安倍首相は9日、国産車メーカーが開発する自動運転車に試乗した。国会周辺の公道で、トヨタ、日産、ホンダが開発中の自動運転車に乗り込み、ハンドルやアクセルを操作しなくても運転してくれる自動運転技術を体験。試乗後、安倍首相は「さすが日本の技術は世界一だなということを体で感じさせていただいた」と満足気に語った。
しかし、ドヤ顔で日本の技術力をアピールした安倍首相に対して、ネット住民からは「Googleのほうがずっと進んでるだろ!」とツッコミが入りまくっている。
2010年の発表以来、開発が続けられているGoogleの自動運転車(Self-Driving Car)は、既に70万km以上の公道試験を無事故で走破しており、交通量と人通りが多いニューヨークの街中でも安全に走れることを実証している。沿道からの急な飛び出しにも人間より素早い対応が可能で、開発者はその安全性について「プロのドライバーよりも安全かつスムーズに運転できる」と豪語しているほどだ。
一方、国産の自動運転車はといえば、実は現段階ではどのメーカーも「自動運転」とは謳(うた)っておらず、あくまでもドライバーの補助をする「高度運転支援技術」という位置付け。特に自動運転技術の中核となる、周囲の状況を判断する人工知能研究の面でアメリカに大きく遅れをとっているのが実情だ。「FUN TO DRIVE」(運転する楽しみ)を標語に掲げる国内メーカーが、「運転しなくてもいい技術」でGoogleに追いつけないのも道理だ。また、法整備が追いついていないため、安全性を実証するために欠かせない公道試験もほとんど行われていない。
政治家の本分である法整備の面ですらアメリカに遠く及んでいないのに、自ら「世界一ィィィ!!」と誇っちゃうなんて、ちゃんちゃらおかしい。この程度で満足してもらっては困るのである。「大企業に“自動運転”されている安倍ちゃん」と揶揄(やゆ)する声は安倍首相に届いているだろうか。
画像:ANNnewsCHより引用[リンク]
https://www.youtube.com/watch?v=pi65EcG35FI
Googleの自動運転車(YouTube)
Self-Driving Car Test: Steve Mahan
※この記事はガジェ通ウェブライターの「ろくす」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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