19日、総務省消防庁は平成21年1月から平成26年6月までの約5年間に、危険ドラッグで救急搬送された傷病者の数を4469人と発表しました。
この数は、救急搬送時に救急隊が記録した活動記録の中から「ドラッグ」「ハーブ」のキーワードがマークされた傷病者の数だとしています。
救急搬送は、医療が必要な傷病者を医療機関へ搬送することが目的であり、症状の原因となった物質を搬送中に特定するのは困難です。
したがって、法的規制がなされた薬物使用によるトラブルで搬送された傷病者も含まれているはずですが、記録に漏れる危険ドラッグ使用者もいるはずです。したがって、公表された数値は大筋で間違いないとみてよいでしょう。
消防庁が発表した報道資料にと、危険ドラッグで救急搬送された傷病者は、平成22年で85人だったにも関わらず、翌年の平成23年では602人、平成24年では1785人に増えています。
この異常な増え方は多方面から指摘されており、多数の省庁や自治体が法の網をかいくぐって販売される危険ドラッグに警鐘を鳴らしてきました。
去る6月24日には、東京都豊島区にある池袋駅西口の路上で、危険ドラッグを使用した男性が運転する車によって、1人が命を失い6人が重軽傷を被る事故が発生しました。
この事件を受けて開かれた集会では、田村憲久厚生労働大尽が、「危険ドラッグはなんらかの効能が得られると暗に宣伝されている以上、国の認可を得ずに販売される薬物を取り締まる薬事法での規制が可能だ」という趣旨の発言を残しています。
しかしながら現時点では、指定された成分を含む危険ドラッグを販売する業者しか規制できないのが現状です。そのため、規制の網をくぐった成分を含んだ危険ドラッグが販売されるといういたちごっこが続いており、根本的な解決は見えていません。
薬物依存を専門とする医療従事者の中には、危険ドラッグは覚醒剤や向精神薬といった従来から問題とされてきた薬物と違って濫用した場合に、どのような症状がでるのか推測しにくいことや、治療方針を立てにくいことを指摘する方もいます。
健康被害についてのデータもない上に、死亡事故を引き起こしたことを考えると、危険ドラッグの製造販売の規制について、抜本的な対策を求める声は必至のようです。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より
※この記事はガジェ通ウェブライターの「松沢直樹」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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