今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
■「ルパン三世 先手必勝!コンピューター作戦」
子供の頃に見たマンガやアニメでコンピュータが出てくる話って、だいたいが絶対の信頼性で予測するコンピュータの裏をいかにしてかくか?ってのが多かったように思う。とうよりもほとんどこのパターンだけ。
その中でも第1期ルパン三世の「先手必勝!コンピューター作戦」は印象に残っている。ルパン三世という馴染みのある作品だったし、思うに俺がみたアニメでコンピュータと勝負する最初の作品だったのではなかろうか。実際に見たのは再放送だと思うけど。
詳しいストーリーはここに載っている。
「第22話「先手必勝!コンピューター作戦」」 『webnews』
http://www.webnews.gr.jp/lupin3rd/02_0805.html
* * *
ルパン逮捕に手を焼いた警視庁がFBIのコンピュータを駆使する専門家を依頼。銭形警部は今回捜査から外されてしまった辛い立場。
初戦はルパンの作戦をほぼ100%予測したコンピュータの圧勝。ただ焦った銭形警部のアクシデントで辛くもルパンは逮捕を免れる。次元と五右衛門は逮捕されてしまう。
んでリベンジ編。これもパターンですな。強敵に最初は負けて、リベンジ戦で見事勝つ。逮捕された次元と五右衛門の奪回作戦。これもコンピュータがルパンの作戦を100%予測。しかし途中からルパンは「気まぐれ」を発動して、予想外の行動にでる。これには仲間の次元や五右衛門も当惑。「どーすんだ、こんないきあたりばったりで」みたいな会話があったような。
つまり合理的な作戦を考えるとすべてコンピュータに予測されてしまうので、何も考えないというのがルパンの作戦だった。
* * *
第1期ルパンって1970年代なんだよね。まだコンピュータの象徴としてオープンリールの磁気テープがくるくる周り、紙テープから結果が打ち出されるという典型的な描写が多かった。
現代のコンピュータでも特定の人間の行動をここまで予測するのは不可能なのだが、なぜか1980年代ぐらいまで、「コンピュータの予測は絶対」みたいなフィクションが多い。そして人間画素の裏をどうやってかくか、という痛快さがウリのストーリー。
世間も「コンピュータで処理してますから、ミスはありません」とか通用してたような。いいね、この風潮。最近は何かと「バグだ」とか。バグじゃないものまでバグだと、ブツブツ。どっから180度変わってしまったんですかね。ああ、昔はよかった。一度言ってみたいよね、「コンピュータなんですからミスはありえません」と。
* * *
なんだか今のコンピュータは落ちた英雄ぽい。最初はなんだかよくわからない畏怖の対象と扱われてたコンピュータが、いまやすっかりドジっ子扱い。
それに比例して、コンピュータの裏をかくというストーリーもなくなっていったような。もはや人間様が戦う価値すらないということか。
でも逆にコンピュータが社会にどんどん食い込んでいくことには抵抗がなくなっている。むかしは「コンピュータの導入?管理社会だ!」とか騒ぐ人が多かったような。ということで人間の警戒心が薄れた中、ひそかにしかし着々と人間支配を進めるコンピュータであった。ときどき障害が起きてトラブルになるのも、人間を油断させるための作戦。実はバグがないコンピュータはとっくのむかしに完成している。
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年03月12日時点のものです。
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