10月31日に発売されたドコモ冬春モデルのAndroidスマートフォン『GALAXY J SC-02F』。『GALAXY S4』の後継という最新鋭のスペックもさることながら、緊急時にバッテリーの消費量を50%に抑えてバッテリーを長持ちさせる『緊急時長持ちモード』を搭載しているという特徴があります。今回はこの『緊急時長持ちモード』に注目してレビューを実施、どれぐらいバッテリーが持つのかを検証してみました。
●日本向けデザインを採用した最新『GALAXY』スマートフォン
『GALAXY J』は、日本向けにオリジナルデザインを採用したAndroidスマートフォン。『GALAXY S4』の後継となるモデルで、OSはAndroid 4.3に、クアッドコアCPUは1.9GHzから2.3GHzに、メモリーは2GBから3GBにスペックアップしたほか、LTEは2GHz/1.7GHz/1.5GHz/800MHzのクアッドバンドに対応するという機能の充実ぶり。5インチのフルHDディスプレー、1320万画素カメラ、32GBの内蔵メモリーは『GALAXY S4』と同等です。
レビュー機のCoral Pinkのほかに、Satin White、Lapis Blueときれいな色をそろえているのも、従来の『GALAXY』スマートフォンとは一線を画すイメージ。高級感のあるシンプルなデザインは、充実したスペックと同様に長く使ってもらうための配慮が感じられます。
バッテリー容量は2600mAh。『GALAXY S4』と同等ですが、ドコモが発表している「実使用時間」は『GALAXY S4』の45.1時間に対して55.0時間と改善。バッテリーの持ちを向上させているようですが、さらに長時間の動作を可能にするのが、次に紹介する『緊急時長持ちモード』です。
●災害時に活躍する『緊急時長持ちモード』
『緊急時長持ちモード』は、災害時などの緊急時に待ち受け状態を長持ちさせるために開発されたモード。『SankeiBiz』では「東日本大震災を教訓に」開発したと報じられていますが、震災時だけでなく台風などの災害時に活躍が期待される機能です。
ドコモが1週間持つスマホ投入へ 震災教訓に開発
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131009/bsj1310091925005-n1.htm
バッテリー消費量を50%に抑えるのがポイント。『緊急時長持ちモード』に切り替え後は画面の色調を灰色にしてディスプレーの電力消費を抑えるほか、使用可能なアプリの数を制限、画面オフ時にデータ通信をオフに、Wi-FiやBluetoothの通信をオフにすることで電力消費を抑えます。ドコモによると、アプリ使用時でもバッテリー消費量を10%削減する効果があるとのこと。
●災害時の利用をイメージして検証を実施
ドコモの調査では、バッテリー残量30%でも、待ち受け状態で約5日間長持ちするとのこと。とはいえ、緊急時に待ち受け状態のみで使い続けるというのは実際の利用イメージとはかけ離れています。そこで、緊急時に最低限利用するであろう機能を使いながら、どれぐらいバッテリーが持つのか検証してみることにしました。
今回想定した利用状態は、1日に次の操作をするというもの。
・通話3分×3回
・SMSの送受信を3回
・ワンセグ視聴10分
・『Twitter』利用5分
・ウェブサイト閲覧10分
家族や友人と離れたときに安否確認などの連絡をするために、1日3回は通話やSMSを利用したいはず。ワンセグや『Twitter』は災害情報の確認でも重要なツールとなります。ウェブサイトでも情報を集めたいところです。これを1日ワンセット実施して、果たしてバッテリーは何日持つのでしょうか。
●慣れてしまえば普通に使える『緊急時長持ちモード』
まずバッテリーを100%の状態まで充電し、『緊急時長持ちモード』に切り替えます。電源キーの長押しで表示されるメニューから「緊急時長持ちモード」を選択すれば切り替えが完了。画面がモノクロになるのに最初はちょっとビックリするかもしれません。
デフォルトで使用できるアプリは「ダイヤル」「連絡先」「SMS」「spモードメール」「災害用キット」「ワンセグ」「ブラウザ」のみ。緊急時に最低限必要な機能のみ利用できるようになっています。さらに2つだけ使用可能なアプリを追加でき、プリインストールされたカメラ、『Googleマップ』、『ChatON』、『Twitter』のほか、ユーザーがインストールした『Facebook』『LINE』『mixi』は選択できるようになっています。今回の検証では『Twitter』を使うので追加。
実際に『緊急時長持ちモード』で使ってみると、画面がモノクロになったのにはすぐ慣れて普通にスマートフォンとして使えることが分かります。ゲームができないのはちょっと寂しいですが、充電ができないような緊急時にゲームをやることは考えられないですよね。スマートフォンとしての使い勝手を損なうことなく、バッテリーを長持ちさせることができる点は評価できるのではないでしょうか。
●使い続けた結果は?
