2013年4月18日、六本木アカデミーヒルズにて 岡本重明氏、岸博幸氏による対談が行われました。動画を全編と、前編部分を抜粋した書き起こしでご紹介いたします。
【緊急対談】『アベノミクス戦略特区、輸出農業の可能性』(出演:新鮮組代表取締役 岡本重明氏×岸博幸氏)
【番組内容】アベノミクス戦略特区・TPP参加の観点から輸出農業の可能性など、いま注目の『日本の農業最強』他の対談の模様です。
【協力:アカデミーヒルズ】
【主催:東京プレスクラブ】
書起し抜粋 (全文は週刊アベノミクス2号に掲載)
http://j.mp/10n6x8S
●プロフィール
岡本重明 1961年、愛知県田原市生まれ79年高校を卒業後、農業ひと筋に打ち込む
93年農業生産法人(有)新鮮組を設立
社長として野菜やコメの生産に加えて肥料など農業資材を手がける。
2003年〜物産アグリリテールシステムズの農業資材部エグゼクティブマネージャー。
●動画を前編、後編に分けてご紹介します。
「20130418岡本重明×岸博幸アベノミクスと農業その1」2013年04月19日『アベノミクスチャンネル・ニコニコ動画』
http://ch.nicovideo.jp/abenomics/blomaga/ar204816
「20130418岡本重明×岸博幸アベノミクスと農業その2」2013年04月19日『アベノミクスチャンネル・ニコニコ動画』
http://www.nicovideo.jp/watch/1366587644
●前編部分を抜粋して、書き起こしでご紹介します。
司会> 今回は、岡本重明 農業法人有限会社新鮮組代表取締役、岸博幸 慶応大学教授をゲストに、経済政策アベノミクスチャンネル【緊急対談】『アベノミクス戦略特区・輸出農業の可能性』のテーマでおこなう。岸博幸> 岡本氏は、テレビでも何度か一緒になったが、農業をビジネスにしている人で一番面白いく、一番変な人で、一番尊敬する人。
今回は重大発表もあるため、話に入る前にバックグラウンドから説明する。
昨日4月17日に政府の3本目の矢である成長戦略を検討する会議である産業競争力会議で、『アベノミクス戦略特区』という新しい特区制度の創設が決まった。
2002年の小泉政権で構造改革特区として始まった特区は、日本全体の構造改革に至らないものについても、やる気のある自治体において地域限定で規制を緩和し、ビジネス等、経済活動を活発化させるというものだった。当初は上手く機能したものの、政治主導と共に尻すぼみになった。
今回の『アベノミクス戦略特区』は、小泉改革の際の構造改革特区をより強化し、特区担当の大臣と特区専門の諮問会議の設置の他、政府・自治体・民間の3社でミニ政府的に地域全体で規制改革をする仕組になる。東京・大阪・名古屋といった大都市ばっかりのように報道されている部分もあるが、昨日の会議配布資料では、決して大都市に限定していない。その中には、実際に地方で農業に対して行う規制改革等も入るわけで、今日は、岡本氏と、農業ベースにした『アベノミクス戦略特区』について考えたい。岡本重明> 愛知県田原市で米を中心に野菜など農業を会社でやっている。社員9人は、農家の後継者でなく、サラリーマンや自衛官等20代が中心。24歳ぐらいの子が農業をしたいと来ると、「人生を潰すよ」と言うが、それでも「何が何でも来させてください」と言うので受け入れている。こうした気持ちのある若者は、半年でかなり任せられるようになる。そんな中、農業でもサラリーマン以上の所得を計上しようとしている。こうした事を突き詰めて動く際に、最もハードルになるのが、この国の規制だ。
岸博幸> これまでの農業は、規制が強い産業の代表で、株式会社の参入も規制されている。その意味では、岡本氏は、農業という規制改革が必要な分野で一番革新的な事をやっていると言える。
岡本重明> 革新的かは分からないが、農協に入っていたらチヤホヤはされるが、経済的に困窮し、中途半端な事に手を出して破綻していただろう。
岸博幸> 岡本氏は、非常に改革的な事をやっているが、こうした革新的な事をすると地元では嫌われないか。
岡本重明> 農家には、それほど嫌われていないと思うが、農協関連や県等行政には嫌われている。地方では農協と農業行政は一体であり、こうした農業団体というセクションは、全て敵になっている。県は、農協に対して監査、指導する立場になっているが、その結果が日本の現状であり、なぜ首にならないのかと思う。
岸博幸> そういう意味では農協が諸悪の根源か。
岡本重明> 諸悪の根源以外何者でもない。
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