今回は、ちょっと堅めのお話です。
今までのコラムを読んで頂いた限りでは、「なんだ、海外通販なんてたいしたことないじゃん!じゃんじゃん個人輸入しちゃおう!」と思われた方も多いかと思います。
…しかし、それは半分は正解で、半分は間違っています。
やはり、国内通販に比べれば、海外通販はそれなりのトラブルやリスクが付きものです。ある程度の覚悟はやっぱり必要だよ、という筆者の実体験を今回はお話したいと思います。
■発注をキャンセルした商品が既に出荷されてしまった!さあどうする!
・・・ある日、とある米国のメーカーの直販サイトで、面白いガジェットを見つけた私は、あまり深く考える事もなく、さっさとポチってしまいました。
その後すぐに、「やっぱりこの商品必要ないよね」と思い直し、メーカーにキャンセルのメールを入れたところ、「カートから先は、販売会社のサイトなので、販売会社に連絡して下さい」との返事が来ました。
確かに、カートをクリックして決済のページになると、別の会社の決済ページに飛ぶ作りになっています。
そこで、販売会社に「メーカーにキャンセルの連絡をしたら、こちらの会社に連絡する様に言われたので、発注番号XXXXXXXXの商品の発注をキャンセルして下さい」とメールをしました。
すると、販売会社から思いも寄らぬ返事が返ってきました。
「商品は既に発送してしまいました。貴方が自分で配送業者に配送をストップさせる連絡を入れて、商品が当社に返送して戻ってきたら、配送料を差し引いた代金を返金します」
・・・自分の所で発送した荷物なんだから、そっちから配送ストップの連絡入れてくれよ、日本の会社だったらそんな野暮な事言わないぞ、と言いたくなりましたが、何しろ英語が出来ませんので、仕方なく配送業者に配送ストップの連絡をしよう、と思ったら…
「配送業者の連絡先のメールアドレスが分からない」。
…これには参りました。配送業者のサイトを隅から隅まで見ても見つからない。電話番号は書いてありますが、当然英語を喋る事なんて出来ませんから、電話を掛ける事も出来ない。どんづまりです。
●英語さえ出来ればこんなに困る事は無かったのに・・・
おそらく、配送業者のホームページに記載のある代表問い合わせ電話番号にかけて、英語で二言三言「配送止めてね」と連絡すれば、それでお仕舞いになる話なのですが、全てをgoogle翻訳によるメールで済まそうとすると、こういう事も起こりうる訳です。
さて、冷静になって考えると、配送業者は世界中にネットワークを持つ世界企業。日本支社もあります。
「そうだ!日本支社なら日本語が出来るから、この問題も なんとかしてくれるかもしれない!」・・・光が見えてきました。
早速、配送業者の日本支社に電話して見ました。
「配送番号YYYYYYYYの荷物は、発注キャンセルにつき、発送元に返送したいのですが」
すると、配送業者の日本支社の回答は「配送番号YYYYYYYYの荷物は、米国→米国の荷物の様ですね。米国→日本へ直送の荷物でしたら、このお電話で配送キャンセルを承って発送元に返送は可能ですが、米国から米国への荷物については、やはり米国本社の電話に直接お電話して頂く決まりとなっております」と、つれない返事。
実は今回の荷物は、件の転送業者を利用して日本に配送する手配をしていたのです。
「・・・だってこちらは英語が喋れないから、あえて日本支社にお願いしているんですよ。そちらから米国本社に連絡を入れてもらう事は出来ないんですか?」と、こちらも食い下がります。
「そういう決まりですから」・・・相手は泣く子も黙る世界企業。これ以上押しても無理と判断し、諦めました。
●諦めない事逃げ出さない事
さあ、どうしたものか。
・・・あ、そういえば、この「メーカー」、「日本語対応してくれるメール窓口が有った」んだった!!!
メーカー側の日本語が分かる人からプッシュしてもらえれば、もしかしたら!?
