今回はファンキー末吉さんのブログ『ファンキー末吉とその仲間達のひとりごと』からご寄稿いただきました。
※この記事は2013年10月25日に書かれたものです。
■JASRACが訴訟準備を・・・
JASRACの弁護士からLive Bar X.Y.Z.→Aの大家宛に書簡が送られて来た。
「損害賠償請求準備のため賃貸契約の内容を教えて欲しい」と・・・
なぜこの時期に?・・・頭をひねらざるを得ない。
今回JASRACが簡易裁判所に持ち込んだ調停において、最終的にはJASRAC自らが「調停不成立」に落とし込んだ。
著作権侵害にも時効があるらしく、JASRACが調停で提出した資料の期日が店がオープンした日ではなく中途半端な期日であったのはこの時効の期間を考慮してのことであったらしいが、調停不成立を受けて、もしJASRACが一ヶ月以内に訴訟を提起すればその期日は次の訴訟の場でも有効となるが、一ヶ月以内に提訴しなければ、その時にJASRACが提起した資料のほとんどは時効となってまた新しい期日から後の案件となって訴訟せねばならない。
手っ取り早く言うとJASRACは時間が経てば経つほど金を取りっぱぐれるわけだ・・・。
だからワシは調停不成立から一ヶ月は静かにしていた。
当然JASRACは訴訟を提起するだろうと思っていたからである。
その間にやるべきことは、この一連の騒動を本にまとめるための資料作りと、そして現在出演者から預かっている著作権使用料を法務省に供託すること。
もともとはこちらとしては「金なら払う。だからちゃんと分配しろ」というものなのだから、こうして法務省に供託すれば現実的には「支払った」ということになり、法律的には何の落ち度もなくなる。
受け取らないならそれはJASRACが悪いのだ。
当然この時点でJASRACがそれを受けて再び訴訟を起こす可能性があり、ワシとしてはそれが「宣戦布告」の引き金となるのだろうと想像してた。
タイミングとしては来年か、まあ本が出版されたらそれを見てまたJASRACも動くだろうからその頃に供託をと考えていた。
しかしながら今回は思わぬタイミングで、しかもJASRACが有利ではない今それを行う意味がよくわからない・・・
どうせやるなら調停不成立一ヶ月以内にやればよかったのだ。
どうしてこのタイミングで宣戦布告をしようとしているのかはもう想像の域を出ないが、「絶対に勝つ」という何か材料を見つけたのか、それとも単に案件が担当者から弁護士に移ったので弁護士が物理的に処理しているのか・・・
どっちにしろJASRACとしてはこの戦いは分が悪いのだ。
何せ勝っても取れる金はせいぜい数年分の著作権使用料、毎日満席でフルにずーっと演奏してたと計算したとしてもこちらが払うのは数百万。
しかしもし負ければこちらの要求通りにちゃんと著作権者に分配するシステムを数千万かけて構築せねばならない。
まあしかし何より困ることは、本当に裁判になってしまったらその裁判中はまたこの問題の詳細を公表出来なってしまうということだ。
ワシの目的はこの問題をより多くの国民に知ってもらって一緒に考えてもらいたいということなので、今のうちにかいつまんで全てをここに公表しておきたいと思う。
まず経緯についてはこのブログカテゴリー*1をさかのぼって見れば書いてあるのでよいとして、ワシが最初に提出した書類は、まずX.Y.Z.→Aの1999年結成当初から2010年3月までの全てのライブ履歴を挙げ、この時期に相当するJASRACからの著作権使用料分配明細を照らし合わせて、「ライブハウスから徴収されている著作権料は、実際にその曲を演奏している自分たちに正しく分配されてない」ということを論理的に証明している資料である。
*1:「カテゴリー | JASRACとの戦い」 『ファンキー末吉とその仲間達のひとりごと』
http://www.funkyblog.jp/jasrac/
詳しくはこちら*2
*2:「JASRACとの戦いはついに法廷に!!」 2012年04月16日 『ファンキー末吉とその仲間達のひとりごと』
http://www.funkyblog.jp/2012/04/jasrac_11.html
最初の調停の時、
すなわち2012年4月16日八王子簡易裁判所に出廷し、この資料を提出した。
そしてそれを受けたJASRACは、「いやそんなことはない。ちゃんと分配されてますよ」とそれを論破すると思いきや、とんでもない行動に出た。
それらを完全に無視したのである。
2012年6月11日2度目の調停
それを受けてJASRACが裁判所に提出した資料は、私の提出した書類に対する回答は一切無視して、私への個人攻撃も含め、非常に辛辣なものであった。
通常の商店主だったらここで完全に心が折れてしまったことだろう。