この状態で、バッテリーを一度も充電することなく連続使用を開始しました。ドコモの冬春モデルでは「バッテリーの向上」をトピックのひとつとしているので、せめて3日以上は使えるとよいのですが……。
検証を開始したのは11月3日、日曜日の午前11時。火曜日の11時を過ぎてもバッテリー残量には余裕があり、検証を続けることができました。最終的にバッテリーが切れて電源がオフになったのは……。
11月10日、日曜の23時過ぎ! 充電後に「設定」メニューのバッテリー使用ログを確認すると、
バッテリー使用時間:7日12時間52分25秒
という結果を確認できました。なんと7日半もバッテリーが持ったということになります。
検証項目は毎日欠かさず実施、最終日はバッテリーがほとんどない状態でワンセグの視聴のみできませんでしたが、残量が数%の状態でもほかの操作は可能で、ギリギリまで使用できることが確認できました。
今回の検証は、LTEが受信しやすい、電波の安定した場所に置いて実施、検証で実行したアプリは毎回バックキーで終了させて待ち受け状態に戻しました。外出時に3GとLTEが切り替わるなど電波が不安定な場所で使ったり、ブラウザのページを開いたままにするなどバックグラウンドでアプリを動作させたままにする場合、動作時間は短くなる可能性がありますが、注意して使えばかなりバッテリーが持つということが分かります。
このモードのお世話にならずに済むとうれしいですが、日常生活でもしばらく充電できない移動があるときには『緊急時長持ちモード』に切り替えるなど、長時間使える頼もしい相棒になりそうな『GALAXY J』。バッテリーの持ちに悩んでいる人は有力な選択肢として検討してみてもよいのではないでしょうか。
『GALAXY J SC-02F』主な仕様OS:Android 4.3
Xi:150Mbps/50Mbps
Xi対応周波数:2GHz/1.7GHz/1.5GHz/800MHz
FOMAハイスピード:14Mbps/5.7Mbps
サイズ:約W70×D137×H8.6mm(最厚部約8.9mm)
重量:約146g
3G連続待ち受け時間:390時間
LTE連続待ち受け時間:340時間
GSM連続待ち受け時間:310時間
連続通話時間(3G/GSM):830/690分
ディスプレー:約5.0インチ 1080×1920 フルHD 有機EL(Super AMOLED)液晶 1677万色
外部メモリー:microSD(2GB)、microSDHC(32GB)、microSDXC(64GB)
カメラ:有効画素数約1320万画素CMOS
インカメラ:有効画素数約210万CMOS
CPU:MSM8974 2.3GHz クアッドコア
バッテリー容量:2600mAh
ROM/RAM:32GB/3GB
テザリング:対応
おサイフケータイ:対応
ワンセグ:対応
赤外線:非対応
防水/防じん:非対応
NOTTV:対応
NFC:対応
カラー:Coral Pink、Satin White、Lapis Blue
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ガジェット通信編集部
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