日本マイクロソフトは、Production I.G制作のアニメ『翠星のガルガンティア』とコラボレーションした3Dウェブゲーム『翠星のガルガンティア~キミと届けるメッセージ~』を6月18日14時に無料で公開しました。同ゲームは、ブラウザで何ができるのかをデモンストレーションするマイクロソフトの『Rethink』プロジェクトで、初めて日本発のコンテンツとして企画されたもの。開発者向けに、一部のソースコードと3Dモデルも同時に公開されています。
『翠星のガルガンティア』は、2013年4月から6月まで放送されたオリジナルSF冒険活劇アニメ。続編のOVA『翠星のガルガンティア~めぐる航路、遥か~』も2014年9月に前編、2015年4月に後編のイベント上映が予定されています。
『翠星のガルガンティア~キミと届けるメッセージ~』は、アニメ本編の5話から6話にかけての時系列を舞台にしたサイドストーリーとして制作。仕事探しをする主人公・レドが、サーフボードとハンググライダーの中間の乗り物“サーフカイト”を使ったメッセンジャーの仕事に就くという設定でストーリーが展開します。
村田和也監督が全面的に監修し、本編スタッフの谷本大四郎氏がシナリオを書き下ろし。ストーリーモードでは本編と同じ声優によるフルボイスを収録しています。ユーザーが選んだ選択肢で展開が変わるマルチエンディングのシステムを採用。6月18日には「MISSION 1」が公開され、「MISSION 4」までが順次公開される予定です。
ゲーム本体は、サーフカイトで船団都市“ガルガンティア”の上空を飛び、制限時間内にターゲットを通過していく3Dアクション。キーボード操作にも対応していますが、『Internet Explorer 11』のタッチ操作に最適化されています。ウェブ標準のWebGLを採用しているので、『Internet Explorer 11』以外にもWebGL対応のブラウザで動作が可能。
発表会場には『Surface Pro 2』が置かれ、タッチ操作で試遊することができました。トゥーンシェーダーなどを活用してリアルタイムレンダリングされるグラフィックは美しく、雲の動きや船の航跡など細かい部分まで丁寧に表現されています。これがプラグインなど特に入れていない“素”のブラウザで滑らかに動いているのが驚き。
フライトシミュレーターの要素もあり、左右に旋回すると揚力が低下して高度が下がる、という細かい挙動もリアルに再現されています。これは監督のこだわりで入れた要素なのだとか。「フリーフライト」のモードでは船団都市の上空を自由に飛びまわれるので、作品ファンはその世界観にどっぷり浸ることができるのでは。
『翠星のガルガンティア~キミと届けるメッセージ~』
http://fly.gargantia.jp/
このゲームは、オープンソースの3Dゲームエンジン『Turbulenz Engine』を用いて開発。同エンジンは、WebGL、Web Audio、Gamepad、WebSocketsなどのHTML 5 APIをひとつにまとめたパッケージとして無償で提供されています。
Turblenz Engine
http://github.com/turbulenz/turbulenz_engine
マイクロソフトはゲームの一部のソースコードと3Dモデルを公開。3Dモデルを含むコード以外の素材はクリエイティブ・コモンズの表示-非営利(CC BY-NC)ライセンスで公開されているので、非営利であれば改変して続編や別バージョンを制作・公開することもできます。アニメ原作のゲームの派生作品を公認で作れるという点で、注目できる取り組みですね。
『翠星のガルガンティア~キミと届けるメッセージ~』ソースコード
https://github.com/turbulenz/gargantia_editor
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