今回は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
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※この記事は2014年07月28日に書かれたものです。
■時事論評・・・温帯の日本が熱帯より暑い?!(中部大学教授 武田邦彦)
7月下旬の日本列島の暑さは相当なもので、7月25日には名古屋38℃、大阪37℃、そして東京36℃でした。梅雨明けと言っても、かつてなら8月15日過ぎの残暑で記録されるような気温です。
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ところが、奇妙なことにその日の「世界の主要都市の気温」を見ると、赤道近く砂漠のカイロが34℃だった以外は、30℃を超えているところはなく、ジャカルタが26℃、ホノルル26℃、ロスアンゼルス22℃でした。つまり東京から福岡にかけての日本の都市が「世界でもっとも高温」だったのです。この状態はここ数年続いています。
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「地球が温暖化している」のではなく、「地球の気温は変わっていないけれど、日本だけが猛暑」という状態なのです。頭を切り替えなければなりません。地球温暖化で猛暑がきているのでしたら、日本だけが暑いなどということはないからです。
これに対してNHKや日本のメディアは、以前ほどではありませんが、基本的には「温暖化が原因」としていますし、多くの日本人も「温暖化で暑いのだな」と思っています。でも、それは間違いであることは明らかです。
1. 最近、17年間「世界の平均気温」は上がっていないこと(気象庁のデータですが、メディアは具合が悪いので報道していません)。
2. 世界で日本だけが暑いこと
これに対して、この17年間、政府、メディア、専門家、自治体は繰り返し、「これから温暖化で暑くなるから、みんなで協力してCO2を減らそう」と呼びかけ、個人生活で節約させるばかりではなく、CO2の発生が少ないからと太陽光発電、電気自動車、省エネ家電などに膨大な税金を投入しました。CO2の排出権取引もいれるとすでに20兆円の国民のお金を使いました。
何のためにCO2を削減してきたのでしょうか? もちろん、地球温暖化を防ぐためです。それなのに、「地球温暖化は進まず、日本だけが暑い」という奇妙な結果になり、その結果、国民は熱中症になり、エアコンを購入し、高い電気代を払い、さらに増税されるということになったのです。無知や錯覚は、それに付け込んで儲けようとする人がでるのは世の常ですから、温暖化という錯覚にとらわれれば損をするのは当然でもあります。
なぜ、地球が温暖化しなかったのかというと、各国がCO2を削減したからではなく、CO2の排出量は中国などの発展で増大したのですが、温暖化とCO2には関係がなかったからです。つまり、政府や専門家、メディア、自治体は「ウソ」をついてきたということがすでに17年間でわかっているのです。「気温」というのは科学的なデータですから、17年間の実験ですでに「CO2と温暖化は無関係」ということが「実験的」に証明されているのです。
もし、政府、メディア、専門家、そして自治体が「国民や視聴者に対して誠意があれば」、「私たちはCO2が温暖化の原因と錯覚して、皆様のお金を無駄に使い、節約をしてもらい、挙句の果てに気温は上がって暑さに苦しむことになりました。指導者としては実に申し訳ないことをしました」と謝るのが日本人というものです。
しかし、私はこの「過ち」は「許せない」部類に入ると思います。というのは、確かに1990年代に世界で「温暖化を防ぐためにCO2を減らそう」という考えがあったことは確かですが、実際にCO2を削減する政策を実施したのは日本だけ(マイナス6%)で、そのほかの国は削減をしていないのに「世界中が削減している」というこれもウソの情報を流し続けたのです。
でも、日本人には一つの「よい性質」があります。それは「ウソだと思っても、政府、メディア、専門家、自治体のいうことは正しいと信じ、それに意義をとなえる方をバッシングする」という「トラの衣を着るキツネ」の性質を持っているのです。
かつての日本人は「判官びいき」といって、悲運に泣いた源義経を好きになるという時代もあったのですが、今では、すっかり「長いものに巻かれて、その尻馬につき、弱きものをバッシングする」というのが得意技になったのです。特にネットで罵る人たちの大半が、「偉い人が言ったから正しい。お前は間違っている」と怒鳴り散らしています。
先ほど、書いたように温度は科学のデータの一つですから、17年間、平均気温が上がっていなければ温暖化はしていないのですし、日本人がCO2削減で努力してきた責任はだれにあるのか、はっきりすべきです。
現在の社会には「平然と嘘をつく」人が多く、それも政治家、メディア、専門家、自治体の人などに多いのは実に残念です。暑くて病気になっている人が多いのですから、これまで温暖化を主張し、CO2の削減を言ってきた人は、まずは謝り、次にそれほどの実力があるなら、ここ数年の暑さの原因を説明し、なぜ見当違いのことをさせて被害を拡大したかを解説し、頭を下げ、これからどうしたらよいか、自分の責任はどうしてとるかについて早急に明らかにするべきです。
執筆: この記事は武田邦彦さんのブログ『武田邦彦(中部大学)』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年08月25日時点のものです。
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