小学館『週刊ビッグコミックスピリッツ』で連載されている『美味しんぼ』で、福島県に取材に行った主人公たちが原因不明の鼻血と疲労感に悩まされるという描写がありかなり話題になった。また、作品には前双葉町長の井戸川克隆氏も登場し「自分もそうで、福島では同じ症状の人が大勢いるが言わないだけ」という主旨の発言をしている。また、原作者の雁屋哲さんはブログで「鼻血ごときで騒いでいる人が続きを読んだら発狂する」といった発言をしてこちらも話題になった。
そんな中、5月7日に福島県双葉町が小学館に対して厳重抗議を行ったと発表した。
小学館への抗議文平成26年4月28日に貴社発行「スピリッツ」の「美味しんぼ」第604話において、前双葉町長の発言を引用する形で、福島県において原因不明の鼻血等の症状がある人が大勢いると受け取られる表現がありました。
双葉町は、福島第一原子力発電所の所在町であり、事故直後から全町避難を強いられておりますが、現在、原因不明の鼻血等の症状を町役場に訴える町民が大勢いるという事実はありません。第604話の発行により、町役場に対して、県外の方から、福島県産の農産物は買えない、福島県には住めない、福島方面への旅行は中止したいなどの電話が寄せられており、復興を進める福島県全体にとって許しがたい風評被害を生じさせているほか、双葉町民のみならず福島県民への差別を助長させることになると強く危惧しております。
双葉町に事前の取材が全くなく、一方的な見解のみを掲載した、今般の小学館の対応について、町として厳重に抗議します。
平成26年5月7日
福島県双葉町
http://www.town.fukushima-futaba.lg.jp/item/5924.htm
雁屋さんは、「2年かけて取材をした」とブログで語っているのだが、双葉町は「双葉町に事前の取材が全くなく、一方的な見解」としている。来週12日には『美味しんぼ』の続きが掲載された『スピリッツ』が発売されるわけだが、果たして今後どうなるのか、注目である。
※画像は『双葉町』のサイトより
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