…早速、メーカーの日本語メール窓口にメールして見ました。
「そういったケースは、販売会社に連絡して下さい」との返事が来ました。まーた堂々巡りです。
「貴社の米国本社にキャンセルの連絡をしたら、販売会社に連絡しろと言われ、販売会社に連絡したら、配送業者に連絡しろと言われ、配送業者に連絡しようとしても英語は喋れないし、メールの送り先も分かりません。私はどうしたらいいんでしょうか?」と再度メールをしました。
すると、メーカーの日本語メール窓口返事が返ってきました。
「こちらから直接発注のキャンセルの連絡を入れる権限はありませんが、発注を止める為のメールアドレスを調べてお知らせする事は出来ます。少しお時間を下さい。」
最終的には、メーカーの日本語メール窓口の方が調べて教えてくれた、販売会社の、もっと話が分かる人がいる担当部署のメールアドレスと、その後自力で調べた、配送業者のどこかの誰かの(!)メールアドレスに「お客様相談窓口のメールアドレスを教えてくれ」と無理矢理頼み込み、やっとこさ配送業者のお客様窓口メールアドレスをGETして、メールを送って、配送のストップを掛けて、販売会社宛に返送してもらう手配を行い、その結果を販売会社に連絡して、返金・処理をしてもらい・・等等。
結局、最初の発注後キャンセルから返金まで、約一ヶ月かかりました。
どうです。いざトラブると、結構大変でしょう。(まあ、全部自分が悪いんですけど。)
今までの経験から、全体的な感触としては、あくまで筆者の主観ですが、
※メーカー自身が決済、発送まで面倒をみているメーカー直販サイトは、送金後のキャンセルや商品の追加・変更は、比較的、割と融通が利く事が有る。(流石に商品出荷後のキャンセルに関しては、返送の実費は返金の際、差し引かれる。)
※決済や発送を、他社に委託しているメーカー直販サイトの商品や、輸入代行業者に購入代行依頼迄お願いしている場合は、送金後のキャンセルは、「キャンセル諸手数料」と「返送運賃」は、きっちり差し引かれて返金されるので注意。
といった所です。
海外通販を利用する際は、よーーーーーーーーく考えてから発注しましょう。
とにかく、キャンセル手続きは結構大変ですよ。
●paypal 決済で助かった!というお話
これはまた、別件の話ですが、
とある安い互換バッテリを売っている通販サイトがあったので、購入をしました。今から考えてみれば、webの記載は少々怪しい日本語だったので、そこで早く気がつくべきでしたが、当時はそんな警戒心もなく、そのまま決済を行ってしまいました。
そこでクレジットカードか、paypalか、支払方法を、どちらかを選べる様になっていたので、なんとなく虫の知らせか、「クレジットカード番号を相手先に知らせるのも何だか嫌だなあ」と思い、その時はpaypal決済で支払いをしました。
<wikipediaより>PayPal(ペイパル)とは、電子メールアカウントとインターネットを利用した決済サービスを提供するアメリカの企業である。PayPal口座間やクレジットカードでの送金や入金を行う。
その後・・・注文から1ヶ月立ちましたが、まだ商品が来ません。
その間、何度か販売業者にメールをしてみましたが、配送番号を連呼するだけで、「こちらからは既に発送したから非は無い」と繰り返すばかり。
配送経歴上は発送の記録だけが記録に残っているのみです。兎に角、埒があきません。
どうしたものか、と思いpaypal のサイトを再度見直して見ると、
「バイヤープロテクション」
https://www.paypal.com/jp/cgi-bin/webscr?cmd=xpt/Marketing/securitycenter/buy/Protection-outsid
なるサービスが有る事に気が付きました。
購入してから45日以内に、例えば「購入して支払いしたのに商品が届かない!」と、paypalサイト内の問題解決センターに連絡をすると、売り手と買い手の間に入って調査して、最終的に、買い手に支払った額が返金される(かもしれない)というシステムです。
早速paypalに連絡をしました。最初の1回目は「販売者は配送番号ZZZZZZZZで発送したと言ってるけど、実際どうですか?」と paypal から事実確認の連絡が来たので、
「配送番号ZZZZZZZZは、そちらでも、配送業者の配送経歴検索画面で見て貰えれば一目瞭然ですが、ずっと荷物は行方不明の状態です。したがって私は、まだ商品を受け取りすら出来ていません。何とかして下さい。」と返事をしました。
しばらく後、paypalより「・・・貴方のクレームは認められました。代金は返金処理されます」とメールが来て、購入代金が返ってきました。
使ってよかった paypal !!
paypal 支払いのもう一つのメリットは、通販サイト側に、自分のクレジットカード番号を知られずに済む、という事です。
流石に paypal に対しては、自分のクレジットカード番号を登録する必要はありますが、
『amazon.com』の様な大手通販サイトにクレジットカード番号を登録するならともかくとして、怪しげな通販サイトに大切なクレジットカード番号を入れるのは相当抵抗があります。幸いにも、多くの海外の通販サイトは、クレジットカードの他、paypal でも支払える様になっている所が多いので、paypal で支払う事が出来るのであれば、そちらを選択した方がいざという時のリスク分散に繋がるのではないかと思います。
クレジットカードしか使えない! という通販サイトからは、あえて「買わない」、という選択肢も有り、ではないかと考えます。
まあ、そのあたり充分承知の上で、海外通販を今後も楽しんで下さいね!!んじゃ!
・・・続く。
(今回紹介したサービスは、筆者はその内容を保障するものではありません。海外通販はあくまでも自己責任の世界です。ご注意下さい。)
※この記事はガジェ通ウェブライターの「FURU」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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