今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■税金を水の流れるルートとして捉える(メカAG)
イケダハヤトはなにかと、特に東京の、住宅事情の劣悪さを話題にしている。都内でもっと良い環境に住めるように、国は労働者に対して住宅補助金を出せという。自分は都内に住んでいるが、現状の住宅では満足できないという。
でもさぁ、結局その補助金は労働者が税金として納めてるものだよね。イケダハヤトは何かと自分の収入を誇っている。平均的なサラリーマンよりも収入が多い、と。そのイケダハヤトに対してすら「補助」をしなければならないなら、それ以下の収入である平均的なサラリーマン全員に住宅補助をしなければならないことになる。
それって大半の労働者に住宅補助金を配るということだよね。でもその金は労働者自身が収めている税金から出ている。大半の労働者が収める税金を大半の労働者に住宅補助金として配る。なんか変じゃね?
たとえば保険という仕組みは、大半の人間はアクシデントにあわないという前提で成り立ってるんだよね。大半の人間は保険の掛け金が無駄になる。だから運悪くアクシデントにあった人間に保険金を支払える。もしアクシデントにあう人間が大半だったら、保険というものは成り立たない。
* * *
住宅補助金を配るために増税するなら、結局それは労働者の所得から払われているのだから、住宅補助金として一部を返してもらっても、自分の金が行って戻ってきただけ。全然住宅費の負担は減っていない。それで喜ぶのでは朝三暮四の猿と同じ。
「朝三暮四(ちょうさんぼし)」 『語源由来辞典』
http://gogen-allguide.com/ti/tyousanboshi.html
無から有を作り出す事ができない以上、「大半の国民」が対象になるような補助金というのは、不可能だと思うのだよね。一時的・限定的なものでないと。変化のきっかけにするとか。恒常的に補助し続けるというのは、最終的には補助していない状態に限りなく近づく。
企業に課税するといってもそれは結局サラリーマンの給料の減額となって返ってくるだけだ。一部の金持ちに重点的に課税しろと言っても、いくら金持ちといえども大半の国民に配れるだけはない。
金持ちというのは資産ともっているということであって、資産に課税したらどんどん先細りして最終的になくなってしまう(笑)。むろん金持ちは所得も多いだろうが、それは金持ちの投資や消費で社会に再び流れている金なのだから、それを税金としてぶんどったら、今まで流れていた金が流れなくなってしまう。
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税金を増やすことの弊害は、金の自然で自由な流れを妨げて、金の流れを強制する点にある。金は社会を循環している。それは何もしなければ市場原理にしたがって流れの方向を決めている。課税するということは、その流れに無理矢理ついたてを立て、「こういうルートで流れろ」と強制すること。
冒頭の個人の住宅補助の話で言えれば、所得から一律に取り立てられた税金の一部を住宅補助として返還してもらうのだから、結局それは自分の所得のうち一定の割合を「住宅のために使いなさい」と、個人の裁量を制限されているだけのこと。
流れが変わった先では水(金)が来て潤うかもしれないが、いままで流れていた場所は干上がってしまう。それが社会にどういう影響を与えるかを考えて流れを変えなければならない。流れをよそに変えてしまったがために、それまで水(金)が豊かだった場所が、水(金)不足になり、新たな貧困の場所が出現することだってあるだろう。
全体をみてどう金の流れを国家がコントロールするか、どの程度まで金の流れを市場の自由に任せるかを考えなければならない。すべての金の流れをコントロールしようとしたのが共産主義国家であり、それは経済の硬直化(金の流れの硬直化)をもたらし国家を破綻させた。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年04月24日時点のものです。
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