ユネスコの無形文化遺産に「和食 日本人の伝統的な食文化」が登録され、世界から注目が集まる日本料理。そんな折、ある調味料が注目を集めています。その調味料は“白味噌”。和食だけでなく和洋折衷の料理にも合う白味噌の中でも、特に和食文化の中心である京都発祥の西京味噌を使った“西京なべ”が、最近東京の飲食店でもメニューに載るようになってきたのだとか。この冬注目だけど、まだあまり知られていない白味噌について、トリビアをまとめてみました。
・京都の雑煮は白い
お正月に家族みんなで食べる雑煮。東京ではすまし汁に焼き餅を入れた雑煮がポピュラーですが、地方によって作り方や具材はさまざま。中でも特徴があるのは、京都の白味噌を使った雑煮。見た目が白いというだけで、何か違った料理のように見えてしまいますが、京都の人にはこれが普通なのです。
参考記事:
【お正月特別企画】みんなのお雑煮、見てみたい
http://getnews.jp/archives/42144
・白味噌は保存食ではなく調味料
味噌は一般的に保存食ですが、それは長期に熟成させ塩分を多く含んでいるから。白味噌は塩分濃度が低く熟成期間が短いため、長期保存には向いていません。これは、政治・経済・文化の中心だった京都で、味噌が保存食ではなく調味料としての役割を求められていたことに起因します。甘みと香りの高さを求められる調味料として発展したのが白味噌なのです。
・江戸への遷都で呼び名が定着した「西京味噌」
白味噌のことを「西京味噌」とも呼びますよね。これは京都から東京に遷都したことがきっかけで生まれた呼び名。東京に移り住んだ皇族や公家の人々は関東風の味付けにはなじめず、白味噌の味を懐かしく思っていたそうです。当時、「東京」に対して京都は西の京「西京」と呼ばれていたことから、京都の白味噌に郷愁をこめて「西京味噌」と呼ぶようになったのだとか。
・「西京味噌」は実は会社の名前
京都生まれの伝統的な白味噌を呼ぶ「西京味噌」の名称。実は「株式会社西京味噌」という会社の社名であり、その会社と関連会社の「本田味噌本店」が製造している京都産の白味噌を指す名称となっています。ほかの地域で製造する白味噌は「西京味噌」とは呼べないというわけです。一般名称だと思っていたら特定の商品名だった、という意味では「オセロゲーム」「エレクトーン」「チャック」などと同様と言えるでしょうか。
この『西京味噌』を使って作る鍋料理“西京なべ”が、東京でも流行の兆しを見せています。和食のお店や居酒屋だけでなく、恵比寿にあるイタリアンLeaf Cafe & Diningなど洋食のお店でも、『西京味噌』の伝統的な深い味わいを取り入れた和洋折衷の西京なべとしてアレンジされているそうです。もちろん、家庭でも作れる西京なべ。ガジェット通信では、京都の家庭料理として親しまれている西京なべのレシピを入手、実際に作ってご紹介する予定です。お楽しみに。
画像:『足成』より引用
■関連記事
嵐のライブチケットを譲って欲しい女性が「なんでもするのでチケット譲って」とボードを掲げる
台湾のニュース番組でふなっしーが紹介されるもアナウンサーが爆笑して吹き出す
「こっちは圧倒的に高い画力で描かれてますので」『進撃の巨人』スピンオフのコミックスに寄せた諌山創先生の自虐的コメントが話題に
ブロマガ会員ならもっと楽しめる!
- 会員限定の新着記事が読み放題!※1
- 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
-
- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
- ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。
ガジェ通
ガジェット通信編集部
月額:¥550 (税込)