休日にチョロっと遊ぶ趣味としては安価で手軽な割には奥が深い「麺作り」にハマってしまって、唯一困るのが
「日常的に麺が余る危険性」
かと思います。筆者の場合は半端ない種類のラーメンスープをストックしてはいるのですが、いかんせん「ラーメン」の域を出ないので一週間も続くと他の物が食べたくなります。
しかし、冷蔵庫の野菜室には可愛い「自家製麺」が眠っているので、それを無視して他のメニューを食べる訳にもいかず、結果として気が付けば「今週はラーメンしか食べていない」みたいな事態になったりもします。
そこで今回はチョイとラーメンを忘れるメニューを紹介してみましょう。言うても「油そば」でもなく「つけ麺」でもなく「まぜそば」でもなく「焼きそば」でもありません。無論、焼きそばと米的な何かの「そばめし」でもありません。
『からそば』
若干、まず『からそば』とは、なんぞやって所から話を始めなければならないでしょうか?『からそば』は沖縄県石垣島の発祥で歴史は古く50年くらい前には食べられていたとの事。作り方は簡単で
『八重山そば』の袋に鯖の味噌煮缶をぶっこむ!
と言う、恐ろしいほどに簡略化された調理法。ちなみに『八重山そば』は沖縄そば的な何かと思って頂ければ幸いです。コイツのビニール袋に鯖の味噌煮缶をブッこんで揉みほぐし、箸がなければ素手で食べる勢いらしいです。あとシーチキンとかの缶詰でもイケるらしいです。
恐るべし、石垣島・・・
と、言う訳で『八重山そば』さえ手に入ればどうとでもなるメニュー。製麺マニアとしては、麺から作らざるを得ないでしょう。そんな感じでなんとなく『からそば』を作ろうと思った訳ですが、いかんせん『八重山そば』とかコッチで売ってないですし、冷蔵庫には自家製麺が余っているので、ソイツを使ってどうにかこうにか再現するのが良いでしょう。
【 材料を揃える 】
有り余っている自家製麺(無ければ市販の麺でも可とす)
鯖の味噌煮缶・・・1個
以上!確実にオリジナル重視ならば『八重山そば』ありきのメニューですが、いかんせんスタート地点が余っている自家製麺を使ってエンジョイしようって方向性なので、そこら辺は柔軟な対応が望まれるところです。なので、自家製麺が有り余っていない普通の人は、近所のスーパーで生中華麺を買っても正解かと存じます。
【 麺を茹でる 】
麺を茹でる為に鍋に湯を沸かします。本来、麺が袋に入ってから鯖の味噌煮缶がINされるのですが、時間を有効に使う為に、今のうちにビニール袋に鯖の味噌煮缶をブッこんで、ある程度揉みほぐしておきましょう。
茹で上がった麺はさっと水道水で洗って麺のヌメりを取りましょう。麺も適度に締まるのでオススメです。また、ここもオリジナル重視の場合は、一度茹でた麺を洗って油をまぶして冷ますのが正解ですが、わざわざ茹でたての麺の味を落とす必要性がないので、茹で置きしない方向で美味しく頂きましょう。
あと、筆者の場合は「酒のツマミ要素」も重要視しているので、自家製麺をチョイとハサミで切って食べやすくしておきました。無論、最低限「麺」と名乗るだけの長さを残しつつも、すすらないでも食べれる絶妙な長さで切るのは言うまでもありません。
【 ビニール袋の中で鯖の味噌煮缶と麺を揉みしだく 】
揉みほぐしても、揉みしだいても良いのですが、とりあえず石垣島に敬意を表して、わざわざビニール袋でモミモミします。なんならボールでも良いし、盛り付ける器で混ぜればいいじゃないと思ってしまうでしょうが、ココを省略してしまうと『からそば』ではなく「ただの鯖味噌ぶっかけ麺」的な何かになってしまうので、ビニール袋は必ず使って下さい。
【 食べる 】
完成したら食べるのみです。写真を撮る為に器に盛ってみましたが、普通にビニール袋から直に喰うのもアリらしいです。確かに屋外で弁当的な要素で食べる場合は、ビニール袋からの方が良いでしょう。まあ、酒のツマミの場合は片手にグラスを持っているので、皿に『からそば』を盛ったほうが食べやすいですね。で、気になる味のほうですが
「さすがに鯖缶、ブレないぜ!!」
みたいな感じで「鯖の味噌煮缶以上でもなく以下でもない無難な味」に綺麗にまとまります。ぶっちゃけ思ったほどに美味くはなかったけど、思ったほど不味くなかった安心感みたいな味です。逆に言うと最高ではないかもしれないが、誰が作っても最低な味にはならない優れたメニューとも言えるでしょう。そして酒を飲みながらダラダラと食べ進んでいると、後半の方は麺と缶詰の汁がイイ感じにフュージョンしてくるので、単調な味に飽きる事なく、最後まで美味しく食べられるのは素晴らしいですね。
【 総評 】
『からそば』と言う未知の食べ物をネットで知った挙句、それなら家にある材料で作ろうじゃないかみたいなスタンスでしたが、思ったよりも酒に合うのでオススメです。鯖の味噌煮缶だけよりもボリュームが出るので、筆者のような貧民層には神のメニューと言っても過言ではないでしょう。つまり、
「男友達が家に遊びに来たけど出すもん何もネーヨ!」
って時はコレ。『からそば』を出しておけば間違いなしです。多分、この感じなら麺類全般イケるんじゃないでしょうか?パスタとか細めの『稲庭うどん』でも、それなりの味にはなるはずです。もっとも一番合うのは「自家製麺」(自分の好みで仕上げた麺)である事は間違いないでしょう。
ちなみに今回は家にあった「オーション加水率40%ボーメ度5、2ミリ刃、2ミリ厚」みたいな自家製麺を使ってみました。麺の太さは「沖縄そば」に近いものがあるので、オリジナルの『からそば』の雰囲気は残っていると思います。「沖縄そば=茹で置き」なイメージもありますが、向こうでも茹で置きしない店もあるので、茹で置きにこだわる必要はないでしょう。
そんな訳で誰でも手軽に作れる『からそば』を、余った自家製麺でチョイチョイ作ってみましょう。鯖の味噌煮缶の他にもシーチキンやらサンマやらイワシも合うので、自分で色々な缶詰で試してみるのも一興です。
※この記事はガジェ通ウェブライターの「YELLOW」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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