「もうコンデジはいらない」とまで言われるぐらい、カメラ機能の向上が著しい最近のスマートフォン。実際、1300万画素以上の有効画素数は当たり前、HDRなど高度な撮影機能も搭載されるようになり、ある意味どれもそれなりに高いレベルでカメラ機能は横並びになってきています。ガジェット通信は発売直後の『iPhone 6』とAndroidスマートフォン夏モデル5機種の計6機種で、カメラ機能がどこまで進化してきているのかレビューを実施しました。カメラ機能でどこに差がつくのか、見ていきましょう。
今回のレビューに使用したのは、次の6機種。いずれも各メーカーの最新機種となっています。
『GALAXY S5 SC-04F』:ドコモから5月15日に発売
『Xperia Z2 SO-03F』:ドコモから5月21日に発売
『AQUOS XX 304SH』:ソフトバンクから5月23日に発売
『isai FL LGL24』:auから7月18日に発売
『HTC J butterfly HTL23』:auから8月29日に発売
『iPhone 6』:3キャリアから9月19日に発売
●6端末のカメラ機能をスペックから比較
まず、スペックから各端末を比較していきましょう。『iPhone 6』の800万画素を除けばいずれも1300万画素以上で、『Xperia Z2』に至っては2070万画素というスペック。オートフォーカスの速度やHDR機能、レンズで多少の差が出てきそうですが、『HTC J butterfly』の2レンズという仕様は異色ですね。
GALAXY S5
メインカメラは約1600万画素で、最大撮影サイズは5312×2988ピクセル。高速オートフォーカスが特徴で、フォーカス速度は『GALAXY S4』の約1秒に対して約0.3秒に高速化しています。HDR機能、撮影した写真の背景をぼかす『選択フォーカス』機能を搭載。
Xperia Z2
メインカメラは約2070万画素で、最大撮影サイズは5248×3936ピクセル。F2.0、広角27mmの『Gレンズ』、高感度イメージセンサー『Exmor RS for mobile』、画像処理エンジン『BIONZ for mobile』を搭載。
AQUOS XX
メインカメラは約1310万画素で、最大撮影サイズは4128×3096ピクセル。動きのある被写体にも強いリアルタイムHDR機能、F値1.9のレンズを搭載。
isai FL
メインカメラは約1320万画素で、最大撮影サイズは4160×3120ピクセル。カメラ機能は強く訴求していないのか、ほか詳細情報は不明。
HTC J butterfly
メインカメラは約1300万画素で、最大撮影サイズは4208×3120ピクセル。メインカメラにレンズを2つ装備した『DUO CAMERA』が特徴で、もう1つのカメラが被写体との距離を記録。撮影後に『UFocus』と呼ばれる機能でフォーカス選択が可能。
iPhone 6
メインカメラは約800万画素で、最大撮影サイズは不明(撮影画像は3264×2448ピクセル)。オートフォーカスを高速化し、自動HDR機能、F値2.2のレンズを搭載。
●いずれもスピーディーな撮影が可能
では6機種の検証結果を見ていきましょう。レビューはメインカメラによる静止画の撮影を対象として、原則オートモードで撮影をしています。検証はAndroidスマートフォン5機種を先行して実施、発売日が近い『iPhone 6』は後日検証したものなので、必ずしも同条件での撮影になっていないことをご了承ください。
まず外で新宿の高層ビルを撮影して、体感的な撮影速度を比較してみました。いずれも合焦速度が速く、カメラを起動してからすぐにシャッターを切れるだけでなく、シャッターボタンをタップして撮影が終了するまでの撮影速度が非常に速くなっていることが分かりました。
『GALAXY S5』、『AQUOS XX』、『isai FL』、『HTC J butterfly』、『iPhone 6』まではほとんど差がなく、『Xperia Z2』がタップしてから合焦までにやや時間がかかる印象がありました。とはいえ撮影した写真は色味の違いはありますが、いずれも高い解像感があり、高いレベルで差を感じさせないできばえ。
●逆光撮影はHDR機能搭載がややリードか
次に、HDR機能が撮影結果に差をつけそうな逆光下で、東京都庁の建物と標識を撮影して比較。『iPhone 6』の検証時はやや雲があり、光が弱くなってしまいましたが、いずれも建物、標識、空が白とびなどなくはっきり写っていることが分かります。
スペック上でHDR機能を特徴として挙げている『GALAXY S5』、『AQUOS XX』はやや良好な撮影結果に見えますが、他機種もほとんど差がないように見えます。『iPhone 6』が同条件で撮影できなかったことが少し残念。
●奥行きのある絵でフォーカス調整機能が差をつける
最後に、室内で前後に距離の異なる3人の人物を撮影した結果を見ていきましょう。撮影時に被写体をタッチしてフォーカスする機能を利用しないで撮影した場合、いずれも手前から奥までフォーカスを合わせたパンフォーカスで撮影され、結果に大きな差はないことが分かります。
『GALAXY S5』で『選択フォーカス』のモードを使って撮影すると、撮影後に「近焦点」「遠焦点」「パンフォーカス」の3種類でフォーカスを調整することができます。
フォーカスを合わせた部分以外はぼけて、一眼レフで撮影したような雰囲気に。ただし、指定できるのは近焦点か遠焦点のみで、画像処理はカメラにお任せになるため、意図したとおりの絵にならない場合もあります。
『HTC J butterfly』では『UFocus』の機能を利用すると、撮影した任意の写真について、フォーカスしたい被写体をタッチで指定してフォーカス調整が可能。
検証時のように3人の人物を撮影しても、3人それぞれにフォーカスを当てなおして、ほかはぼかした絵にすることができます。
これは、『DUO CAMERA』の2つ目のカメラが被写体との距離情報を記録しているため。この距離情報を利用すると、たとえば別の場所で撮影した人物をコピー&ペーストして、前後で任意の配置に挿入するようなこともできます。
従来は『Photoshop』を使わなければできなかったような、後からフォーカスやぼけを調整する作業が簡単にできるようになったのはスマートフォンの進化を感じさせます。カメラの基本機能はいずれも充実してきましたが、撮影者の技術を補うこうした機能の有無が、スマートフォンのカメラ機能で差をつける要素として注目できそうです。
※記事のすべての写真が表示されない場合はガジェット通信をご覧ください。
http://getnews.jp/archives/671696
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