最近、プロレス観戦をする女子が急増中。その数はプロレス全盛期とされる90年代よりも多く、イケメンレスラーの試合はもちろん、その入場シーンやマイクパフォーマンスに夢中になる人も多いのだとか。とはいえ、試合を観て楽しむポイントが分からなかったり、会場に行くハードルがまだまだ高いのも確かなのでは…。
そんなプロレスに興味があっても二の足を踏んでいる女子に向けて、業界最大手の新日本プロレスの観戦ガイドブックとして『もえプロ 女子のための”萌える”プロレスガイドブック』がPARCO出版から刊行されました。著者は実況アナウンサーとして活躍中の清野茂樹さん。
2014年8月29日には、東京・吉祥寺のパルコブックセンターにて清野アナと『G1 CLIMAX 24』に優勝した”レインメーカー”オカダ・カズチカ選手が握手・サイン会に登場。ここにも女子ファンが多数詰めかけました。
今回、その清野アナとオカダ選手にインタビューを敢行。本の内容や女子ファンが増えていることについてお話をお伺いしました。
ーーオカダ選手、まずはG1優勝おめでとうございます。心境を改めてお聞かせ頂ければと。
オカダ・カズチカ(以下・オカダ):G1はもう、すごい前に終わったような感じですね。次のビッグマッチも決まっているので。今は(IWGPヘビー級挑戦が濃厚な年明け1月4日の)東京ドームに向けて、という感じです。
ーーそんな中、清野アナの『もえプロ』の撮影会・握手会に登場することになったわけですが。女子がかなり集まっていました。
オカダ:そうですね。ほんとうに女の人のファン、増えていると思います。でも、最初イベントをやりはじめた時、集まるのはほとんど男の人だったんですよ。スタッフにも「オカダさん、あまり女性ファンいないんですね」と笑われるくらいで。それが最近ではイベントや会場でも女性が増えていて、以前とは雰囲気が違うと思います。
ーー清野アナから見て、新日本プロレスの試合会場に来る女子ファンの特徴や、これまでの男性プロレスファンとの違いはどこになるのでしょうか?
清野茂樹アナ(以下・清野):会場に来る女性はほんとうに増えています。特に独身女性はフットワークが軽いというのがありますよね。遠征を見に来るという人は女性の方が多い。男性で地方まで歌舞伎を観に行く人はそうそういないですけれど、女性は結構いるのと同じだと思います。
ーー観劇に行くのと、例えば福岡でゴールデンウィークに開催される「レスリングどんたく」を見に行く感覚が近いのかもしれませんね。
清野:あと、如実に違うことは、会場のリングサイド。ほとんど女性なんです。より「近くで見たい」という欲求が強いんでしょう。彼女たちは特にレスラーの顔を見ていますよね。「やられる顔がいい」とか、オカダ選手の見下した表情がいいとか。
オカダ:リングサイドで控えているところの写真をよく撮られます。外道さんと喋っているところとか、『Twitter』でタグづけされますね(笑)。
ーー女性ファンで、選手のブログや『Twitter』を必ずチェックするという人が多いようですが。
清野:やはりブログや『Twitter』をはじめたことによりファンが増えたというのはありますね。特に『Twitter』は新日所属のほとんどの選手がやっているので。私はプロレスラーを自分からはフォローしない主義ですけれど。
オカダ:何でですか?(笑)
清野:フォローされたならする、という…。気を使っています(笑)。フォローしていない選手のツイートもちゃんと見ていますよ。
オカダ:女性のファンは、レスラーの誰が誰をフォローしているのか、結構見ているじゃないですか。僕がフォローした時にその人のフォローが増えるようなこともありますし。
清野:そういえば、CHAOSからBULLET CLUBに(ユニットが)変わった高橋(裕二郎)選手、まだフォローしていますよね?
