第26回東京国際映画祭で上映された映画レポート、第二弾です。
●日本スプラッシュ映画部門『サッドティー』
二股を解消したいと思いつつもできない映画監督、監督行きつけの喫茶店のマスターと店員、店員に一目惚れをする彼女持ちの男、元アイドルを10年一途に思い続けるファンと結婚間近で眼帯をつけている元アイドル。それぞれ同じ時間に、別の場所で絡まる恋愛模様は物語が進むにつれて一本の線へとなっていく。
この物語の登場人物達は、例えば友人に恋愛相談をしたら「その恋愛、諦めたほうがいいんじゃないの」と必ずアドバイスされてしまうような、とにかくダメな、ありそうでなさそうな恋愛をだらだらと続けてしまっています。そんな不自然な恋愛がリアルに見えてくるのは、芝居や演出、脚本、編集、音楽が絶妙に構成されて生まれる、生っぽさがそうさせているんではないかと思います。
それを手がけるのは演出・脚本・編集を全て手がける今泉力哉監督。客観的に観れば喜劇で、主観的に観れば悲劇になってしまう、現実でも起きてしまうかもしれない恋愛映画を生み出している監督です。この生っぽさに惹かれた方々には、国内外の映画祭で高く評価された前作『こっぴどい猫』もオススメしたいところです。
キャッチコピーの「ちゃんと好きってどういうこと?」答えがある人も、ない人も。ぜひ注目あれ。
画像:公式サイトから引用
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