「末吉氏が2012年4月5日付書面で述べている『包括契約をしろ』『聞く耳を持たない!!とにかくお前は著作権料を支払え!!』『1曲90円のシステム』を『広く全ライブハウスに教えてない』『全てを包括契約に持ってゆきたい』というような事実も意図も全くありません。」と、この文面はちゃんとJASRACが裁判所に提出した書類に書かれている文面であるが、しかしJASRACは後にこれさえも反故にしてしまう。
それについては後に述べるとして、その日の調停で決まったことがこれである。
「出演者の皆様へ」 2012年06月11日 『ファンキー末吉とその仲間達のひとりごと』
http://www.funkyblog.jp/2012/06/post_754.html
これは何もワシが勝手にやっていることではない。
JASRACが「こうしなさい」と言うからそうしたのだ。
書類に不備があると言われれば大枚はたいてそれを直し、「JASRACが指定した書式でちゃんと書け」と言うならどんなに手間でもそうする。
それで著作権者にちゃんと正しく著作権料が分配されるならそれでいいのである。
ちなみにJASRACは後にこのことも自ら反故にすることとなるが、この時点では誰しもが「これで解決だな」と思った。
JASRACは裁判所での調停の場で「これならちゃんと著作権者に正しく分配される」と発言し、ワシは全面的にそれを信じてその後この方法で現在に至るまで出演者から著作権料をお預かりしている。
調停委員の一人は「こんなにスムーズに調停が進むことは珍しいんですよ」などと発言し、JASRACは「毎回この書類をコピーして書くのも大変でしょう」ということで、店にその書類を送って来ると発言、実際に送られて来たその送り状を保管してたことは弁護士が後に「よくぞやって下さいました」と言う事実となる。
またこのブログ記事をその日のうちにUPし、形に残したことも弁護士から「よくぞやって下さいました」と言われることとなる。
何せJASRACはこのブログを見て、「記入例の書き方が間違っている」とワシに電話でそれを直させているのだ。
つまりこの方式はJASRACからこれほどまでに細部に指導を受けてやったことであり、直してまた電話をかけ、「これでいいですか?」と聞き、「これでいいです」と言われるまでの何度かの電話の通信記録は全て「証拠」となる。
ところが次の調停、2012年11月19日3度目の調停から流れは大きく変わって来た。
JASRACの言う主張がころっと変わってしまうのだ。
ワシはこの時点で弁護士を代理人に指定している。
それまで自分の力だけでやって来たのは、ワシも少々人より頭がいい人間だという自負もあったし、もちろん弁護士と相談はするけれども、とりあえず自分の力だけで戦えるだけ戦ってみて、ここぞという時に「伝家の宝刀」を出すという作戦である。
このタイミングがワシにとって「ここぞという時」であり、この「伝家の宝刀」がとても切れ味が鋭かった。
やはり「プロ」というものはもの凄いものの考え方をするもんだと舌を巻いた。
まずは小難しい法律用語が並ぶJASRACの提出書類を読み解く。
これがそもそもが普通の商店主では出来ないことなのである。
まず弁護士はその中で大きな落とし穴を見つけた。
JASRACの担当者は過去にワシに電話で「1曲90円という支払い方もありますよ」と案内したが、それは厳密に言うと後に「ウソ」ということになる。
この調停の場でもはっきりと「いや、店の面積を調べて計算したら1曲140円です」と発言し、「そうすれば正しく著作権者に分配される」と説明をしているにもかかわらず後に自らそれを反故にしている。
裁判所という空間で調停委員会という目の前で発言しているのだからということで、ワシはそれを信じてそのやり方で支払うことを裁判所で宣言し、それを受けて現在の店の支払いシステムとなっているのだ。
ところがJASRACは後に「曲ごとの個別の徴収システムはありません。全ては包括契約による月ごとの支払いです」とそれを否定する発言をするようになる。
話を戻すと、弁護士が読み解いたその一行はつまり、「それではやっぱり正しく著作権者に分配されない可能性がありますよ」というところであった。
誰もが「この140円の中からJASRACがしかるべき手数料を取って残りを著作権者に分配する」と理解するところが、実はJASRACが案内している「積算算定額による包括許諾契約」というのは、必ずしもそれを正しく著作権者に分配するというわけではなく、それを「包括契約のサンプリング」つまり「ブラックボックス」に入れてしまって、相変わらず誰にいくら分配したかを公表することはしませんよという解釈が成り立つのだ。
これでは「騙し」ではないのか?