オカダ:今更外すのもどうなのかな、と思って…。でも、いい機会だから外しておきますか(笑)。
ーーそれに気づいたファンの反応が気になります(笑)。女性ファンは、選手が何をしているのか、試合だけでなく常に一挙手一投足に注目している印象があります。
清野:女性にリサーチしてみると、プロレスを見るきっかけになるのは選手ですね。その人間がどういう人なのかに興味を持っている。例えばオカダ選手ならば、メキシコでデビューしたといったことよりも、どんなものを食べているとか、どんな車に乗っているとか、そういったことに関心がある人が多いです。
ーー選手のパーソナリティーによって、プロレスファンになるケースが多いということですね。
清野:試合を観戦するというのは、やはりハードルがあるんです。プロレスは勝手に見て勝手に覚えろ、というところがあって、はじめて見る人には難解な部分がある。2対2のタッグマッチという試合があるということも知らない人にとっては、試合の意味がぜんぜん分からないというのも当然だと思います。だから、繰り返しになりますがとにかく人に興味を持ってもらうことですね。あとは試合前の入場は(ルールなどを)知らなくても楽しめる、ということを本では強調しました。
ーーなるほど。そういうライトなファンが増えている中、選手の立場でイベントなどでコアなプロレスファンを相手にするのと違うことがあるのでしょうか?
オカダ:今回みたいな撮影会では、結構分けています。プロレスファンの人にはいかにもレスラーという顔にしますが、女の人に「笑って」みたいに言われたら笑うとか…。
ーーそれが”レインメーカー”というポジションやイメージにそぐわない、ということにはならない?
オカダ:最初はそうだったんですけれど、アメリカから帰ってきてもう2年以上になって、そのイメージが崩れている部分がある。笑ったりするところも出てきているので「いいのかな」と。(試合など)やる時はしっかりやっているので。
ーーでは、今回のような”萌え”にフォーカスするのもアリだと。ちなみに、ご自身で”萌えポイント”はどこだとお考えなのでしょう?
オカダ:”萌えポイント”……。外道さんですかね(笑)。外道さんがBULLET CLUBにやられているところとか、よく「かわいそう」みたいに言う人もいるんですけれど、「この人、レスラーだよ」と(笑)。
ーー邪道選手とのタッグで数々のベルトを巻いた名選手なのに…(笑)。
オカダ:まぁ、自分がきっかけで外道さんの昔の試合を見て「この人すごい!」となれば、それはそれでいいんじゃないか、と。
ーーそのようなコアな見方をするためには、今回刊行されたようなガイドが必要かもしれませんね。
清野:何も知らない女子にとってのプロレスは、旅行先で例えるならばアメリカやイギリスでは決してなくて、エルサルバトルとかの秘境だと思います。エルサルバトルに行くにはガイドブックが必要じゃないですか。知らない海外に行く時に必要なように、プロレスを理解するためのガイドブックがあればいい、というのが企画したのが『もえプロ』です。本では選手をきっかけに、観戦回数によってポイントを挙げていて、より深くプロレスを好きになってもらえればいいな、と思っています。
ーー本では観戦経験1回、2回、3回以上に分けて、それぞれ観戦のポイントを挙げていますが、今後それ以上のディープな女子ファン向けに続刊を出すお気持ちもありますか?
オカダ:『もえプロ2015』が必要になるんじゃないですか?
清野:ユニットや軍団が変わるかもしれないし、改訂版が必要になるかもしれませんね。『もえプロ』では観戦3回以上のステップ3までまとめましたが、新たにステップ4からはじめるというのもひとつの手段だとは思います。
ーーそのためには、今以上に新日にファンが集まって盛り上がりを見せることが大事になってくると思います。それこそ清野アナにも女性ファンが付くくらいに…。
清野:いやいや、僕はないです(笑)。プロレスの世界で裏方が目立つのは違うと思っているので…。でも、会場で「いつも(中継を)観てます」と女性から声をかけられることは増えてますね。
ーーそういうファンがさらに増えるといいですね(笑)。最後に、オカダ選手から女子ファンがさらに増えるために、やってみたいことなどがあれば、お聞かせ頂ければ、と。
オカダ:そのあたりは…。特にありません。
ーーですよね…。お忙しいところありがとうございました!
清野アナウンサーの著書発売決定! 『もえプロ 女子のための“萌える”プロレスガイドブック』!!(新日本プロレス公式サイト)
http://www.njpw.co.jp/news/detail.php?nid=12119 [リンク]
オカダ・カズチカ選手『Twitter』
https://twitter.com/rainmaker_chaos
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