ネットオークションでヒョウの毛皮を販売したとして、警視庁生活環境課などは24日までに、東京都中野区で古物商を営む男性3人を、「種の保存法」違反容疑で逮捕しました。
個人的には、ネットオークションでヒョウの毛皮を競りにかけるということに違和感を感じますが、出品者が逮捕されたということに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
あまり知られていませんが、種の保存法では国内外の動植物の販売や譲渡(無償譲渡も含みます)、陳列について厳しい規制を敷いています。外国の希少種についてはワシントン条約のほか、日本がアメリカ、オーストラリア、ロシアと締結している二国間渡り鳥等保護条約・協定・通報種で規定されている動植物が規制の対象になっています。
これらの外国の動植物は、環境省に登録したものでなければ、原則として販売や譲渡、もしくはそれらを目的とした陳列や広告をすることができません。博物館などがこれらの動植物の標本や、はく製を陳列する場合も、環境省への届け出がないと違法性を問われる可能性があります。事実上、販売や譲渡はできないと思ったほうがよいでしょう。
なお、生きている動植物だけでなく、標本やこれらの動植物を加工した製品なども規制の対象になります。加えて、国内に生息する89種類の動植物が、同じように採集・譲渡・販売、それらを目的とした陳列が規制されていることも知っておきたいところです。
環境省ホームページ 国内野生動植物一覧表
http://www.env.go.jp/nature/yasei/hozonho/list_domestic.pdf
今回、逮捕された古物商の男性は、毛皮は規制の対象にならないと考えていたと主張しているようです。知らなかったといっても法を犯せば罪に問われるのが現状なのでしょうが、この事件は私たちも笑えない落とし穴になるかもしれません。
昔からよく、海外旅行にでかけて規制の対象になる動物の加工製品を購入し、日本に持ち込んだ際に違法性を問われるケースがありました。象牙などの装飾品や印鑑の材料、虎の骨などを使った漢方薬などがそうです。
海外旅行に出かけた時のおみやげ購入や、ネットオークションで動植物の標本や加工製品を購入する場合は違法性を問われるものでないか、確認したほうがいいですね。
また、動植物の飼育や栽培が趣味という方は、希少種の生体を販売するという広告をみかけても、安易に購入しないことが重要です。
写真は 足成 http://www.ashinari.com/ より
※この記事はガジェ通ウェブライターの「松沢直樹」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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