで作りました。
三宅:恐竜は現在いない生物なので想像して造形を作るわけですが、変な生き物にはせず、誰も見た事の無い物にしなくてはいけないという難しさがありました。恐竜のイベントに足を運んで標本を見たり、骨格を研究したり。車でももちろん、実際に車を見ながら研究しますが、恐竜は特に時間をかけましたね。
――『トランスフォーマー/ロストエイジ』ではオプティマスやバンブルビーのデザインが変ったり、新たなオートボット達が登場していますが、映画への関わりはどの様にされていますか?
大野:映画のスタッフとして一緒に入り込んでいるわけではなく、原作がトイであるという事なので、全てが映画に反映されるわけでは無いですがこちらの要望も送ります。こちらで作ったオプティマスプライムの立体物を送ってみたりとか。映画のクリエイターさん達もいかに面白い作品を作るかにとても一生懸命なので、新しいアイデアは常に求めているのだと思います。
三宅:映画初期の頃はそういうやりとりをたくさんしていましたよね。我々としても、映画の中でこんなロボットが出て来たら、こんなおもちゃが作れますよ、といった提案を「ハスブロ」社交えてお話する事もありますし、それで生まれたであろうキャラクターもいます。でも、基本的には映画の制作とおもちゃの開発はほぼ同時に走っていくので、完成した映画を観て「あの時見たオプティマスのラフはこう完成したのか」と驚く事もあります。
大野:アメリカのスタジオ、ハスブロ、そしてタカラトミーの信頼関係がしっかりとしているので出来るスピード感ですね。
――自分が開発に携わったトランスフォーマー達がスクリーンを所狭しと暴れまくるのは、とても感動するのでは無いでしょうか?
大野:映画の中には昔の商品達もたくさん出て来ますので、作った側としては「こんなに格好良くしてくれた!」と感動します。『トランスフォーマー/ロストエイジ』に出てくる恐竜型トランスフォーマーも、「グリムロック」という商品が現代のデザインになっていて、オプティマスが恐竜にまたがって走るシーンが非常に面白かったですね。
三宅:「このキャラクターが登場します」という事は知らされていても、どの様な活躍をするのか、どのシーンに出てくるのかという事は分からないので、映画を観る時は心からワクワクします。逆に途中で死んでしまうオートボットが出てくるととても悲しくて。僕らも子供と一緒ですね(笑)。
大野:本当に恐竜は嬉しかったね。「グリムロック」は企画発案から携わっていた商品だったので、大活躍してくれて感無量でした。一度巣立った息子がキレイになって帰ってきてくれた様な(笑)。
――親心ですね。そのアツい想いが、トランスフォーマーが多くの人に愛される理由なのだと思います。今日はどうもありがとうございました!
『トランスフォーマー/ロストエイジ』ストーリー
オプティマスプライムらオートボットの面々は、トランスフォーマーを厳しく取り締まろうとする政府の手から逃れていた。ひとり娘のテッサと暮らす廃品工場のオーナーで発明家のケイドはある日、古いトラックを安価で手に入れるが、そのトラックこそ、車に変形して身を隠していたオプティマスプライムだった。その頃、人類滅亡を目論む新たなディセプティコンが地球に襲来。恐竜からトランスフォームする謎の第三勢力ダイナボットも現れ、新たな戦いが巻き起こる。
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