エイズ、結核と並び世界三大感染症のひとつとされるマラリア。世界保健機関(WHO)によると2012年の患者数は2億700万人で、約65万人が命を落としています。その被害者の約8割はアフリカに暮らす5歳児未満の子どもで、1分に1人死亡している計算になります。未だに有効なワクチンが開発されておらず、死亡に至らずとも脳損傷が残る可能性もあり、怖い病気であることは間違いありません。
日本でもマラリアは第一次・第二次世界大戦中や戦後に大流行したものの、現在では海外渡航者が毎年数百人感染するのみ。特に若い世代にはなじみのない病気となっています。
そんなマラリアの怖さを体験してもらうためのプロモーション『FEEL MALARIA promotion』を、NPO団体『マラリア・ノーモア・ジャパン』がマラリア原虫が発見された日でもある8月20日に実施。その時の模様をおさめたウェブムービーが公開されています。
『YouTube』で観られるのは、フルバージョン(2分33秒)とショートバージョン(1分33秒)。前者にはギニア出身のタレント、オスマン・サンコンさんも登場しています。
FEEL MALARIA on World Mosquito Day in 2014(Full ver.) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Cc2d2exiksk
FEEL MALARIA on World Mosquito Day in 2014(Short ver.) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=t7xQcPQ6Ssw
東京と大阪の街で敢行された『FEEL MALARIA promotion』。オレンジパーカーの怪しげな男が通行人に忍び寄って、何かを背中に付けて去っていきます。派手な色で目立つ格好にもかかわらず、多くの人はそれにほとんど気づかず……。
パーカー男が貼っていたのは、マラリア蚊を模したシール。そこには「このシールぐらいマラリアの感染は気づきにくい。1分に1人のイノチを奪うマラリアの根絶に、あなたの力を」というメッセージも入っています。
いつの間にか刺されて感染しているということを実感してもらうために、貼られたことを悟られないのが絶対条件。パーカー男はキャッチの経験者に依頼し、見事にそのスキルを発揮したとのこと。
もちろん、それでおしまいではなく、貼られた人を追いかけていき事情とマラリアの怖さを説明。一様に「全然気づかなかった」「このくらいのことで感染してしまうというのは怖い」と実感した様子でした。
プロモーションに協力したサンコンさん。新橋駅前で通行人にマラリアの怖さについてボードを使って話しかけています。その隙にあのパーカー男が! 当然貼られたことに気づかず、「今刺されたヨ」と種明かしをして相手を驚かせます。
2年前に姪をマラリアで亡くしているというサンコンさん。「はじめ近所の小さな病院ではマラリアと診断されず、症状が悪化して大きな病院に連れて行った時にはもう手遅れだった」といい、「この運動で、マラリアが絶滅すると思うんですね」と日本でマラリアのない世界を目指す団体があることへの喜びを語ります。
現在でも怖い感染症であることには変わりのないマラリア。最近も東南アジアでマラリア治療の特効薬とされるアルテミシニンに耐性を持つ原虫が急速に拡大しているという報告があるなど、従来の対策では不充分であることが指摘されています。世界的に公衆衛生対策の最重要課題のひとつであることは間違いなく、今回のキャンペーンやウェブムービーがその怖さを日本人に再認識させるという役割を果たした意味は、決して小さくないのではないでしょうか。
Malaria No More Japan(マラリア・ノーモア・ジャパン)
http://www.mnmj.asia/
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