今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■続々々々・日本企業は効率が悪いのか(メカAG)
会社は年寄りが牛耳っているから、意思決定も遅いしセンスも古臭いんだという。年寄りを追い出して若者に運営させれば、すべてが夢のようにうまくいく。そんなことを思っている人が多いけど、ホントにそうなるかね?
センスというのは現場にいるから磨かれると思うんだよね。学生も社会人になって学生の身分を離れると、だんだん現役の学生の動向に疎くなっていく。日常的に学生と交流してれば、違うだろうけどね。
同様に現場にいるからセンスは磨かれるのであって、現場を離れてしまうと徐々に遅れを取るようになる。これは年齢というよりも現場との距離の問題だと思う。若者でも現場を離れればやはり疎くなっていくだろう。
* * *
意思決定の遅さは、これは会社の仕組みの問題であって、仕組みが現状のままなら若者がやろうが同じ。というか若者には耐えられないと思う。だって現場の仕事の方が絶対面白い(笑)。そもそもやりたいかね。
錯覚してると思うんだよね。現場の仕事と管理の仕事の両方はできない。現場にいるから「こうした方がいい、ああした方がいい」という要求が思いつく。んでそれを決定する権限も自分が持てば、好きなようにできるというイメージなのだろうけど、それは無理というもの。
だってなんで意思決定が遅いかというと、つまるところ会社の金をどの仕事にどれだけ使うかを決めるためだ。だから会社全体を見ていなければ決定できない。決定に参加する資格がない。
* * *
1つの現場の仕事をやりながら、会社全体の仕事にも目を配るというのは無理だよね。会社の中でその仕事がどのような位置づけを持っているかを考え、それによってどれだけの金を割り当てるかを決める。自分がいまやってる仕事に会社の金を湯水のごとく投入していいわけがない。
となると現場の仕事か管理の仕事かの2択になるわけで、どっちがいいかといえば、現場の仕事だろう。管理職は決定はできても自分でそれを満喫することはできない。ある意味虚しい(笑)。
むろん両方の仕事に長けている人間も時々いる。現場の人間を上手にリードしつつ、経営陣への訴求力もある人間。そういう人は出世する。それは現状も同じ。でもあたりまえだけどそういう優秀な人間はそんなに多くないし、若者なら誰でもできるなんてことはありえない。
年寄りを追い出せば、そういう優秀な若者がいくぶん出世しやすくなるかもしれない。でもそういう人間って、別に出世しなくても優秀なんだよね。というか出世しなくても優秀な人間が、追認として出世するわけで。
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ということで年寄りを会社から追い出して若返りを図っても、無能な年寄りの上司がいなくなって、無能な若者の上司が代わりに登場するだけって可能性も高いと思うのだが…。
若者をたくさん管理職に登用してしまうと、現場から優秀な若者がいなくなっちゃうよね。それはそれで困ると思うんだけどね。
若者主体の小さな会社を作るというなら、いいと思う。それなら現場と管理職の距離も短いし、組織がシンプルなら意思決定も早くできる。大規模な会社がやっている仕事で、その必然性がないものだってあるだろう。そういう仕事を小さな会社に移すというのは、悪くないと思う。でも大規模な会社でないとできない仕事もたくさんあるから、なんでもかんでも大会社はダメというのは無茶というもの。
またこれも何度も言ってることだけど、若者中心の小規模な会社、いわゆるベンチャーも10年、20年経った時どうすんの?という問題はある。
そう考えると、わざわざ若者がつまんない仕事(管理の仕事)をやるよりも、若者は現場の仕事、年寄りは管理の仕事と分業するのがいいと思うんだけどね。
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最新の開発環境を導入したい。そうすれば毎回くだらない手間で時間を取られずに、どんどんプログラムを作ることができる。なのに頭の硬い上司がYESと言わない。俺が管理職になれば…。
でも管理職になったら自分ではせっかく導入したツールを使えないんだよね。むしろ他の部署との金の配分ばっか考えなければならない。その辺勘違いしてる人が多いんじゃなかろうか。
自分の部署のために金を使うということは、当然割を食う部署がある。若者がサクサク意思決定するのはいいけど、なんで自分に都合のいい要望だけがサクサクと通ると思うのだろう。割を食うのが自分の部署になって、サクサク削減されることだってあるだろう。それでいいの?と。
執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年06月13日時点のものです。
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