KDDIは1月22日、『au発表会 2014 Spring』を開催。Androidスマートフォンの春モデル4製品とAndroidタブレット1製品を発表しました。1月14日に公開されたティザーサイトから予想されたとおり、曲面ディスプレー搭載の6インチスマートフォン『G Flex』と6.4インチのファブレット『Xperia Z Ultra』を発表し、他社ラインアップとの差別化を図っているのが大きなトピック。さまざまな面で他社との“違い”をアピールする内容となりました。
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●3社横並びに見える中で何を打ち出すか
登壇したKDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、2013年にドコモが『iPhone』を発売したことで携帯キャリア3社が横並びに見えるという現状に触れ、その中から「いいものを選びたい」というユーザーのニーズとして次の項目を挙げたスライドを提示しました。
・エリアの広さ?
・欲しい機種がある?
・サービスが魅力的?
・料金プランがお得?
・サポートが充実?
「エリアの広さ」については、800MHzの『au 4G LTE』が3月末には実人口カバー率が99%を達成する見込みであることをアピール。「“3G”の表示を見なくなると思います」と、LTEエリアの拡充に自信を見せました。
●大画面のファブレット拡充で差別化を図る
「欲しい機種がある?」への回答として新機種の発表へ。まずKDDIの実績として5インチ以上のスマートフォンやタブレットの累計稼動数が伸びている現状を示します。大画面スマートフォンへのニーズを把握して「もう一段大きいものが受け入れられるのでは」(田中氏)と考え、スマートフォンとタブレットの中間ジャンルである“ファブレット(Phablet)”の調達に力を入れたという背景があるようです。国内では『GALAXY Note』が先行していたファブレットですが、今回KDDIは2機種をラインアップしています。
まず「異才のファブレット」として、LGエレクトロニクスの『G Flex』を発表。国内では初となる曲面ディスプレーを搭載し、6インチの大画面を持つファブレットです。折りたたみ式の携帯電話同様、通話時の顔へのフィット感があることや、ビデオやフルセグなどの動画を見る際に奥行きがあって見やすいこと、背面カバーが浅いすり傷なら自然に回復する『スクラッチリカバリ』の機能を紹介しました。
実際に手にしてみると、曲面形状の独自性を実感します。6インチの平板なら手に余りそうですが曲面形状だと持ちやすく、動画の試聴時も独特の臨場感が感じられました。『G Flex』は約6.0インチHDのPOLEDディスプレー、2.3GHzのクアッドコアCPUを搭載し、OSはAndroid 4.2。1月25日に発売を予定しています。
『G Flex LGL23』主な仕様サイズ:約W82×H161×D8.8mm(最厚部約9.7mm)
重量:約178g
OS:Android 4.2
CPU:MSM8974 2.3GHzクアッドコア
ディスプレー:約6.0インチPOLED 1280×720 HD
カメラ:約1320万画素 CMOS
インカメラ:240万画素 CMOS
外部メモリー:microSDXC 最大128GB
ROM:約32GB
RAM:約2GB
バッテリー容量:3500mAh
テザリング:対応(8台)
Wi-Fi:IEEE802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth:Ver4.0
フルセグ:対応
ワンセグ:対応
赤外線:非対応
おサイフケータイ:対応
NFC:対応
防水:非対応
防じん:非対応
カラー:ブラック
続いて発表されたファブレットがソニーモバイルコミュニケーションズの『Xperia Z Ultra』。6.4インチ フルHDディスプレーを搭載し、厚さは6.5mmとフルHD対応のスマートフォンとしては世界最大・最薄の製品。海外で先行して販売されているモデルを日本向けにカスタマイズし、フルセグ、赤外線、『おサイフケータイ』に対応するほか、内蔵メモリー(ROM)は16GBから32GBにスペックアップしているのがポイント。
