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生々しくて痛すぎる……あのキャラクター達のモデルは実在する? 『闇金ウシジマくん』真鍋昌平先生インタビュー

2014/05/17 16:00 投稿

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真鍋昌平

2004年より連載がスタートし、累計860万部突破した大人気コミック「闇金ウシジマくん」。2010年のドラマ化、2011年の映画化に続き、映画第二弾となる『闇金ウシジマくん Part2』が5月16日(金)より公開となりました。

舞台はもちろん、金に困り後がない客に「10日で5割(トゴ)」、「1日3割(ヒサン)」といった違法な金利で貸し付け、債務者を徹底的に追い込むヤミ金「カウカウファイナンス」。そこに、ライバルの闇金業者やヤンキー、暴走族、極道、ホスト、風俗嬢、ストーカー様々な人間関が絡み合い、極上のエンターテイメントが完成しています。

ウシジマ生誕10周年の“ウシジマイヤー”である今年。原作者の真鍋昌平先生にインタビューを敢行(2年ぶり2度目)。色々とお話を伺ってきました!

【関連記事】『闇金ウシジマくん』真鍋先生インタビュー「“なんで俺のこと漫画に描くんだ”って怒られます」
http://getnews.jp/archives/243133
[リンク]

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――今年で『闇金ウシジマくん』が10周年ということで、おめでとうございます。そして、もうそんなに経ったんだと驚きです。

真鍋昌平先生(以下、真鍋):本当にこんなに続くと思っていなかったので嬉しいですね。この10年で変わった事は、ドラマや映画になったおかげで認知されたってことが一番大きいですね。取材もしやすくなったし、交友関係も広がったし。連載を始めた頃は取材の仕方も分からなかったのが、話の聞き方とかも全部この作品を通して教わったという感じで。

――2年前お話を伺った際は「ドラマ、映画化で知らない親戚が増えた」とおっしゃっていましたね(笑)。

真鍋:最近はもっと増えました(笑)。Part2の力ってすごい。

――『闇金ウシジマくん Part2』をご覧になった率直な感想はいかがですか?

真鍋:ジェットコースターみたいな感じで、時間が経つのがあっという間でしたね。ホスト、ヤンキー、暴走族、どのエピソードもキツい話だから、それをうまくまとめたなと。脚本に少し確認させてもらっただけで、基本的には監督やスタッフの皆さんに全部おまかせしているので、いち観客として楽しみました。

――前作の映画から2年経って感じた事はありますか?

真鍋:山田孝之さん、やべきょうすけさん、崎本大海さん、久保寺瑞紀さんら「カウカウファイナンス」メンバーの関係性がしっかり出来上がっている安心感をすごく感じましたね。ファミリー感がにじみ出てる。そこに戌亥(いぬい)役の綾野剛さんが入って、ゲストが入って化学反応していくのが面白くて。

ゲストキャストは今回もすごく豪華ですけど、特に柳楽優弥さんのストーカー役には驚きましたね。後、本仮屋ユイカさんは暴力団に甘えるクラブ嬢役を演じていますが、「王様のブランチ」とは全く違うイメージなのにハマっていてビックリです。

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――ホストクラブの話を描くにあたって、どの様な取材をしましたか?

真鍋:ホストクラブは3店舗で70人くらいの人に話を聞きました。全て同じホストの方のエピソードでは無く色々と話は混ぜていますけど、「全然お客がつかなくて自分の母親を呼んだ」というのと、「母親が自殺した話を営業トークに使う」というのは実話です。とても印象に残っていて、漫画のキャラクターに使わせてもらいました。

――一方で、ホストクラブにハマり売春の道に進んでいく少女の話もとても痛々しいものでした。こちらのモデルは実在するのですか?

真鍋:よく遊んでいるライターの人がある日歌舞伎町で日記を拾って、それを見せてもらったんですね。その日記の持ち主は14歳だったんだけど、ホストクラブにハマっていて、嘘ついて風俗で働いていて。担当したお客さんの事とか、今日いくら稼いだとか、ホストにいくらつかったとか赤裸々に書いてあって。時々、その恋しているホストへの想いも書いてあるんですが、14歳でそんな生活をしていて学校も行っていないから、ホストクラブで初めて青春を経験したんだな、と。明け方の歌舞伎町って若者がコンビニの前にたむろしていたり、キャッキャ騒いでいるじゃないですか? それが学校みたいで楽しかったんだろうな。ただ、そこでの青春には莫大な金がかかったというだけで。

男の人が水商売にハマるのはその子とどうこうなりたいという性的な理由が大きいと思うけど、女の人がホストハマるのは安らぎとかトキメキといった精神的なものを求めているからだなって思いますね。

――愛沢というキャラクターも原作からとても印象的で。暴力団とかの本気のワルじゃないのに、地元ではちょっと恐れられているヤンキーみたいな、狭いコミュニティ感がものすごいですよね。

真鍋:愛沢のキャラクターのベースになった子には地方都市に会いに行って、ファミレスで色々な話を聞きました。親が教師で家が厳しくて、ちょっとした反抗心から地元の不良と関わりが出来ちゃって、逃れられなくなっちゃって。でも、自分より下の連中には威張っていられる楽しさもあって、という葛藤が。一時期渋谷の洋服屋に身を隠していたらしいんですけど、見つかって和解したと。和解って、この先ずっと不良に従って行くという事なんですけど、この時まだ19歳でしたからね、壮絶ですよ。

――19歳で一生誰かに従って生きて行くことを決めるって、そんな人生辛い……。先生は取材や、執筆中に自分も一緒に暗い気分になったり辛くなってしまう事は無いのですか?

真鍋:病んだりとかは、基本的には無いですね。書いている時は気分がそっちにいっちゃうこともあるんですけど、それが終われば生活で思い出す事とかは無いです。

――ちなみに、作品に対するネットでの反応などを見たりする事は?

真鍋:一つの話を書いている時、2ちゃんねる系の評判は見ない様にしています。内容がそっちに引っ張られるのが嫌なので。でも書き終えたら倉庫から引っ張り出して読みますよ(笑)。

――私も漫画を読んだ後、ネットの反応や考察を見るのが楽しみだったりします。これからも刺激的なエピソード、とても楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました!

映画『闇金ウシジマくん Part2』ストーリー

「10日で5割(トゴ)」「1日3割(ヒサン)」という暴利で貸し付け、容赦なく取り立てるアウトローの金融屋「カウカウファイナンス」の社長ウシジマこと丑嶋馨(うしじま・かおる)の周囲に群がる、ライバルの闇金業者やヤンキー、暴走族、ヤクザ、ホスト、風俗嬢、ストーカーといった金と欲望にかきたてられた人々の壮絶なサバイバルを描く。ある日、ウシジマの事務所に暴走族のヘッド・愛沢とトラブルを起こしたヤンキーのマサルが、愛沢に連行されてくる。愛沢はマサルに借金をさせ、その金を自分への慰謝料として払うよう要求するが、マサルはウシジマに懇願してカウカウファイナンスで働くことに。当てがはずれてしまった愛沢だが、彼にもまた、すぐにでも金が必要なある事情があった。

http://ymkn-ushijima-movie.com/

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