JASRACはもともとはそうするつもりでそれを書いている。
ワシだって読み解けなかったんだから普通の商店主でそれを読み解くことはまず無理なのに、である。
だから「著作権料が正しく著作権者に分配されること」を絶対的な条件として話し合いが積み上げられてしまうと矛盾が生じてしまうから突然主張を変えたのではないかとワシは想像している。
また、弁護士が次の調停の時に送りつけた書状が痛快な内容だった。
「JASRACはそもそも金銭請求を行う法律根拠を明らかにしていない」というところから始まって、「ライブハウスは『演奏者』ではない」という項目には正直言って舌を巻いた。
さすがは「プロ」である。
これはある「判例」をもとに構築している理論なのであるが、和歌山のとある判例は、ぱっと見はJASRACが勝訴して商店主は請求される金を払ったという事実しか見えないが、その裁判の時にちゃんと、「ライブハウスは『演奏者』ではない」という判例が下されている。
一般人がある「事例」を見る時にある一面しか見てないのと違って、弁護士が見る一面は全然違う面を見ているのだ。
そもそもこの一連の著作権に関する訴訟は、「カラオケ屋は機械を置いてあるだけで歌ってるのは客だから店は著作権侵害をしていない」という「カラオケ論争」から始まったものであるが、それに対しては「店がちゃんと設備を用意して客から金銭を取って歌わせているのだから」ということでちゃんと判例が出ている。
つまりカラオケについて論じればそれは「著作権侵害をしているのは店である」ということである。
この判例を元にあらゆる著作権に関する裁判が行われて来たわけであるが、この和歌山の判例は一般社会では単なる「JASRAC勝訴」と取られているが、法律界では「ライブハウス」というものにおける新しい判例となった大きな事例であったという。
簡単に言えば、演奏者に場を提供して飲食で儲けている場合は、店はその演奏によって集客が増えるという間接的な利益はあるが、基本的に著作権侵害を行っているのは演奏者であって店ではないというものである。
特にX.Y.Z.→Aのようにチャージバックを100%バックしている店は、JASRACはこれも一様に「社交場」に当てはめて金銭請求をしているが、これはむしろ「コンサートホール」と同様に扱われてしかるべきものなのだ。
著作権侵害は演奏している演奏者であり店側ではないというものである。
また、「オリジナル曲を著作権者自身が演奏する場合、不法行為は成立しない」という点も挙げている。
JASRACは、著作権者自身が自分の曲を演奏した場合も必ず指定した書式に記入して著作権料を支払えと主張するが、それは明らかに「権利の濫用」つまり「やり過ぎ」なのである。
実際ワシら著作権者は全ての権利をJASRACに預けている。
だからJASRACは著作権使用者に対してその権利を行使出来るのである。
しかしそれを自分に行使されたらどうなる?
自分の曲を自分で演奏してJASRACが「金を払いなさい」というのはどう考えてもおかしいのではないか?
JASRACはそもそもが「著作権者に個別に許諾を取るのは難しいでしょ。うちはその楽曲に関して著作権者に全ての権利を譲渡されているのでうちにお金払ってくれたら許諾を出しますよ」というのが「商売」である。
自分の曲を自分で演奏するのに許諾もへったくれもないが、JASRACが言ってるのは「それではしめしがつかない」という程度の理論なのだ。
また「制度改善努力の欠如」という点もちゃんと挙げている。
この時代、例えば各ライブハウスに演奏曲目入力ソフト(仮称)を無償提供する(無償ダウンロードを可能化する)等の方法により、各ライブハウスにおいて出演者がJASRAC管理楽曲の演奏を申告出来るシステムを構築するなどとても簡単なことなのである。
そうでなくても「曲別清算」の契約を推奨すべきであるというもの。
ところがJASRACは2012年11月19日3度目の調停以降、全てのこちらの主張を一切無視した。
主張するのは「店が提出した書類に不備がある」ということの一点張りである。
それはJASRACから指導を受けた2012年6月11日以降の書類ではなく、それより前の出演者による手書きの楽曲リストである。
ファンがUPしたブログを引用して、「ほら提出したリストと違うでしょ。こんなものは信用に値しない。やっぱり包括契約で支払いなさい」
と来る。
理論があまりに「幼稚」である。
そんなにファンのブログを信用するならもう楽曲リストなど提出しても意味がないのだ。
「全部お前がファンのブログをチェックしてリストを作れ!!」と言いたい。
JASRACが提出したブログを書いた人間に個別に連絡を取って、「そんなものを証拠として使われたんじゃおちおちネットにモノも書けないではないか」というコメントを取ったり、だんだん戦いが「幼稚」なものとなって来たが、それでもワシらは少なくともJASRACの主張に全部答えて来た。
資料を直せと言えば大枚はたいて直し、実に誠意を持って答えて来た。
しかしJASRACは全てのこちらの主張を無視し続け、最終的にテーブルをひっくり返したのだ。
「そもそも包括契約しかないのだ。末吉氏はありもしない徴収方法で支払いたいと無茶を言っている」とは何たる主張なのか!!