スマートフォンとして片手で扱えるギリギリのサイズという感じですが、本体が薄いため持ちにくさは感じません。国内向けにカスタマイズしてもグローバルモデルより2グラム重くなっただけなので、片手で持っても疲れない重さ。『Xperia Z Ultra』は2.2GHzクアッドコアCPUを搭載し、OSはAndroid 4.2。1月25日の発売を予定しています。
『Xperia Z Ultra SOL24』主な仕様サイズ:約W92×H179×D6.5mm(最厚部約6.8mm)
重量:約214g
OS:Android 4.2
CPU:MSM8974 2.2GHzクアッドコア
ディスプレー:約6.4インチ トリルミナスディスプレイ for mobile 1920×1080 フルHD
カメラ:約810万画素 CMOS
インカメラ:220万画素 CMOS
外部メモリー:microSDXC 最大64GB
ROM:約32GB
RAM:約2GB
バッテリー容量:3000mAh
テザリング:対応(10台)
Wi-Fi:IEEE802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth:Ver4.0
フルセグ:対応
ワンセグ:対応
赤外線:対応
おサイフケータイ:対応
NFC:対応
防水:対応
防じん:対応
カラー:ブラック、ホワイト、パープル
同日にソニーから発表されたWi-Fi版『Xperia Z Ultra』のレビューはこちら。
【ソルデジ】ついにでた! ソニー最新タブレット端末『Xperia Z Ultra』 6.4インチでフルHDディスプレー
http://getnews.jp/archives/498811
●『AQUOS PAD』と『AQUOS PHONE』は狭額縁の『EDGEST』スタイルを採用
続いてタブレットとして7インチの『AQUOS PAD』を発表。狭額縁の『EDGEST(エッジスト)』スタイルを採用し、コンパクトで軽量なのが特徴です。次に発表された『AQUOS PHONE SERIE mini』も『EDGEST』スタイルを採用し、コンパクトな本体に約4.5インチのディスプレーサイズを実現しています。いずれもIGZO液晶を採用。
『AQUOS PAD』はタブレットの中では高精細な1310万画素のカメラを搭載。F値1.9のレンズを採用し、暗い場所でも明るく撮影が可能。Wi-Fi Directでスマートフォンと同期する機能『Passtock』を搭載し、タブレットで見た電話番号を転送してスマートフォンで電話をかけるなどの連携ができます。
縦のベゼルも狭くなっている『EDGEST』のディスプレーは、『Nexus 7』よりも縦に詰まってコンパクトになった印象。片手でも扱いやすそうです。『AQUOS PAD』は7インチWUXGAのディスプレー、2.2GHzのクアッドコアCPUを搭載し、OSはAndroid 4.2。2月下旬の発売を予定しています。
『AQUOS PAD SHT22』主な仕様サイズ:約W104×H173×D9.9mm(最厚部約10.8mm)
重量:約263g
OS:Android 4.2
CPU:MSM8974 2.2GHzクアッドコア
ディスプレー:約7.0インチ IGZO 1920×1200 WUXGA
カメラ:約1310万画素 CMOS
インカメラ:210万画素 CMOS
外部メモリー:microSDXC 最大64GB
ROM:約16GB
RAM:約2GB
バッテリー容量:4080mAh
テザリング:対応(10台)
Wi-Fi:IEEE802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth:Ver4.0
フルセグ:対応
ワンセグ:対応
赤外線:非対応
おサイフケータイ:非対応
NFC:対応
防水:対応
防じん:非対応
カラー:ホワイト
『AQUOS PHONE SERIE mini』は、約4.5インチ フルHDで約487ppiの高解像を実現したコンパクトなスマートフォン。『AQUOS PAD』同様、1310万画素でF値1.9のレンズを備えたカメラを搭載します。
5色のカラーラインアップをそろえ、片手にすっぽり収まるサイズ。コンパクト派や女性に受け入れられそうです。『AQUOS PHONE SERIE mini』は2.2GHzクアッドコアディスプレーを搭載し、OSはAndroid 4.2。2月下旬の発売を予定しています。
