国家公務員制度改革法案が近々国会提出の予定との報道が飛び交っていますが政府から提示されている骨子をみただけでもこれまで議論されてきた内容から大きく後退しており、さまざまな問題点があるといわれています。このような問題点についての説明が急遽実施された「国家公務員制度改革に関する緊急提言」の会場にて、発言者のひとりである岸博幸氏(慶応大学教授)に質問をしてみました。なぜ公務員制度改革は必要なのでしょうか。そして改革を大きく後退させると言われるこの法案はなぜ問題なのでしょうか。
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■記者
成長戦略、雇用などは分かりやすい話ですが公務員制度改革自体が20代30代の人たちにとって具体的にどのように関わってくるのかを簡単に教えていただけないでしょうか?
■岸博幸氏
実際分かりにくいと思いますが、公務員制度改革を進めないと結局日本の未来の成長が作れない、その部分につきます。どうしても官僚主導でやっていると岩盤規制もなかなかかえられない、それのみならず財政赤字の削減も財務省はいろんな貸し借り関係の中で自分の省の影響力の最大化を考えますから将来の負担を最低限にするといった発想はまったくありません。その中で若い世代にとって大事なのは経済が成長して自分たちの仕事も当然ある、給料ももらえる、加えて消費税もそこまで高くならない、将来の社会保障の水準もそこまで下がらない、という状況を実現することが必要です。
ところが今の官僚主導、人事も官僚が決める、どの規制をするかも官僚が決めてしまう、どんどん官民交流をして民間への影響力を強くしてしまう。結局これは今の世代はもつ政策をやるんですが残念ながら将来の世代の政策をやるほど官僚はイマジネーションがある人種ではありません。逆に今の世代、自分の周りだけで完結した政策を作ってしまいますから未来の世代に付け回しされます。規制面、財政面、いろんな面に(将来への付け回しが)現れます。ですから公務員制度改革を進めることこそが実は将来の日本の成長性を高める、日本の将来の財政や社会保障の観点からも本当にバランスのとれたことにつながると思います。要するに政治主導をやらないとダメだということです。
日本の制度のなかで一番強固なものが官僚制度でその部分を変えてしっかりした政治主導にしてかつ、その中に若い世代を代弁する声が入らなければ残念ながら現在で完結するだけで終わってしまいます。
■記者
ありがとうございました。
●動画
http://youtu.be/j8O6t4J4ahE
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