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「14歳の子を持つ親たちへ」

2013/10/05 18:00 投稿

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「14歳の子を持つ親たちへ」

今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

■「14歳の子を持つ親たちへ」
某プロブロガーが推しまくるので、つい買ってしまった。紙の本が700円ぐらいで、kindle版が400円ぐらい、さらになんか割引で、結局200円ちょっとで買えた。なんか喜ぶべきことなのか。これじゃ古本屋とかは潰れるな。

タイトルは「14歳の子を持つ親たちへ」だが、内容はよもやま話の対談で、その中に親と子の話がいくつか出てくる。とりとめのない対談のタイトルをどうするか、編集者がつけたのだろう。著者はネットでも知られている内田樹と精神科医の名越康文。

   *   *   *

俺はカウンセリングに対して懐疑的なのだが(人生相談と質的に違うのだろうか)、名越康文の話はカウンセリングの難しさとかも語っていて、やっぱいろいろ苦労があるのね、と。

どっちの著者が言ったのか忘れたが、義務教育は14歳までで終わらせろというのも、一理ある気がする。むかしは中卒で働く人が多かったのだから、高校生や大学生まで子供扱いするのは、無理があるよな、と。中卒で働かせた方が労働人口も増えていいんじゃなかろうか。どうしても勉強した人だけ大学へ行く。

大学で仕事に役立つことを教えろとかいう本末転倒より、さっさと就職させるべき。

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某プロブロガーが気に入っていた「攻撃性は脳にあって、身体はむしろ抑止的」という話。たしかにそう語られている。でもこれは、従来の「脳=理性=平和的」「身体=動物=攻撃的」という思い込みに対するアンチテーゼとしては意味があるかもしれないけれど、これ自体はあまり的確な表現だとは思えない。

まあそもそもこの対談が2人の先生が、「私は実は日頃、こんなふうに思ってるんですよ」みたいな話の連続だから、それほど厳密な話ではないし。

よく人間は理性の動物だと言われるけれど、俺はそうは思わない。人間の思考も基本は感情であり、理性的な思考というのは人間にとってもかなり特殊。人間はすごく無理して理性的な思考をしている。

人間の基本の思考は感情であり、感情によって論理的な思考をする回路をシミュレートし、それによって論理的な思考をしているのだ。だからすごく効率が悪い。そして感情が乱れると、シミュレーション回路も破綻して、もはや論理的思考ができなくなる。

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革命運動をしてる人間が、家に帰ると「ママ、ごはん」というギャップについて語っている。こういうのが頭だけ発達し、体の成長がついていかないということなのだろう。頭では国家の未来を憂い、一方で自分の生活能力はまだ親に依存している。

まあ言いたいことはわかるが、それを頭と体という形で捉えるのが的確か?というと賛成できない。ようするに考えだけが暴走し加減を学習できていない状態をいいたいわけだよね。冷蔵庫に入るコンビニ店員を必要以上に非難したり。

これは社会全体の中での位置づけがまだ経験的にわかっていない状態であって、別に頭と体の話ではないと思う。小学生が些細な事に「いけないんだー、先生に言いつけよう!」とかやっているのと同じ。あるいは杓子定規にルールを守らせようとしたり。その弊害まで考えが至らない。

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物事の加減というのは、論理で導き出すことが難しく、経験で学んでいくしかないことが多い。ガチガチにルールを守らせると自主性が失われるとかね。

本ではその後「自分の拳を通して表現できる思想以外を語るな」という誰かの言葉が引用されている。実際ネットでは身の程をわきまえない崇高な理想論だけを振り回す人間は多い。

でも実際に腕力を持ち出すわけには行かないのだから、結局は自分が可能なことと不可能なことを知るために、経験を積めということが必要ということだと思うのだよね。簡単にいえば、自分ができないような理想は人にも押し付けない、と。

この対談、全体的になんでも「身体感覚」に帰結しようとする傾向があるような(苦笑)。「身体感覚」で象徴されているものが何か、その先まで分析すべきだと思う。

「こうすれば勝てるはず」というのが頭、「こうしたら勝った」というのが身体感覚なのだと思うのだよね。経験というか実績というか。頭で考えると勝てそうでも、実績や経験がないとどうしても実行には及び腰になってしまう。それを身体感覚と表現しているのではないかと。

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「叱る」とはなにか?理屈ではないものだという。俺もそう思う。ようは感情…というよりももっと低いレベルの感覚、痛みとかだと思う。理屈で理解できるものは、説明すればいいわけで、それで済むなら、叱る必要はない。

熱いものに手を触れれば激痛が走り火傷する。火傷を取り除いた激痛のみが「叱る」ことなのだ。叱ろうが叱るまいが、激痛は体験する。叱らないと火傷までする。火傷を防ぐために叱るわけだ。もっとも原始的な学習はそういうものだと思う。

本ではその時親の「愛」が重要だと述べている。それはおそらく「子供が火傷するのを全力で防ぐ」という意志の伝達なのだろう。ただあまりこれ以上は掘り下げられていない。こういうところを掘り下げて欲しいんだよね。無理難題かもしれないけど。

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ルーチンワークによって始めて教育は成立するという。これは面白い考えだと思う。あまり俺は考えたことがなかった視点だ。でも言われてみればそのとおりかもしれない。

そもそも「学習」というのが繰り返しを前提とするものなのだろう。学習結果を活用できる場面がなければ、学習する意味がないわけで。なんかこの点は考えてみると面白いな。なかなかの収穫。

参考サイト:
「14歳の子を持つ親たちへ (新潮新書) [新書]」 内田 樹, 名越 康文(著) 『Amazon』
http://www.amazon.co.jp/dp/4106101122

執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

寄稿いただいた記事は2013年10月02日時点のものです。

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