ついでにこれも書いておこう。
これは裁判所に提出したものではないが、現状の包括契約では絶対に著作権者に著作権料が分配されないという私なりの分析である。
1、全国の名だたるライブハウスがひとつもモニター店ではないという可能性
バンド「X.Y.Z.→A」が52軒のライブハウスで行った演奏がJASRACのサンプリングに引っかかってない事実に対して、JASRACは2012年6月11日の調停時に口頭で、「モニター店が毎日モニターをしているわけではなく、たまたまモニターをしてない時期に演奏をしたのであればそれはサンプリングにひっかからない」と、あたかもX.Y.Z.→Aが出演した全国のライブハウスも立派にモニター店として網羅してあるかのような答弁をしましたが、これが正式な答弁とすればそれは虚偽です。
例えば、分かり易く数字を辛めに設定しますが、52軒全てのライブハウスがモニター店であり、それが「たまたま」モニター時期でなかった確率をそれぞれのライブハウスで半々の確率(1/2)であると設定しますと、52本のライブがそれぞれ全て「たまたま」モニター時期ではなかった確率、つまりJASRACが2012年4月16日の調停時に提出した書類の中の、「バンドX.Y.Z.→Aが行った52本のライブにおける著作権料が正当に分配されてない事実」のような「現実」が起こり得る確率は1/2の52乗、つまり4503599627370496分の1の確率であり、現実的には「絶対に起こり得ない」確率となります。
(注:同じライブハウスに複数回出演している場合も「1回」として計算しています)
また、1年のうちに1四半期だけモニター店であるとして数字を甘くしてゆき、たまたまモニター店でなかった確率を3/4に設定しても、このような現実が起こる確率は0.00000031855593となり、これも「絶対に起こり得ない」確率となります。
つまり「たまたま」モニター時期ではなかったということは「あり得ないこと」としか言いようがありません。
また、この数字を甘くしてゆけばゆくほど、「モニター店」としては実際に機能してゆかなくなるわけですから、現実的に導かれる結論としては、これら全国の名だたるライブハウスはひとつもモニター店ではないか、現実的にモニター店としては機能してないということになります。
つまりライブハウスから徴収された著作権料は、現実的にはライブハウスではない場所でのサンプリングによって分配している可能性が高いということです。
2、実際はサンプリングなど行われてないに等しいという可能性
JASRACが2012年6月11日調停時に裁判所に提出した書類の中の「JASRACだよりNo.31」には、「2008年度、飲食店、ライブハウス、ホテルなどで生演奏やレコード演奏等により利用された作品の延べ曲数はおよそ2万曲である」と書かれてあります。
またJASRACが2012年6月11日の調停時に提出した書類の中には「1四半期合計200件を無作為に抽出し各店の一日の全ての利用曲目を記録集計して、社交飲食店全体の利用曲目の利用頻度を推計して分配のための資料としています」と書かれています。
「件」という単位が「軒」ではないので理解に少し苦しみますが、仮に各店舗が1日に10曲演奏したと仮定すると、200軒が90日それを続けると1四半期では18万曲となって、上記2万曲よりはるかに多い数字となってしまいます。
1年で2万曲と言うと大きな数字に聞こえますが、1四半期でたかだか5000曲、一日で割るとたかだか55曲程度ということです。
また「1四半期に200件」という数字に関して分析すると、その5000曲という数字が実際にJASRACがサンプリング調査した曲数だと考えるとすれば、1四半期200件という数字は一件につきたかだか25曲しかサンプリングしていないということで、これはCDを一日中流している店でいうとたかだか2時間分、仮にひとつのサンプリング店で8時間調査をしていると考えるとJASRACは4日に一度しかサンプリング調査を行っていないということです。
また「200件」というのを「200軒」と考えて、もしモニター店が本当に全国に200軒あるとするならば、毎日その店でサンプリングを行ってくれてるであろうという私たちの想像とは裏腹に、JASRACは1軒につき1四半期にだいたい1日分のサンプリングしか行っていない、つまり90日のうち1日しか働いてないということになります。
