日本の伝統芸能の一つである落語を、世界に広めるべく活動している日本人がいる。無謀にも思える試みに挑んでいるのは、戸田有紀さん。“世界を落語で繋ぐ”と銘打ち、浴衣と下駄、扇子を携え、ひとりで世界へ飛び立った。
「世界を落語で繋ぐ」
https://www.facebook.com/tabirakugo
戸田さんは一年間で39カ国を巡り、現地の人々と交流。日本の落語を披露しつつ、海外の落語(正確には落語に似たジョーク)を集めて回り、7カ国(韓国・中国・ベトナム・カンボジア・モンゴル・チェコ・ポーランド)で、「現地の落語の収集」に成功したという。以下の動画では、日本の落語のスタイルを踏襲しつつ、現地の人に地元の言葉で小話をやってもらっている様子がわかる。
「【ベトナム語落語】ベトナム人にベトナム語でベトナムの小話をやってもらいました」
http://youtu.be/N3yDV_pFPvk
言葉の壁を感じながらもタイトなスケジュールをこなし、2014年5月に戸田さんは一旦帰国。「思ったような成果は出しきれなかった」という。
一人の限界を感じ、今度は仲間を連れて戸田さんはベトナムへ旅立った。
8月9日、10日には世界遺産の町・ホイアンで"日本祭"が開かれる。今回はそこにターゲットを合わせ、8月4日~8月14日の約10日間、南部ホーチミン、北部ハノイまで周って、自分たちで落語の実演をやるという。
それだけでなく現地のジョークを集め、落語に昇華させた上で、それを現地の人々に演じてもらう計画だという。
戸田さんが最終的に目指すところは、「落語を通して"日本と表現"について学べる場をベトナムに創ること」。そして、将来、「ベトナム人初の落語家を生み出す」ことも見据えている。
戸田さんは現在『READYFOR』というクラウドファンディングサービスでも協力を呼びかけている。こちらは一口3000円からの支援が可能となっており、協力した人にはもれなくベトナムの美しい景色が収めれられたポストカードセットが送付されるそうだ。
日本は世界に類を見ない正座をする国で、コメディーのスタイルとして正座をしながらというのは間違いなく日本の落語に限定されます。落語は観客の想像力によって無限に膨らむ話であり、座布団に正座という板付きの状態で行われるこの演芸は、余白を美とする日本ならではの表現法があると考えました。
これを海外に出て0から起ち上げてみたら面白いのでは……? と思って始めたのがこのプロジェクトのきっかけです。(本人コメントより抜粋)
落語という日本語を主軸とした芸能を海外で広めるというのはたやすい事ではないだろう。こうした働きかけがどのような実を結ぶのか、見届けたいところである。
「落語を通して日本や表現を学べる場をベトナムに作ります」『READYFOR』
https://readyfor.jp/projects/worldrakugo
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