『AQUOS PHONE SERIE mini SHL24』主な仕様サイズ:約W63×H124×D9.9mm(最厚部約10.3mm)
重量:約115g
OS:Android 4.2
CPU:MSM8974 2.2GHzクアッドコア
ディスプレー:約4.5インチ IGZO 1920×1080 フルHD
カメラ:約1310万画素 CMOS
インカメラ:120万画素 CMOS
外部メモリー:microSDXC 最大64GB
ROM:約16GB
RAM:約2GB
バッテリー容量:2120mAh
テザリング:対応(10台)
Wi-Fi:IEEE802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth:Ver4.0
フルセグ:非対応
ワンセグ:対応
赤外線:対応
おサイフケータイ:対応
NFC:対応
防水:対応
防じん:非対応
カラー:ピンク、ブルー、イエローグリーン、ホワイト
●スマートフォン初心者やシニアにも受けそうな『URBANO』
最後に、京セラ『URBANO』の新モデルを発表。「スマホ初心者に人気のモデル」として紹介されました。
バック、ホーム、メニューのハードキーを搭載するのはAndroidスマートフォンでは珍しくなってしまいましたが、スマートフォン初心者には分かりやすい設計を維持。ボタンはV字カットされ、高級感あるデザインになっています。
ホーム画面は通常のアプリに加えて最小限のボタンを並べた『かんたんメニュー』や、携帯電話と同様にレイアウトした『エントリーホーム』が選択でき、携帯電話から乗り換えたユーザーやシニア層にも幅広く対応できるユーザーインタフェースが採用されています。『URBANO』は4.7インチのHDディスプレー、1.5GHzのデュアルコアCPUを搭載し、OSはAndroid 4.2。2月上旬の発売を予定しています。
『URBANO L02』主な仕様サイズ:約W65×H134×D11.0mm(最厚部約11.3mm)
重量:約142g
OS:Android 4.2
CPU:MSM8960 1.5GHzデュアルコア
ディスプレー:約4.7インチ TFT 1280×720 HD
カメラ:約1300万画素 CMOS
インカメラ:約97万画素 CMOS
外部メモリー:microSDXC 最大64GB
ROM:約16GB
RAM:約2GB
バッテリー容量:2700mAh
テザリング:対応(10台)
Wi-Fi:IEEE802.11 a/b/g/n
Bluetooth:Ver4.0
フルセグ:非対応
ワンセグ:対応
赤外線:対応
おサイフケータイ:対応
NFC:対応
防水:対応
防じん:対応
カラー:シルバー、グリーン、ピンク
●既存サービスとサポートに自信
「サービスが魅力的?」に対しては、『auスマートパス』で学生向けに自転車向け保険の無料提供を実施することに触れ、サービス自体の大きなアップデートは特になし。
「料金プランがお得?」に対しては『auスマートバリュー』で世帯当たりのスマートフォン契約数が伸びている現状を伝えたほか、学割で「学生の基本料金0円」「家族の基本料金0円」「au同士の国内通話0円」に加えて12月まで「auスマートパス0円」を加えることが発表されました。
「サポートが充実?」に対しては、『auスマートサポート』の一環で、スマートフォンの基本的な操作やGoogleアプリの使い方などを650本以上の動画でサポートする『au動画ガイド』を1月31日から開始することを発表。
いずれも既存サービスについて大きなアップデートはありませんでしたが、他社との“違い”の面でこれらサービスは差別化ができているという自信がうかがえます。
端末のラインアップに関しては他社の後追いの印象がありましたが、今回は他社に先行して『G Flex』『Xperia Z Ultra』といった特徴ある端末をラインアップに加えたau。質疑応答では2014年度内にFirefox OS搭載のスマートフォンを発表することが明らかになり、他社との“違い”を意識したラインアップの拡充が進みそうです。
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