(1日25曲を演奏しているとして計算)
また、もし1日25曲を演奏するライブハウスを1四半期毎日調査をしたとすれば、その店だけで調査数は90件となり、モニター店は全国で3軒もないということになります。
どちらにしろあり得ないほど非常に低い数字であり、間違ってもサンプリングが正しく行われていると言うことは出来ません。
もしこの2万曲という数字がJASRACが言うように1年間「実際に」演奏された曲数とするならば、Live Bar X.Y.Z.→A 1軒だけで1年間に400曲以上演奏するのですから、それが全曲JASRAC管理楽曲であったとしても、それならば全国に飲食店は25軒もないということになり、この数字は「実際に演奏が行われている」数字ではなく、「JASRACが把握している数字」つまり「実際にサンプリングを行った数字」としか考えられません。
そうすればJASRACが実際に1日に行ったサンプリング数はほぼ55曲しかないということになります。
(2万曲÷365日として計算)
更に、この数字はライブハウスだけでなく全ての飲食店で演奏(CD等をかけるだけも含まれる)わけですから、特に1日8時間ずーっとCDを流している店をサンプリングした場合を想定すると、1曲5分の曲を8時間流し続けるとそれだけで100曲を超えてしまうわけですから、実際にライブハウスで演奏されているサンプリングは1日に1軒もないと考えられます。
すなわち現実的にJASRACはライブハウスにおけるサンプリングを全く行っていないに等しいということです。
これらの事実は、JASRACがそのサンプリング調査の実情を公表することを長きに渡って拒み続けているので、実際はどうであるのかということは闇の中です。
私どもが個人の力で2012年6月11日から現在に至るまで3四半期以上JASRACの指定する形式にて全ての楽曲をリストに記入していることを考えると、JASRACほどの組織の規模がモニター店を実際に200軒作り、同様にその毎日の演奏曲目を1四半期分毎日集計することはあまりにもたやすいことです。
しかしそうなるとJASRACの言葉で言う「一年に演奏された楽曲」は実際に発表された2万曲よりも更に多い72万曲という発表になるはずです。
(1四半期分18万曲の4倍で計算)
つまりJASRACはその能力があるにも関わらず、その努力を一切行わず、その事実を隠蔽しているということに他ありません。
以上はまだ提出してない原稿である。
そもそもが法律的な「戦い」とは相手の挙げ足の取り合いのようなものである。
ここにUPした内容も敵はそれを十分吟味し、その内容を逆手に取って攻撃して来るだろう。
それが「戦争」である。
JASRACが今このタイミングでどうして訴訟準備をしているのは本当に頭をかしげてしまうが、上記の内容に完璧に答えて論破出来ると弁護士が踏んだのか、もしくは上記の内容は完璧に無視出来ると踏んだのか・・・
どっちにしろ裁判が始まればここに書いた内容はもうこうして公表することは出来なくなるのだから、例えこれが後に自分に不利になろうがここに公表しとかねばと思いUPすることにした。
うちの弁護士はこれが裁判になるとかなり「世間を騒がす」ことになるだろうと言う。
今まで誰もこの部分にメスを入れたことがなかったからである。
奇異な運命で「もらう側」と「払う側」の両方を知ってしまったからこんなことになっている。
本当に裁判となり、こちらが勝てばJASRACは何千万かけようが何億円かけようが、ちゃんと著作権者に著作権料を支払うシステムを構築せねばならなくなるだろうし、負ければこちらは数百万という「損害賠償」という名の著作権料を「包括契約」というドブに捨てることとなるけれども、和歌山の判例と同様に形の上では負けたことになっていても法律界にとっては判例として大きな一歩を残せるだろうと信じている。
来るなら来い!!とことんやってやる!!
執筆: この記事はファンキー末吉さんのブログ『ファンキー末吉とその仲間達のひとりごと』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2013年11月06日時点のものです。
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