佐武宇綺さん、村田寛奈さん、吉井香奈恵さん、川島海荷さん、西脇彩華さん5人からなるパフォーマンスガールズユニット9nine（ナイン）。アニメ『マギ』の主題歌にも起用された『With You / With Me』や、『Re:』などヒットシングルが収録されたニューアルバム『MAGI9 PLAYLAND』がついに発売となりました。

この夏には念願だった武道館公演も決定し、さらなる注目を集めている9nineですが、メンバーの佐武さんは『HUNTER×HUNTER』、『それでも世界は美しい』などアニメの声優としても活躍中。7月からシーズン2の放送を控える『スペース☆ダンディ』ではポンコツロボット「QT」役に起用され、キュートな声を聴かせてくれました。筆者個人的にも大好きなキャラクターで、シーズン1の第13話「掃除機だって恋するじゃんよ」は涙無しでは見られませんでした。

そんな、アーティスト活動のみならず声優としても活躍する佐武さんにインタビューを敢行。新アルバムへの想いや好きなアニメの作品についてなど、色々とお話を伺ってきました。

――ニューアルバム『MAGI9 PLAYLAND』がついに発売となりましたね。カッコイイ曲、踊れる曲、切ない曲、バラエティ豊かな楽曲が収録されていて、“PLAYLAND”というタイトルがピッタリだなあと思いました。

佐武：ありがとうございます！　私としてもズバリ9nineの名刺代わりの一枚になったと思っています。バラエティ豊かでありながら、9nineらしい一本筋が通った一枚になり嬉しいです。「Evolution No.9」というダンサブルな楽曲があるのですが、そこから9nineの音楽性が固まってきたなという手応えがあって。これまでの9nineって「王道J-POP」と呼ばれる楽曲が多かったんですね。でも、「Evolution No.9」からはファン層が広がっていったんです。「こういう楽曲が同世代の女の子にも響くんだな」って。

「Forget-U-not」という曲では初めて生演奏で録音をして頂きました。バイオリンとかギターとか生音だとやっぱり音の染み渡り方が全然違うんだなあって感動しました。後は全体的に高音が決め手の曲が多く、声が出づらい時は、力を入れる為に小さい椅子に片足を乗せて……ちょっと変な体制で歌っていました（笑）。

――そんなレコーディングの様子を想像しながら聴くのも一興ですね。今日着ている衣装、ジャケットのアートワークもクールな感じで、女の子が真似したくなる様な格好良さで、私も大好きです。

佐武：これまでは可愛らしかったりシンプルな衣装が多かったので、ここまでファッショナブルなのは初めてです。アートワークも、周りの背景が宇宙っぽくて、タイトルのイメージにピッタリですよね。

――一緒に盛り上がれそうな曲も多くて、ライブで聴く日が今から楽しみです！

佐武：去年の舞浜アンフィシアターのライブから「9nineはライブが楽しいアーティストだね」と言われたいという気持ちが、メンバーにもスタッフさんにも強く芽生えて、演出をすごく凝る様になりました。今アルバムの楽曲の振り付けをしている所なのですが、振り付けが決まって改めて完成するアルバムだなぁと。一緒に手をあげたり、踊ったりみんなで楽しみたいです。

――8月21日には念願の武道館公演を控えていますね。

佐武：9nineに入ったばかりの頃、体力作りの為に皇居の周りを走っていたんです。いつも外を走っていた場所の中で歌う事が出来るというのがすごく嬉しくもあり、まだ実感も出来なくもあり……。いつも応援してくださっているファンの方にとってもすごく大事なステージになるとは思うのですが、私としてはこれがゴールじゃないって思っていて。アルバムにも入っている「Re:」という楽曲の「できるよさあここから」という歌詞と心情が重なっています。

――デビュー当時の思い出の場所でライブ。忘れられない一日になりそうですね。そして、ここからスタート。楽しみにしています。佐武さんは声優としても活躍されていますが、『スペース☆ダンディ』のQTは大好きなキャラクターなんです。7月からまたQTに会える事が楽しみで仕方ないです。

佐武：初めてのレギュラーで諏訪部順一さん、吉野裕行さんをはじめ、素晴らしい声優の方々とご一緒出来た事が本当に嬉しいです。

――ずっと年上の諏訪部さん、吉野さんと佐武さんの3人のやりとりがとっても微笑ましくて可愛くて、たまりませんね。

佐武：諏訪部さんが私のお母さんと同い年なんです！　なので本当に色々と教えていただきました。初めてのレギュラーで分からない用語もあって、技術で求められる部分が多いし、そんな時諏訪部さんがいつも優しく教えてくださいました。諏訪部さんが愛飲している、喉に良い中国のハチミツの様な液体があるのですが、私にもくださって、とっても喉が潤うのでアフレコの前やライブの前に飲んでいます。子供の頃からずっとアニメを観て育ってきたので、声の仕事はしたいとずっと思っていたので、そうした先輩方に直接色々な事を教われる機会に感謝しています。

――子供の頃はどんなアニメが好きだったのですか？

佐武：たくさんありますが、特に「撲殺天使ドクロちゃん」が大好きで、小学生の頃に夢中になっていました。

――撲殺天使ドクロちゃん！　なかなかツウ好みの小学生だったのですね（笑）。影響を受けたり、好きだった声優さんはいますか？

佐武：平野綾さんです。声優でありながらアーティスト活動もしている平野さんを見て、いつか私もアニメの仕事をしたいなぁと思っていました。声優の世界って、どんなに有名な方でもオーディションを受けたり、アーティストの世界とは違う厳しさがあってとても勉強になります。

――QTはロボットだけど人間らしい所がある難しいキャラクターだったと思うのですが、佐武さんの声がピッタリあっていて、特に「掃除機だって恋するじゃんよ」は可愛くて切なくて、大好きなお話です。

佐武：ありがとうございます！　メーカーさん役が平野綾さんで、相手役として共演できたことは本当に感激でした。

――これからも色々な作品に出る事をとても楽しみにしています。観る側として、今気に入っている作品はありますか？

佐武：今クールのアニメですと、『蟲師』がすごく好きです。原作ファンが多いので、すごくプレッシャーがあったと思うのですが、長濱監督の蟲師に対する愛が出ていますよね。後はレギュラーがギンコさん一人で、毎回ゲストを迎えるというところが『スペース☆ダンディ』にも似ていて、面白いなと思っています。

後は『一週間フレンズ』や雨宮天さんが歌う「奏」を聞くだけで泣けちゃうので、音楽って大事だなあと思います。だからこそ、9nineが『マギ』の主題歌を担当させていただいた時はすごくプレッシャーで。『マギ』のストーリーが佳境に入っていく中、世界観にあうようにMTGをたくさんしました。放映後、Twitterで皆さんの感想を検索したのですが、好評だったのでほっとしました。

――それこそ『マギ』の主題歌『With You / With Me』で9nineを知った方が、『MAGI9 PLAYLAND』を聞いて他の曲9nineの世界を知っていく。そんな素敵な流れが生まれるのが楽しいですね。

佐武：アーティストの活動も、声優のお仕事もまだまだ勉強する事ばかりですが、ぜひ皆さんに一度聴いていただいて、“9nineマジック”にかかってもらいたい、そんな想いでいっぱいです！

――今日はどうもありがとうございました！

9nine「MAGI9 PLAYLAND」（初回生産限定盤A）SECL1515～6