コンポストの謎(メカAG)

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

■コンポストの謎(メカAG)
家庭から出る生ごみを発酵させてゴミを減量しようというエコな動き。それは結構なことだが、できた堆肥はどこへ行くのだろうか。自分の家の庭に菜園とか作っている家はある程度それで消費できるだろう。でも限界はあると思うんだよね。都会だとそもそもそんな庭もない家も多い。使い切れない堆肥はどうするのか。

ちなみに俺の祖母はそこそこの庭を持っていていろいろ木が植わっていたので、庭の一角に穴をほって、そこに生ごみや雑草を捨てて堆肥を作っていた。コンポストなんてできる以前から。子供のころ「小便をするならそこにしろ」と言われて、せっせとしていた(笑)。

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検索してみると、家庭で使い切れない堆肥を回収する活動やっちる自治体もあるようだ。きっと市民に「ゴミの減量&堆肥化」を呼びかけたはいいが、「できた堆肥をどうすればいいのか?」という文句が来て回収する事業を始めざるを得なくなったのではなかろうか。

でもそんな手間をかけるなら、生ごみのまま回収して、自治体で堆肥化すればいいんじゃ…。

そしてなお疑問なのは、自治体が回収した堆肥は最終的にどうなるのか。契約している業者に卸して、それを農家とかに販売するのだろうか。ちゃんとニーズがあるんですかね。

検索していくと行方がはっきりしない。まあちゃんと堆肥を必要とする人々に届けられているのならいいが。一つ目に止まったのは、回収した堆肥で花を栽培して販売しているところがあった。でも穿った見方をすれば、自分たちで使い道(花の栽培)を作らないと、引き取り手がいないということではなかろうか。

それとてやっているのは土地のある地方の自治体が多いように見える。住宅が密集していて土地のない東京などの自治体は、堆肥の使い道がない。以前小金井市で市長が辞職したように。

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以前話題になった回収されたペットボトルの行方もそうだけど、本当に有効に活用されているんですかね。わざわざ手間を金をかけて使い道のない資源を回収し、しかたないのでさらに手間と金をかけて使い道を無理やり作るとか、本末転倒になってないだろうか。

エコな人たちって、プルトップのキャップ集めとか、ペットボトルのフタ集めとか、なんか「みんなで努力することに意義がある」(それが本当に環境に役立っているかは二の次)という人が多いと感じるのは俺の偏見だろうか。

循環型社会を目指すというなら、生ごみ(の堆肥)は最終的にそれを育てた畑にまで戻さなければ、リサイクは完結しないと思うんだよね。海外から輸入した作物の生ごみは、元の国に返す。そこまでやってこそ本当のリサイクルだろう。

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なんか「堆肥」にしたからもう「ゴミ」じゃなくなった。ゴミ問題は解決した、と目をそらしてないだろうか。結局、ゴミを堆肥に形を変えようが、最終的にどこかの土地に埋めるしかないわけで。コンポストを使ったからといってゴミ問題は何も解決していない。

現状はコンポストを使うエコな人たちが少ないから、まだなんとかなってるだけだろう。もし大勢の人間がエコに目覚めてコンポストを使い出したら、大量に生産される堆肥の使い道に困り、結局は捨てるしかなくなることだろう。本来なら都会で作った堆肥は、農作物を運んできたルートを逆にたどり、地方やはては海外に返さなければならないのだが。

一人一人ができる小さな努力が社会を変えていく…言葉は美しいが、実際にはすぐに頭打ちになって行き詰まってしまうものが多い。

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2014年05月14日時点のものです。

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