今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■濡れ縁
東京もまだ時代に取り残されたような古い家がところどころに残っている。木造平屋で縁側がある。むかしは一般家庭の家で2階建ての家って珍しかったんだよな。いまは1階を駐車場にした3階建まで増えてきた。駐車場のスペースが確保できないための涙ぐましい工夫ですな。
田舎とかだとむかしは平屋が多くて、2階建ての家は貧乏人の家だと言われたらしい。つまり土地を確保できないので2階建てにしている、と。子供の頃俺は2階建ての家=カッコイイという感覚だったので、ちょっとカルチャーショックを受けた(当時そんな言葉知らなかったけど)。
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で、その木造平屋の家の縁側というのは、家の外側に板が張り出してるだけの構造。長年雨ざらしなのでボロボロ。でもむかしの日本家屋ってそんな感じだったような。子供の頃の祖母の家の縁側がそんな感じだった。部分的に木が割れて逆だってて、子供の俺が走り回ると、足に刺さったりした(苦笑)。大人は丁寧に歩くんだろうけど、子供はそんなのお構いなしに全力で走り回るから。
その後その祖母の家は改築して、縁側ななくなった。廊下になってその外側にガラス戸と雨戸ができたので、それまで建物の外側だった縁側だったところは、建物の内側になった。そういえば日本家屋ってなんでか知らないけど、通路が部屋の外側にあるよね。家の外をぐるりと取り囲んでいる。古い旅館とかお寺とかはみんなそんな作り。
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家の外側の雨ざらしの縁側を濡れ縁というらしい。雨に濡れるから濡れ縁なのだろう。内側にある廊下っぽいものを榑縁(くれえん)というらしい。つまり祖母の家は濡れ縁から榑縁になったわけだ。雨戸の外側にあるか内側にあるかで分かれるのかな。
で、なんで日本家屋というのはそういう構造になっているのか考えてみた。縁側がないと内側の戸の外側がそのまま外なんだよね。で、戸というのはいまはガラスだけど、むかしはガラスなんてなかっただろうから、障子とかだったのだろう。となると雨に濡れてしまう。
実際には雨が降ってる時は雨戸を閉めるのだろうけど、そうなると光が入らないから暗くなってしまう。縁側があれば、多少の雨なら雨戸を閉めなくても障子に雨は吹き込まないだろう。つまり明かりを確保するためだったのだろう。
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現代はガラス戸が普及しているから、雨でも雨戸を閉めなくて良くなった。それで縁側がなくなっていった。ただ縁側というのは叙述のように部屋と部屋をつなぐ通路でもあるため、その場合はなくすわけにはいかない。なので今度は縁側の外側にさらにガラス戸を設置して完全な屋内にしてしまったのだろう。
考えてみるとガラス窓が普及する以前は障子ってすごい発明だったのではなかろうか。光は通すが風は通さない。西洋とかガラス窓が普及する以前はどうしてたのだろう。いきなり吹きさらしなのだろうか。扉はあっただろうけど。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年04月02日時点のものです。
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